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はじめまして。伏と申します。 初めての投稿質問です。 ガスガンの購入を考えている最中で疑問に思ったのですが ベレッタM92F と ベレッタM92FS では何が違うのでしょうか? それとM92Fというのは何かの略語なのでしょうか? それとも只の型名なのでしょうか? 最後に1985年にあったアメリカ陸軍制式ピストル採用試験であったベレッタ騒ぎの事件を知っている方詳しく教えてもらえないでしょうか? 伏 |
M9として米軍制式ピストルとなったベレッタM92Fですが、採用後、強装薬の弾(米海兵隊辺りはサブマシンガンやピストルに強装弾を使うことが多い)を使用したところ、スライドが破断し後方へ飛び出すという事故が発生して問題となり、これの対策が施されたモデルがM92FSと呼ばれるようになりました。
対策と言っても、スライド破断が起きたときに、割れたスライド後端が後ろにすっ飛ばないよう、フレームのハンマー・ピンの頭を大きくしてスライドの溝に噛ませているだけです。
両者の外観的識別点は、スライド後端(セフティ・レバーの下辺り)とフレームとの隙間です。M92Fはこの隙間に何もありませんが、M92FSではフレームからパーツ(ハンマー・ピンの頭)がはみ出しているのが見えます。
米軍のM9もM92FSに対応していますが、制式名称は変更されていません。
ただ、このM92Fのスライド破断事故というのも、トライアルで出てこなかった問題が採用後に出てきた等々、真偽のほどはいろいろ言われているようです(ベレッタ嫌いの連中がわざと強装弾で撃ちまくった等々)。とはいえ、民間レベルでもこのM92Fのスライド破断は問題となったようで、フィロビス社というメーカーが、ベレッタ・オートの特徴であるスライド上部の切り欠きを塞いで強度アップを図ったM92F用のスライドを製造しました。このスライドは、マルシンのオリジナル・フルオート・モデルガン『ドルフィン』で使われているので、知ってる方もいるかもしれません。
米軍が、M1911A1(コルト・ガバメント)に代わる次期制式ピストル採用計画としてJSSAPをスタートさせたのは1970年代後半です。いくつかのメーカーから候補が出されましたが、その中でベレッタ社が1978年に提出したのがM92Sでした。M92Sは、その後改良されてM92S-1、M92SBへと発展し、一旦採用が決まりかけたようですが、米国内メーカーの反発や政治的圧力等により、JSSAPは結論が出ないまま1984年まで続きました。
しかし、1985年に、最終的にベレッタM92SB-Fが次期制式ピストルM9として選定され、これの民間向けモデルがM92Fとして発売されました。
ただ、この選定経緯についてもSIGの提示価格の方が安かったとか、逆にベレッタ社が大幅に値引きしたとか、あるいは米軍がイタリアにNATOの巡航ミサイルを円滑に配備するための政治的選択(要はゴマスリ)とか、いろんな揣摩憶測が飛んでいます。
真相がどうであれ、M92Fが7年にわたる過酷な採用トライアルを勝ち抜いてきたのは事実であり、その後の軍用ピストルのエポックメイキングとなったのも確かです。
ブラック・タロン
ベレッタM92の型名ですが、M92は『Model 92』の意です(92の由来はわかりません)。
以降、改良順に説明すると・・・
・M92
1975年に登場した最初期型。フレーム側にセフティを備えていた。
・M92S
1976年登場の改良型。イタリア警察の要望を受け、セフティにハンマー・デコッキング機能を追加してスライド後部に移した。Sは『Safety』の略と思われる。
・M92S-1
米軍トライアル(JSSAP)に提出後、1979年に登場した改良型。トリガー・ガード後方にボタン型マガジン・キャッチを装備する等の小改良を加えた。民間向けにはM92SBの名称で販売。
・M92SB-F
1985年に米軍制式となった最終試作型。Fは『ファイナルバージョン』の略。民間向けにはM92Fの名称で販売。
ブラック・タロン
初心者にここまで親切詳しく教えてもらえるとは考えていませんでしたので、とても嬉しく感じました。
これからも質問することがあると思いますが、その時はどうぞよろしくお願いします。
伏