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十六世紀の日本で鉄砲が急速に普及したのはなぜでしょう?欧州に比べて早すぎるように思います。当時の鉄砲がそれ程魅力的だったとは思えませんが。 矮鶏 |
弓や槍で戦われる戦闘では、ちょっとした尾根筋などに作られた山城を攻略することも容易ではありません。このため戦国前期には、動員兵力数十人程度の土豪が大きな政治的・軍事的立場を持っていました。
国内的には、戦国大名はこうした領域内の土豪に常に気を配った政治を強いられていました。ドラマに出てくる口うるさい家臣たちです。
対外的にはには防衛拠点としての山城の脅威が大きいため、侵略戦争のコストはたいへん大きなものでした。
鉄砲は高価な武器であり、装備できたのは有力大名に限られています。鉄砲の普及によって、鉄砲を持てる大名と持てない土豪との間では、武力と発言力の格差は大きくなりました。国内的にはうるさい家臣団の意見を抑えて、より専制的な政治を行うことが可能となりました。そして国内を統一した有力大名たちが、近隣の小勢力を併呑しながら全国統一を目指して争い続ける戦国後期の時代が訪れたのです。
鉄砲の伝来と普及がなければ、戦国時代も南北朝の内乱のように、決定的な決着がつかないまま長引いた可能性が高いと思います。
また、戦国時代の火縄銃は、遠方からの射撃でも十分な殺傷能力をもっており、当時としては驚異的な武器であったことも申し添えておきます。
ともさん@2CV
ともさん@2CV
出題者