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M60の評価は書物によってピンキリですが、実際はどうなのでしょうか? 実際に戦場で使用した人の中でも、『最高!』と『最悪!』に分かれているようですが。 自分の知る範囲では、一般兵の方は『最悪!』の評価、特殊部隊の方は『最高!』の評価をしていることが多いと思います。 これは、『構造的な問題ではなく、扱い方の問題である』ということを示唆しているのでしょうか。 たまる |
基本的に言って、M60(初代)には構造的な欠陥があります。
まず、本体ではなく銃身部分に二脚がついているため、銃身交換時に本体を地べたに置かなくてはならない点。
これは作動部分内にゴミが侵入しやすくなり、故障の原因になります。(しかもガスシステム込みの交換銃身は重くなる)
しかも初期の物は熱くなった銃身を交換するために、アスベストの手袋を持ち歩かねばならなかったのです。
また、給弾機構にも問題があり、給弾ベルトと本体が変な角度になると、給弾ベルトが引っかかってジャムってしまうため、
現場で給弾口の下に、レーションやコーラの空き缶をくくり付けて、無理やり対応した例も多くみられます。
これらの「些細な」欠点があっても、それ以外の部分での信頼性は結構あるそうですから、欠点をわきまえた上で使う分には、
良い物なのかもしれません。
7.62mmのパワーはハト豆鉄砲の5.56mmなんかと比べ物になりませんし、ブッシュの中では頼もしかったことでしょうね。
まぐまぐマグロ
迷わずMAGを取るでしょうな、私は。
まぐまぐマグロ
いざ撃ち合いとなると7.62mm弾の射程・貫通力とベルト給弾の圧倒的なファイヤパワーは実に頼りになる兵器だったと思います。しかし調子に乗って?連射しすぎると今度は過熱して引き金を離しても止まらなくなったり(コックオフ)、銃身交換が非常に面倒だったりという別の欠点が露呈するわけですが。
欠陥兵器と言い切るほどの欠陥ではないとはいえ、実戦で命を託して戦う兵隊にとっては「普段こんなに重たい思いをさせて、イザ戦闘となるとジャムったりコックオフしたりする銃なんて最悪だな」という評価になるのもやむを得ないのではないかと思います。
特殊部隊では(1)肉体的に強靭な者が採用されている、(2)火力支援を受けられず携行火器のファイヤパワーだけに頼らねばならない場合が多い、(3)十分な実弾射撃訓練を受けておりM60の欠点を熟知している、という特殊な条件があるため「最高!」の評価を下すのではないでしょうか。
ささき
> しかし調子に乗って?連射しすぎると今度は過熱して引き金を離しても止まら> なくなったり(コックオフ)、銃身交換が非常に面倒だったりという別の欠点が> 露呈するわけですが。
M1919やM2はともかく、M60はMG42や、FN-MAG等の現用GPMGの例にもれず
オープンボルトからのファイアリングサイクルの為、コックオフの問題は
起きないのではありませんか?
M60の原型となったFG42は、シングルショットではクローズド・ポジションからの
発火、フル・オートでオープン・ポジションからの発火と非常に凝った作りですが
M60はフルオートのみの設計ですから...。
M60のもう一つの問題点を挙げるとすれば、これは多分に好みの問題も大きいよう
ですが、連射速度が550発/分というのは他の現用マシンガンに比して若干低すぎる
のではないか、と思えます。 歩兵のライフルの有効射程外の目標の制圧が
期待されるマシンガンが、実際の戦闘で動かない目標を射撃する、というのは
むしろ稀なことと考えれば、現用のGPMGの発射速度が軒並み700-1000発/分
というのもうなずけます。
もう1点、これは私見ですが、M60は、GPMGとしては3脚が貧弱だったのでは
ないでしょうか。M60の3脚、M122は、古色然としたM1919A4用のM2マウントに
アダプターを追加しただけのものです。これでは、連射速度を落とす以外に
射撃精度を確保する方法がありません。(それとも3脚を重くするか、です)
現用の米軍用FN-MAG(M-240でしたっけ?失念)用3脚は、やはりM2マウントを
基本としていますが、反動を吸収する、いわゆる揺動3脚架に改良されています。
みなと
うーん、オープンボルトだったんですか。ナム戦の戦記で「発火が止まらなくなったM60の弾薬ベルトを無理矢理引っかけて止める」という記述があったので書いたのですが。オープンボルトのビッカースK型旋回機銃(VGO)でも「射撃中に発火が止まらなくなりドラム弾倉を外して止める」記述を見て首を傾げたことがあります。シロート考えではオープンボルトなら引き金を離せば薬室が開放された状態でサイクルが止まるので原理上コックオフは起き得ないような気がするのですが、何か落とし穴があるのかも知れません。
ささき
銃身/薬室が過度に加熱しすぎた為に起こるコックオフの場合、
薬室に実包が装填されてから暴発に至るまで、
射撃停止前の持続連射時間(つまるところ銃身温度)にも依存しますが
少なくとも数秒要したと記憶しています。
これは、薬室内壁から熱が伝導し、実包内の装薬が発火点に至るまでの時間と
考えれば妥当な時間でしょう。
そう考えると、純然たる、過加熱に由来したコックオフとは、連射が止まらない、
というような状態よりむしろ射撃停止後、数秒後に暴発する、という散発的な現象
ではないかと想像されるのです。
(もちろん、クローズド・ボルトのファイアリングサイクルの場合は、この状態で
放置すれば、((暴発による加熱が放熱より小さかった場合))銃身が十分冷却するまで
数秒間隔で暴発を繰り返すでしょう。)
オープンサイクルのマシンガンで連射が止まらない、という問題があった場合、
1)シアー、あるいはボルトの欠損
2)a.装薬あるいは雷管の不良、
b.リコイル・スプリングの不良
c.ガスレギュレーター(ガス圧作動式の場合)or
リコイル・ブースター(反動利用式の場合)調整不良、あるいはカーボン
堆積
上記a),b),c)に由来する、遊底の後退量不足
が疑われるでしょう。
M60であれば怪しいのは2)c.、カーボン堆積による作動圧低下と思います。
みなと
ささき
コックオフの話も、勉強になりました。
たまる