386 |
ドイツのMG151/15の特殊なスペックは何を狙ったのでしょうか? かばとと |
しかし機関部は重く大きくなり(151/20 と 151/15 は銃身から後ろはほとんど同じです)機首に同調装備できず、Fw190 なら主翼付け根に二門、Me109 系(F型)にはモーターカノンとして一門しか装備できませんでした。
装備数が少なければ
(a) 一発あたりの破壊力で勝負
(b) 発射速度を向上し弾幕密度で勝負
という方法が考えられますが 15mm という口径上 (a) は無理。
(b) についても 151/15 は 960m/s という高初速のため反動が半端ではなく、発射速度を上げると機体側の補強が大変なので 700rpm という低目の値に押さえられています。対して 13mm MG131 は 900rpm、皮肉なことに口径を上げて初速の落ちた MG151/20 では発射速度 740rpm に向上しています。
それに 15mm 弾薬包の重量は 20mm 級と大して変わらず(弾頭重量は半分ほどですが火薬量が多くて薬莢が長い)、携行弾数にもあまり大差はありません。
結局 15mm は戦闘機相手には大袈裟すぎ、爆撃機相手には器量不足の中途半端な存在となってしまい、大薬量炸裂弾の使える MG151/20 に置き換えられてしまった感があります。
両立を狙ったところ中途半端になってしまった・・・拳銃弾で一時期流行った 10mm オートや 41 マグナムに似ていますね。
ささき
ところで徹甲弾の初速が1050mというのはWW2の小火器で
最高なんでしょうか?(弾道性とか貫通力とかで)
かばとと
1050m/sec という数値がどんな火砲のデータかわかりませんが、小口径(20mm以下)なら非常に高いレベルです。ただし中口径対戦車砲(50mm 級)などにはもっと高い初速を持つものも存在します。
ただし初速が高くても減衰率は弾頭形状や弾頭重量によって異なりますし、高い衝撃速度に耐えるだけの弾体強度がなければ砕けてしまうだけなので、必ずしも高初速=弾道性や貫通力には直結しません。
ささき