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戦艦などが対地艦砲射撃するときと航空機が水平爆撃するときの攻撃力は砲弾・爆弾重量(炸薬量)が同じなら同じなのでしょうか? 対艦攻撃と違い、甲鉄貫徹力などは関係ないような気もしますが、関係ありそうな気もします。 九四式40cm砲で九一式徹甲弾は炸薬量が330 kgですが対地攻撃用砲弾の詳細もわかりません。 詰まるところ、大和が主砲一門あたり100発として、計900発、総量ざっと131.4t撃ったとき、どのくらいの航空戦力相当になるかということです。 B29の爆弾搭載量を4.5tとするとざっと291機分に相当する気がします。 散布界も気になりますが、タウイタウイ島での射撃訓練結果の1000m、この園内に9発分13.4tが着弾したら生きてる人いない気がします。 乱長文になってしまってすいません。ご教授お願いします。 lain |
大口径艦砲の炸薬量は意外なほどに小さく、榴弾であっても陸軍の破甲榴弾より小さい傾向にあります。ガダルカナルで実施された戦艦の陸上砲撃の結果からも、艦砲の陸上射撃は不発率、威力、命中率各面でかなり問題があったことは事実であるようです。ですから、炸薬量同等、という条件であっても、対軟目標であれば陸用爆弾が一番有利なのではないかと思われます。
追伸
関係各方面の皆様、私は未だ零式通常弾の対水上目標への運用について未だ自説を曲げておりません(笑)。もし形になりましたら発表いたします。
BUN
砲弾の炸薬量が一桁違いました。申し訳ないです。w
炸薬量の割合がずいぶん低いのに驚きました。
研究結果楽しみにしています。がんばってください
lain
命中率についてです。
大型艦は着弾観測用に水上機を多数配備していますが、対地艦砲射撃時も使用していたのでしょうか。またその効果はいかほどのものなのでしょうか。急降下爆撃機や巡航ミサイルのようなピンポイント攻撃は不可能と思います。となるとMLRSのような運用になるのでしょうか。
炸薬量が多くて10%ざっと140KGですと半径500m以内に9発1.26t。B29の1トン爆弾と比べてみると、何ともいえません。一発じゃないですし(対硬目標なら何となく4階建てコンクリート建築物には効果ありそうですが)
不発弾に関連してですが。現在の榴弾などは着弾前の数Mあたりで爆発する信管ですが。零式通常弾など時計信管を装備している砲弾も同じような効果を発揮することはできるのでしょうか。
lain
ガダルカナルの金剛・榛名は観測機を使ってますね
湾岸戦争でもアイオワ級戦艦が無人観測機(カメラ搭載のラジコン機)を使用しています
陸戦でも各種の観測機を用いてましたから
軍艦が観測機を使うのは状況が許すなら相当に多かったのかもしれません
また、運用っていうか精度ですが
BUNさんが述べているように、陸砲よりも精度で劣るので
とてもじゃないですがピンポイント射撃なんて出来ないでしょう
勿論、接近して、近距離の目標を狙えば・・・
当然艦は錨を降ろして完全に停止、できれば着底して安定させれば
戦車砲のようにある程度のピンポイント射撃は可能だと思いますが
でもってタイマー信管を使えば
仰るような上空破裂も当然ですが可能です
三式弾みたいな榴撒弾なんか地上射撃するなら、そうしないと効果弱そうだし
ただ、これもBUNさんが述べたように、炸薬量次第です
炸薬量が少ないと、破裂させても危害範囲はあまり広くなりません
艦艇にぶち込んで破裂する場合は、こういった砲弾のほうが
破片が大きく、船内の構造を大きく破壊できるのですが
SUDO
これからも砲弾の炸薬量について調べたいと思います
lain
標との相対位置により炸裂点が上下している可能性はあるかもしれません。ガ
島砲撃時には三式弾の炸裂点が「稍高い」傾向にあった様ですから・・
また、「ピンポイント」で目標を捉えるのは、誘導砲弾を用いない限り物理的
に不可能だと思います。どうしても数十mの誤差はありますから。
ただ、制圧射撃的な運用ですと、逆に各砲弾の着弾点がある程度散らばってい
た方が良い結果を生むかも知れませんから、戦艦クラスの砲弾で「ピンポイン
ト」にそれ程拘る必要もない感じもします。
駆逐艦クラスの「豆鉄砲」だと精密な着弾が必要かも知れませんけれども。
>1 零式通常弾の対水上艦射撃問題(笑)ですが。即働信管が付いており、
従前には実施していた事からも、完全には廃れていなかったと思います。
いずれ、研究の成果に期待します。
tackow
「さて、お問い合せの件ですが、当社では旧軍の銃・砲弾の製造は行っておらず、当時の技術も終戦で断絶していると考えられますので、残念ながら正確な御回答を出来る立場にはありません。
しかし、関係刊行物などを読んでみると、以下のような推測が成り立つのではないかと考えます。
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艦砲は一般的に高初速のものが多く、その砲弾は発射時の衝撃で約5万G、徹甲弾の装甲板への貫徹時で約15万Gの高衝撃力を受けます。
この衝撃力に耐えて、硬鋼板への貫入・起爆機構の作動を確保するために、弾殻に極めて高い強度が要求され、必然的に弾殻重量の比率が増大することになります。
艦砲弾として比較的に炸薬の比率が多いものでも、13%程度だったようです。
(米海軍の5in/38口径対空弾等)
旧軍の航空用爆弾にしても、普通爆弾では弾重量に対し40〜60%の炸薬量があるのに対し、コンクリート等の堅硬目標用の爆弾では20〜30%となり、これも要求される弾殻強度の違いによると考えられます。
また、**さんの言及されているような旧海軍の戦艦であれば、軍艦対軍艦の戦闘が第一の任務であり、その艦砲・弾薬も敵艦の装甲板を貫徹し戦闘力を奪うことがその主たる目的であったと想像します。
戦艦の艦砲による対陸上射撃は、本来の目的から逸脱した使い方であり、それ専用の弾薬を製造するという発想も無かったのではないでしょうか。
戦艦は非常に高価で貴重と考えられていた兵器であり、対陸上攻撃は航空機の爆弾・ロケット弾でも代用できるものなのですから。
参考:「世界の艦船 385集」(海人社)
「陸戦兵器総覧」(図書出版社)
日本工機株式会社 管理部総務グループ
以上」
「何か」のご参考になればと思い転載させていただきます。
(何となくメールが帰ってきたのがうれしいだけだったりして)
lain