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旧陸軍が大久野島にて『赤1号』の名称で製造していた化学兵器(くしゃみ剤)『ジフェニールシアンアルシン』について、特性などご存じの方がいらっしゃればお教えいただければ幸いです。手元の化学兵器の資料には載ってないもんで・・・ ブラック・タロン |
http://www1.ocn.ne.jp/~dokugasu/matsuno/matsunoFS.html
http://www.v-net.ne.jp/~bud8743/ookunosima1.html
又、毒ガスと農薬は表裏一体ですから下記のHPに問い合わせも有りかと!!
http://www.top.or.jp/~ladybugs/indexdok.htm
そして
私の資料(”兵器大観”昭和9年発行)より抜粋しました。(( ))は 私の勝手な注釈です。
・ヂフェニールシヤンアルシン:化学的分類だと砒素系に属す。
純粋の物は無色、常温には固体である。苦扁桃油臭((アーモンドの事?))。
空気中一万七千分一で一分間で致死させ、一千万分の一でも鼻腔、肺を焼くが如く刺激しクシャミを出させ吐気を催さす。
効力持続時間:一時性瓦斯。平地上微風(風速2m)時、約20分。森林中にては3時間。
比重:液体2O゜C時 1.42
気体2O゜C時 気化せず微粒子となり飛散す。
中和剤:活性炭による吸着及び曹達石灰「フエルト」((フィルターの事))により濾過無毒とす。
類似ガス
・ヂフェニールクロルアルシン:前者と同形同臭で毒性の程度は一層強烈である。
・アダムサイト:前者と同形でその毒性は前ニ者の中間なり。
毒性微数を比較すると、かの有名なイペリットやホスゲンと同等の威力の様です。
毒性微数:ドイツが考え出した毒ガス効力式。値が小さい程有毒。
毒性微数=空気1立方米中のガス量(モル?)X致死に要する呼吸時間(分)
参考値:ヂフェニールシヤンアルシン 580
イペリット、ホスゲン、 300
青酸ガス 1000〜5000
((通常の催涙弾 7500〜10000位らしい!!))
以上。 古い資料ですので、今の眼で見ると相違、疑義の点、有るかと思います。
軌跡の発動機?誉
くしゃみ剤と聞くとDM剤(アダムサイト)を真っ先に思い浮かべてしまうわしですが(この質問を書いた理由も、DM剤との違いが知りたかったから(;^_^A)、系統的には近い薬剤と考えていいわけか・・・
大久野島は、現地の休暇村に半年ほど勤めていたことがあり、なぜか思い入れがあります(笑)。上述のHPで紹介されていた村上氏(同島毒ガス資料館長。当時)には、新人教育の折りに講話をいただきました。昼食を届けに行ったこともあったか・・・(遠い目)
ブラック・タロン
DMはディフェニルアミンクロルアルシンですから構造も極めて良く似ていると思います。さらに糜爛性のディクロル(-2-クロルヴィニル)アルシン(=ルイサイト)も同族です。いずれも毒性を炭素原子と結びついたモデファイド アルシン基によっており、体内に取り込まれると重金属である砒素があるため排泄が容易でない化合物で慢性毒性もあります。これらの化合物を体内から排泄させる為に考え出されたのが有名なキレート化剤BAL(British Anti-Lewisite)です。
SHI