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456 潜水艦発射型の誘導魚雷は水中目標を追尾するより水上目標を追尾する方が
難しい(水面の反射の関係?)と聞いたんですが本当でしょうか?
またドイツの「みそさざい」は対水上目標ですが対水中目標用のものは開発
されなっかったのでしょうか?
taka

  1.  対潜水艦用の魚雷は深々度における航走/三次元機動を可能とする必要があり、
    この点は対水上艦用魚雷より難しい点でありますが、各国海軍における戦後の
    魚雷発達を見ると対潜用誘導魚雷より対水上艦用誘導魚雷の方が実用化が遅い事は
    事実です。これは50-60年代の技術ではより高速が必要とされた対水上艦用魚雷の方が
    誘導機構の設計が難かしかった事を示していると言えるかもしれません(極東の某国
    海軍はG7eのコピーとも言うべき魚雷を戦後になって製造してますが、これに対して
    1960年までに対水上艦/対潜用誘導機構を付ける事に成功しています<蛇足ながら
    対水上艦用の方が先に実用化>。しかしながら同時期に試作されたG-5と呼ばれる
    推定速力50ktsを誇る魚雷の誘導機構の開発は難航し、結局同魚雷は非誘導の対水上艦
    攻撃用魚雷として正式採用されることになります)。

     なお、アメリカは1944年中に対潜用(MK27)/対水上艦用誘導魚雷(Mk28)を実用化
    していますが、以後対潜用/対水上用共々高速魚雷の誘導機構開発に難儀したのも
    事実であり、対潜用/対水上用魚雷を問わず、速度増大による音響探知能力の低下が
    魚雷の誘導機構開発における一大問題点であった事を伺わせています。
    大塚好古

  2. 大塚好古 氏 御指摘の
    >極東の某国海軍 の開発魚雷は
     G7eのコピー : 試製54式魚雷(ホーミング電池式長魚雷),
     G5 :72式魚雷(G5B 無誘導エンジン式長魚雷),
      その他、G−11,G−RX2,G−RX4 とか がんばりましたね。
     アメリカさんMK27/MK28 : フィドーのたぐい?
     と推定しますが いかがでしょう?
    防A庁さんって 試作時は ”高速水中標的” て言う開発名で呼んでます。もろバレ!!
    又、ドイツでも戦争末期に ”ツァウンケーニヒIII(ZAUNKONIG ミソサザイIII)という対潜ホーミング魚雷を試作していたらしいです。 詳しい事は私も不明です。
    戦後ちょっとして、西ドイツ海軍で開発された、対潜用:DM1, 対水上用:DM2 (ともに有線ホーミング中?魚雷) の基礎設計になったのかも知れませんね。
     すいませ〜ん!どなたか、AnsQ.453に答えて下さい。
    奇跡の発動機?誉

  3. ↑補足。五四式と七二式は概ね御説の通り(G5とG5Bでは結構違いはあるらしいけど)。
    記憶モードですがGRX-1:G-11(八〇式)GRX-2:G-12(八九式)、GRX-4:G-?(九七式短魚雷)
    ですね。
     アメリカさんのMk27はMk24フィドーから発達した潜水艦用対潜誘導魚雷で、Mk28はMk18から
    発達した対艦用誘導魚雷です。Mk27は後にMk39有線誘導魚雷に発達する魚雷でもあります。
    DMシリーズと大戦中の魚雷との関連は家に帰ったら調べてみます。
    大塚好古

  4. 目標の音波による補足(アクティブ、パッシブ両方)に関しては水上の方が
    難しいと言ったことはないんですか?
    taka

  5. ↑Principles of Naval Weapons Systemsなる頭痛の根源となる書によると、
    海面近くの場合波や小魚その他の海洋生命体の存在が多い等の要因があるため、
    アクティブ/パッシブ両者とも探知能力に影響が生じることがある、とされてますので
    言われているようなことは起こると思います。

     ただ、ドイツや日本においては対水上艦用誘導魚雷が先に実用化されたことも事実なので、
    一概に対水上艦用の方が誘導機構開発が難しいとはいえないと個人的には思いますが…。

    大塚好古

  6. ↑2 DM1中魚雷/DM2長魚雷の採用年度は各々1975/1969年ですから、T5系列魚雷の
    開発経験は活かされていると思いますが、元にした、とは言い難いかも(全長からして
    違いますし)。個人的にはT5系列の魚雷開発経験と、当時ドイツ海軍がDM3として
    採用していたMk37型魚雷が元になったと言ったほうが良いような気がします。
    大塚好古


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