604 |
エアーガンのカタログに載っていた南部14年式とはどんな銃ですか。 S・T |
1903年、旧陸軍砲兵将校の南部麒次郎が、海外でセミ・オートマチック・ピストルの開発が進んでいるのに刺激されて、『南部式自動拳銃』を開発しました。口径は南部が独自に開発した8mm南部(8mmX21)、外見や一部の機構はルガーP08系に似ており、P08のコピーとよく言われますが、ショート・リコイル機構はモーゼル・ミリタリー等と同じプロップ・アップです(イタリアのグリセンティ拳銃を参照したと思われる)。安全装置としてグリップ・セフティを備えています。バリエーションとして、口径8mmの大型(甲・乙)と、口径7mmの小型(通称ベビー・ナンブ)があります。
南部式自動拳銃は、予算的な問題から陸軍制式とはなりませんでしが、海軍が陸式の名称で少数採用しました。
この南部式自動拳銃(大型)を改良し、大正14年に陸軍制式となったのが『14年式拳銃』です。主な改良点は、南部式でフレーム左側に大きく出っ張っていたリコイル・スプリングを、2本に分けてフレーム内部に収めたことと、照準器の形状の変更、グリップ・セフティを廃してフレーム左側にレバー式の手動セフティを備えた点です。反面、ボルト・ストップを持たないという南部式の欠点をそのまま引き継いでいます。
製造は、名古屋・小倉・東京の各陸軍造兵廠の他、退役した南部が創始した民間の南部銃製造所(後の中央工業)で行われました。
14年式拳銃は、生産が進む間に何度となくマイナーチェンジが加えられています。まず、昭和9年にマガジン・セフティが追加され、昭和14年には防寒手袋をはめても使えるようトリガー・ガードを大型化、翌15年にはマガジン脱落防止用の板バネをグリップ下部に追加しました。
しかし、昭和17年以降は、戦局悪化に伴い逐次製造工程が簡略化され、末期の製品はかなり酷い仕上がりになってしまったそうです。
性能諸元は以下の通りです。
口径:8mm南部 全長:230mm 銃身長:119mm 重量:890g 装弾数:8発+1
知り合いから聞いた話では、初期の14年式拳銃は表面仕上げ等かなり見事なものだったそうですが、後期の簡略化品になると、マガジンのフォーロア(弾薬を持ち上げる部品)を指で下げるためのボタン型の部品が、ネジの頭をぶった切って作ったようなものになっているそうです。
ちなみに、南部14年式と一般に呼ばれてますが、軍用制式銃に本来設計者の名前は付きません。正しい名称は『14年式』です。覚えておきましょう(笑)。
ブラック・タロン
プロトタイプ(1899年)、甲型・乙型(ともに1904年・甲型は海軍で採用)を経て1925年に陸軍の正式拳銃となったのが甲型ベースの十四年式で、第二次大戦終結までに約28万丁が製造されています。
(諸元)
全長229mm、銃身長116mm、重量(弾薬除く)964g
使用弾薬:8mmナンブ(.380ACPと同程度の威力)
ショート・リコイル方式
…ところで、マルイの「作るモデルガン」シリーズでこれが出るという話はどうなったんだろう…
Schump
ごみレスですが、その昔一世を風靡したLSガンの再販の見込みはないもんでしょうかねぇ。
はしもっちゃん