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203 「G弾」(仏)の「G」とは、なんの事なのでしょうか?
(N)

  1. 誰も答えないので、私が・・・。資料を探し出すのが面倒なんで、正確さには自信がないのですが、確か「G弾」というのは特殊な成形炸薬弾の事でしょう。滑腔砲が実用される以前は成形炸薬弾も通常のライフル砲で発射される訳ですが、ライフル砲から発射された弾丸は当然、回転してますね。成形裂炸薬弾は炸薬のモンロー効果で装甲板に穴をあける訳ですが、弾丸の回転は炸薬の爆発炎に遠心力を与えるので、理屈から言えばモンロー効果を弱めてしまう事になるのです。そこで、砲弾を2重構造にして外側だけが回転するようにし、砲弾の炸薬の入った内側の本体部分はなるべく回転しなようにし、モンロー効果を最大限に発揮させ、尚且つ弾道も安定させるようにした砲弾です。地球コマ、つまりジャイロは中のコマは回っても、外側は止まってますね。この砲弾は内外が逆ですが、ジャイロと同じでしょ。それでジャイロの”G”で「G弾」ではないでしょうか。多分これだったと思うのですが。

    colt45

  2. こんなフォローをすると嫌がらせしてると思われてるとしか思われないんだが。。。(まぁ、いいや)

    >弾丸の回転は炸薬の爆発炎に遠心力を与えるので、理屈から言えばモンロー効果を弱めてしまう事になるのです。そこで、
    >砲弾を2重構造にして外側だけが回転するようにし、砲弾の炸薬の入った内側の本体部分はなるべく回転しなようにし、
    >モンロー効果を最大限に発揮させ、(以下略)

    とりあえず、現在の弾道学における定説(笑)は

    モンロー効果:成型炸薬が発生する衝撃波により金属コーンから高速液体金属流を生成するまでの現象

    となっております。

    それはそうと、このフォローでわかるように、「回転だけでは」モンロー効果は全く阻害されませんね。
    単なる発生機構(ってゆーか現象だな)を名づけただけに過ぎないから。ついでに言えば液体金属流を
    生成するに必要とされるのは平面衝撃波のみなので、爆薬だから云々という記述は明らかにその知識リ
    ファレンス自体が大きな間違いを犯していると見て良いです。

    まともに説明すると、思わず本一冊書けそうなので軽く書くと、成型炸薬弾から生ずる高速液体金属流
    というのは「液体」と定義しているように、その構造(?)は表面張力によって支えられている、とて
    もはかなげな存在です。しかも金属流はその先端と後端では流れる速度が異なるため、ちょっとした生
    成条件の間違いによって簡単に断片化(Breakup Fragmentate)するくらいです。

    そして断片化した場合、その断片化した液体金属流同士が干渉をし合い結局、侵徹威力が激減します。

    ここまで説明したらほぼ答えは見つかってると思うのだが、幾ら連続性のある金属流とはいえ、準ミク
    ロ的に見た場合、完全な連続性を保たれていない金属流は幾ら他の生成条件が理想条件を満たしていた
    としても回転による断片化が発生します。その断片化が威力を低減させるのです。

    それはともかく、G弾かどうかはわからんのだが、一般的な成型炸薬弾にはライフリング干渉を減らす
    スリップリングというものをつかうのだが、フランスの一部の無反動砲には二重殻になった特殊な弾薬
    を使用するものがある(とりあえず話を戻す)。

    東屋文左衛門

  3. 東屋文左衛門さんへ

    >こんなフォローをすると嫌がらせしてると思われてるとしか思われないんだが・・・

    いえいえ、そうは思いませんよ。何かの雑誌(名前は覚えていない)で読んだ記事を思い出して書いたので、その雑誌の著者が解かってなかったんでしょう(笑)。ふーん、遠心力は関係ないでのですか。何やら難しくて、良く解からなですが(笑)、ようするに「断片化した液体金属流同士が干渉をし合い結局、侵徹威力が激減する」のであり、その「断片化」は「回転」により発生する。従って「断片化」を発生させないために、弾丸を「回転」させないと云う訳ですね。勉強になりました。しかし、難解・・・(笑)。
    colt45

  4. フォローしていただきサンクス。

    それはさておき、本当に詳しく知りたいのだったら、Jonas. A. Zukas Editの
    "Fundamental of Shaped Charge"という本でも購入してもらったほうが確実で
    す。と、いうより唯一手に入る本かも。(そろそろ簡単に手に入らなくなる)

    まぁ、あの手の間違いは分からなくも無いんですわ。確かにHEATによる焼死者
    もいるし。ただし、その焼死者は成形炸薬直径の2倍以下(一般的なルール)
    の装甲を持つものに対して放った場合に限る。要は高速液体金属流になりきれ
    なかったコーン材料(スラグ)以上の径で装甲に穴が開けられた場合のみ、爆
    薬の燃焼ガスが車内に吹き込まれる現象をごっちゃにしてるんじゃないか?と
    思う時がある。

    最近のは侵徹威力重視になっているからますますその副次的(本来はこっちが
    主効果)な話になってるけど。

    あ。それと前の書き込みにもちょっとフォローすると、回転による影響は口径
    が小さくなるほど顕著。金属流の直径が小さくなるから金属流のムラが大きい。
    (速度の話じゃなく。速度のムラは逆に必然)
    東屋文左衛門

  5. あ。もちょっと安く出来るかもしれない情報の入手先。

    1.アメリカのNTISで"Shaped Charge"を検索子にして、該当する公開論文をリストアップ
    (AD-ほげほげ…な番号は確実に入手可能)

    2.三菱総研にNTIS文献の複写請求をする(目安としては100JPY/page)

    でやればもちょっと早く、安く手に入る可能性はある。が、下手を打てばMiltechとかIDR
    の記事が当該文書だったりする可能性があるので、そのときは痛い。

    東屋文左衛門

  6. そう、「G弾」とはAMX-30などが使用していたという、その弾の事です。元々の仏語だと「Obus G」だとか。そうですか「ジャイロ」の「G」ですか。ふうむ… ?
    (N)


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