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798 機関銃にくっついている放熱フィンってのはどの程度効果があった物なのでしょうか?
紅葉饅頭

  1. 大いに効果があったようです。これのない航空機銃は地上では連射が出来なかったと言われています。
    BUN

  2.  放熱フィンのない機銃は 20〜30 発を連射すると銃身が真っ赤に過熱し、この状態で更に射撃を続けると旋条がみるみる擦り減って命中精度が極端に悪化したそうです。というわけで第一次大戦中・後に重機関銃(拠点防御用で長時間の連射が前提)には水冷のものが流行りましたが、重く高価でメンテナンスに手間がかかるとかデメリットも多く、第二次大戦からは省みられなくなってゆきます。代わって登場したのが銃身を消耗品と考えた次世代の汎用機銃で、代表的なのはドイツの MG34/42 です。
     ちなみに旧陸軍の 92 式重機は銃身に大きな空冷フィンを設け、なおかつ発射速度を落とすことにより空冷ながら連射を可能にしたユニークな火器(貧乏性かもしれない^^;)でした。
    ささき

  3. ささきさんすいません。放熱フィンは水筒の中に入っていたって事ですか?
    紅葉饅頭

  4. >3.
     えっと、ささきさんはちゃんと「空冷」と書いてますよ。
    せせひわ

  5. ・水冷式機関銃=水を入れたバレル・ジャケットで銃身を強制冷却する
    ・空冷式機関銃=銃身に施した放熱フィンまたは銃身冷却効果のある構造を持つバレル・ジャケットで銃身を自然冷却する

     こう考えてください(いちいち説明しなくてもわかる? ごもっとも(;^_^A)。
     現在の汎用機関銃も空冷式の範疇に入れることができますが、銃身を簡単に交換する機能を持っている点で、昔の機関銃とは比較にならない射撃性能を実現しているといえますね。

     マキシム機関銃(砲)のイギリス版である水冷式機関銃ビッカースMkI(口径.303ブリティッシュ)の後期モデルは、4.3リットルの水で銃身を冷却し、発射熱で蒸発した水蒸気は、バレル・ジャケットからホースで後水缶に導かれて水に戻るようになっていました。ただ、長時間の射撃では、後水缶から立ち上る蒸気が敵に見つかりやすい欠点があったとか。ちなみに銃身交換は1万発とのことです。
     水冷式機関銃の難点の一つは冷却水の補給です。ビッカースMkIも北アフリカ戦線では水の補給に困ったとか。

     旧日本陸軍が重機関銃を空冷式としたのは、蒸気による位置の暴露の他、冬の満州では冷却水が凍ることを懸念したという理由もあったとか。
     その旧陸軍の重機関銃は、ホチキス機関銃の輸入&模倣(保式)から始まり、改良されて明治40年に38年式機関銃(口径6.5mm)に発展します。が、この保式と38年式の銃身放熱フィンは、真鍮からの削り出しで作られていたそうで、3年式重機関銃以降の鉄製円盤を並べたものに比べると放熱効果はよくなかったとか。38年式を用いた明治44年の実験では、1,050発撃つと銃身先端でも煙草に火が付くほどだったとのことです。

     銃身というのは数発撃っただけでも熱くなる代物です。わしの知り合いにFN FALのセミ・オート版を所持している人がいるんですが、その方に聞いたところ、5発撃っただけでハンドガードから熱で白煙が立ち上るとか。

     加工に手間がかかる等の理由から、第2次大戦後ほとんど省みられなくなった放熱フィンですが、仏PGMプレシジョン社のスナイパー・ライフル、ウルティマ・ラティオ・インターベンションには、銃身全体を放熱フィンで包んだモデルがあります。
    ブラック・タロン

  6. 日本陸軍も、要塞配備用に水冷式の九八式重機を持ってますね。
    ソ満国境要塞などに配備されてたようです。
    原型は英国のヴィッカーズですから、マキシム系ですね。
    弾薬は九二式実包、お得意の保弾板ではなく布ベルト給弾を採用してます。
    まなかじ

  7. 紅葉饅頭さんのお住まいは確か東京近郊でしたよね?でしたら靖国神社で九二式重機の実物を見てみると言うのもアリかも。
    手前味噌ながらhttp://fukuoka.cool.ne.jp/sesehiwa/pic/yasukuni/mg92.jpgと言う画像もありますので、参考になりましたら。
    せせひわ

  8. ブローニングM2・12.7mm機関砲の場合、通常の地上及び航空用は空冷ですが、
    艦載用に水冷のバレルジャケットが存在します。
    冷やせるだけ冷やしたいと言うのが機関銃の気持ちではないでしょうか?

    数年前のパソコンのCPUでも放熱フィンを付けないと焼ききれてしまいます。
    ダークマター

  9. >3. すいません、わかりにくい書き方でしたね(^^;)。「ある程度以上の連続射撃をする機銃は水冷になっていた;空冷で連射できる弾数には限界がある;だから少しでも限界を上げるため放熱フィンをつけている;92式重機は発射速度も落とすことで限界を更に上げていた;しかし他国の機銃は銃身を使い捨てにすることで加工に手間のかかるフィンを省略した」ということを書きたかったのです。
    ちなみに同じ「92式」でも海軍92式機関銃はルイス MK.I のコピーです。銃身を太いジャケットで覆っていますがこれは水冷ではなく、銃身には縦方向の冷却フィン(アルミ製)が付けられその外側をジャケットが覆い前後に開口部があり、銃口からの爆風を誘導してジャケット内に気流を循環させ冷却を促進するのが目的でした。航空機搭載時には外気が直接銃身を冷却するため MK.II ではジャケットが省略され、MK.III では冷却フィンも取り除かれています。
    ささき

  10. 単純に行きましょう!!空冷機銃で考えます。
    質問:放熱フィンってのはどの程度効果があった物なのでしょうか?
    回答:(そのままでは)あまり効果は期待できません。気休め程度!!
    解説:1.少しぐらい放熱フィンを付けても、流風が無ければそんなに冷却しません。
         バイク等の空冷エンジンを停車のまま廻し続けたらオーバーヒートするのと同じ。
         9>.ささき氏の例題ルイス機銃の様なギミック(確かストーブパイプ理論!)か、横に扇風機が必要。

       2.それでは冷却対策どうするか! 
        a、製造に手間の掛かる銃身放熱フィンより、HEAVY−BARREL(重銃身)です。
          銃身の質量を大きくして熱容量を大きくする。一部の例外(極東の某国62式
          &>5.ブラック・タロン氏指摘)以外、現在ほとんどの機銃がこの方向です。
        b、銃の構造をオープンポルト方式にする。
        c、連射しない。させない。 ホチキス式に始まる帝国陸軍の ”30連発保弾板”は
          その為でした。わざとベルト式にしなかったのです。
        d、早期の銃身交換。

       3.ところで、なぜ銃身冷却が必要か?
          a、銃身命数の延長。 
          b、熱膨張銃身変形による命中精度悪化の防止。
          c、クックオフ、薬莢焼き付け、薬莢切れの防止。
     以上

    軌跡の発動機?誉


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