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日本海軍の零式通常弾の(各口径砲弾の)重量と炸薬量は如何ほどだったのでしょうか? (N) |
- 不確かな回答で恐縮ですが、重量と初速は高雄などの20サンチ二号砲以降の通常弾は弾道を徹甲弾と同様にする為に弾量、初速が同一になっていたはずです。
炸薬量・・・・わかりません。
BUN
- 関連質問ですいません。零式弾は元来、対何用に開発されたのですか?まれに零式対空弾とか書かれてるものもあるんですが、僕は対地用だと思ってます。また零式弾開発前にもこの種の砲弾はあったのでしょうか?また他国の戦艦も同種の砲弾を使ってたんでしょうか?
taka
- ↑ アメリカは徹甲弾と榴弾しか持っておりませんです。
大塚好古
- 日本海軍も主力艦用の砲弾には陸上用の砲弾はありません。特殊な大遅動信管を装着した対主力艦用の徹甲弾と、通常の水上砲戦用の半徹甲弾のみです。どちらかというと零式弾の方が旧来の砲弾の伝統を受け継ぐ存在ではないでしょうか。
BUN
- 零式というのは1式以上に実体が掴めない砲弾だと個人的には思っているのですが、用途としては対空用が第一、そして汎用という扱いだったのだろうと思います。
なぜかというと、信管に時計信管をわざわざ使う理由は対空用としてしかないですし、3式弾開発時の反対意見(対空用として効果が薄い)とする意見の内容を見ると、零式弾が3式弾より対空用としてbetterであるという内容でありますので。
舞弥
- 砲術関係者から「半徹甲弾」として扱われているのが零式弾のデータだと思っていましたが、対空弾説の出典は何処でしょう?大変興味深く思います。
BUN
- 半徹甲榴弾というのは日露戦争当時の弾種ですね。日本海軍は鍛鋼榴弾やら徹甲榴弾やら半徹甲榴弾という日露戦争当時の弾種に被帽だけを被せたものを長らく使用してきて、本格的な徹甲弾(イギリス式の徹甲弾体とドイツ式の遅延信管)を遅ればせながら大正14年に6号弾として採用してからは、中口径以上の対艦用途には徹甲弾一辺倒になります。
通常弾というのは日露戦争当時の3弾種のなれの果てで、戦艦用の汎用弾としては旧式の零式通常弾が登場するまでは、おそらく旧式の被帽徹甲榴弾があてられていたはずですが、実際にはほとんど搭載されていた形跡はありませんし、もちろん実際に使用した例も知りません。零式は時計信管を採用しているのがポイントですがこれは明らかに対空用途を意識しての物で、実際に対空弾としての用途がほとんどでした。零式弾と3式弾の違いを大ざっぱに言うと破片効果と焼夷効果の差です。通常弾が零式はおそらく3式弾と同じくガダルカナルの砲撃当時はまだそんなに生産されていず、配備もされていなかったと断言していいと思います。金剛の3式弾も榛名の零式弾も作戦前に初めて搭載されたものです。
本来の質問に戻ると、重量自体は91式徹甲弾とほぼ同じですが、炸薬量は大きく違います。徹甲弾は砲弾重量の2~3%の炸薬量が標準と言われていますが零式の場合は10%程度のようです。
各口径別の砲弾重量と炸薬量と炸薬比を下に並べます。91式のですが零式のはここから類推してください。
46cm 1460kg 33.85kg 2.32%
40cm 1020kg 14.888kg 1.46%
36cm 673.5kg 11.102kg 1.65%
20cm 125.85kg 11.102kg 1.65%
15.5cm 55.87kg 1.152kg 2.00%
舞弥
- それから零式弾が対空用途がメインであるというのは別に特別な説でも何でもないので出典は示しません。強いて言えば「艦砲射撃の歴史」黛治夫、とかでしょうか。
時計信管(というか日本海軍式に言えば時限信管)+破片効果というのは、なんというか普通の高射砲と同じです。
レイテ戦での長門の戦闘詳報を見ると、主砲は対空戦に3式通常弾84発、水上戦で1式徹甲弾4型45発を使用。副砲は対空戦に零式通常弾520発、水上戦に被帽通常弾改2を92発使用しています。50口径14cm被帽通常弾改1とか改2とかはオーソドックスな半徹甲弾に相当する物で、信管には弾底信管である13式1号信管を使っています。念のため書くと13式とはいっても中口径通常弾用の1号は遅延なしの即動です。
こんなもんでいいですか。
舞弥
- ありがとうございました。
半徹甲弾についてですが、「海軍砲術史」(海軍砲術史刊行会)に書かれている「半徹甲弾」は46cmまで存在する様なので(357ページ一覧表)、46センチ砲まで旧弾薬があったとも思えませんし、半徹甲弾という用語はやはり、零式弾を指しているのではないかと思うのですが?あるいは46センチには九一式、三式、零式の他に弾種があったということなのでしょうか?
BUN
- 炸薬量についての質問なのですが
爆弾や砲弾の炸薬量比というのは
爆弾>りゅう弾砲りゅう弾>かのん砲りゅう弾>カノン砲徹甲弾
になると思いますが、どのくらいまで炸薬量を上げられるのでしょうか?
機雷の威力を考えてみると戦艦主砲の炸薬量を目一杯まで上げて10トン近い
炸薬を標的の周囲に至近弾として投射すれば、爆圧や衝撃波で水密隔壁や精密機器の損傷が起きて直撃に寄らずとも大きな損害を与えられるような気がしますが?
Navy
- ↑ どの程度まで炸薬量を増やせるか?は判りませんが、普通の徹甲弾
の至近弾でもそれなりに影響を及ぼしているので、炸薬量が多い弾種で
あれば効果を期待できるかも知れません。
しかし、対艦艇用の弾種として見た場合。万が一、敵艦に直撃した場合
の効果を考えれば本末転倒という感は否めませんが(^^;;
takukou
- ↑でも、大口径の榴弾なら
直撃は直撃で酷いことになりますよ、たぶん>日本海海戦とかね
徹甲弾だけに拘るのもなんだかなぁと思います
SUDO
- あ~、書いたあと突っ込まれると思った。
でも、日本の戦艦って結構敵の爆弾の直撃受けてるじゃないですか?
しかし、損害軽微にして戦闘航海に支障無し。とかで済んでる。
あれが、榴弾に相当するかな、っと。しかし、徹甲弾だとすれば、そ
うはならないんじゃ?(でも、爆弾の至近弾での損害もあるんだよな
ぁ、結構)
装甲がろくに無い、巡洋艦以下の艦種だと徹甲弾よりも榴弾の方が
有効なのは勿論ですが。
takukou