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NATO制式の7.62ミリ弾はどこが悪かったのでしょう?FN−FALやG3は結構人気があったそうですし、M14も決して悪い銃ではなかったと聞きますが。 やはり重過ぎたのでしょうか? 矮鶏 |
NATO正式の7.62o(7.62×51)は装薬が多く,単発発射時ならともかく,連射の際には銃を保持するのが非常に難しいそうです.つまり,FN−FALにしろ,M14にしろ連射機能があっても,事実上連射ができないのです.現代の弾幕主義の元では,使えないために次第に使われなくなっているようです.
となりの大トロ
卑劣といえば卑劣ですね・・。
それと弾が小さくなれば同じ大きさの弾倉でもより多くの弾が装填できるのも理由の一つです。
優
が、NATOの盟主国であるアメリカが提案したのは7.62mmX51弾でした。すでにレスが付いている通り、7.62mmX51は装薬が多いため、フル・オート射撃では銃の跳ね上がりが激しくなってコントロール性が低下する弊害があり、アサルト・ライフルには不向きな弾薬でした。これを見ると、当時のアメリカはアサルト・ライフルの性格を正しく認識していなかったといえます。
結局、アメリカのゴリ押しのような形で、NATO標準弾薬は7.62mmX51に決定し、西ヨーロッパ各国が開発していたアサルト・ライフルもすべてこの弾に合わせて設計されることになりました。
これら7.62mmX51口径のライフルを採用したNATO諸国軍では、ライフルからフル・オート機能を廃止(イギリス連邦各国他)したり、装薬を減らした弱装弾を使用(スペイン、日本)するなどの対応を取りました。
その7.62mmX51を推したアメリカは、ベトナム戦争の最中にM16を採用して5.56mmX45弾に移行しましたが、多の西側各国軍が5.56mmX45に移行したのはそれから少し遅れた70年代に入ってからです。
5.56mmX45については、NATOがアメリカのM193よりも性能を強化したSS109を採用し、アメリカも後にM16A2でそれに追随した経緯があります。
対照的だったのは旧ソ連以下の東側で、7.62mmX39弾を使用するAK47を採用し、AKシリーズはその後世界各国に広まりました。7.92mmX33を原型にしたといわれる7.62mmX39は、NATOの7.62mmX51よりも薬莢が短い=装薬が少ないため、フル・オートでもある程度コントロール性が確保できます。これにより、AK47は西側より一足先にアサルト・ライフルとして完成した製品になったといえます。
ブラック・タロン
米軍が 7.62x51 弾への統一に固執したのは、弾薬の統一化を目指していたのではないかと思います。そしてライフル側を小口径化けすることで支援火器である M60 の火力を落とすことを良しとせず、「大は小を兼ねる」という発想でライフルの弾を機銃側に合わせてしまったのでしょう。
M14 は M1 ガランドと BAR 自動ライフルの利点を合わせたものになる筈でしたが、M1 と対して変わらない重量で BAR を超える発射速度を実現した結果、フルオートではまともに撃てない銃になってしまいました。近距離制圧能力は絶望的に不足で、このため古式然たる M2 カービン(M1 をフルオート化したもの)や M3 グリースガンがベトナム戦争の頃まで米軍に残ることになってしまいます。一石二鳥のはずが「あぶはち取らず」に終わってしまったわけです。
しかし 5.56mmx45 弾が歩兵ライフル用として適当かどうかについては、今も議論が別れています。近代戦において歩兵同士の撃ち合いというシーンは少なくなっていますが、もし正面から撃ち合うようなことになれば、ハイパワーで射程の長い 7.62mm 弾のほうが有利だと主張する人もいます。
例えば、米海軍特殊部隊の SEALS は今でも M14 を使っています。M16 より頑丈で故障しにくく M60 と弾薬が共通化できるメリットも評価しているようですが、近距離の制圧火力を補足するため 9mm 拳銃弾を使う MP5 短機関銃も装備しており、任務に応じて使い分けているようです。
ささき