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カノン砲、榴弾砲、臼砲、迫撃砲、野砲、その他、それぞれの定義というか、違いというか、素人質問で申し訳ありませんが、こんな素人でも解る程度の解説をお願いします ゾフィーエル |
曲射砲・・・放物線弾道を描いて弾丸を飛ばし垂直落下させて目標に当てる大砲全般。
臼砲・・・曲射砲の一種だが砲身が極端に短く、大重量の弾頭を大角度で撃ち出し比較的近距離を狙う特殊な砲。主に要塞・都市攻撃に使われ「攻城砲」とも呼ばれる。
迫撃砲・・・歩兵用の小型軽量な曲射砲の一種。弾薬下部に発射薬が込められており、砲口から弾薬を落とし込んで発射する。英語ではモーターと呼ぶ。
榴弾砲・・・曲射砲の一種。一般に(臼砲・迫撃砲と異なり)弾頭と装薬を砲尾から装填して発射する通常砲を指す。
野砲・・・旧日本軍における榴弾砲の分類。独立した砲兵隊によって運用される中型〜大型の榴弾砲(いわゆるカノン砲が多い)。
歩兵砲・・・旧日本軍における榴弾砲の分類。歩兵隊に配属される中型〜小型の榴弾砲。連隊砲とも呼ぶ。
山砲・・・旧日本軍における榴弾砲の分類。山岳地にも人力で持ち込める小型の榴弾砲。
・・・こんなとこでしょうか?
ささき
カノン砲=遠距離射撃が目的の砲。
(通常の砲よりも砲身が長く大型)
りゅう弾砲=カノン砲と臼砲の中間の性質。
(放物線を描き、目標を上方から攻撃する)
臼砲=大きな射角で近距離射撃を行う曲射砲。
(障害物を飛び越えて上方から攻撃できる)
迫撃砲=臼砲の一種で、陣地戦に使用する軽火砲。
(「臼砲」は用途によって名称が変わります)
野砲=固定されていない砲
(基本的に装輪砲架に載ってる物と考えて下さい)
きん
ちょっと補足
英語でMortarとは元々臼のことで砲の分類としては日本語では臼砲を指します。
現在迫撃砲と呼ばれているものは当初Trench Mortarと呼ばれていましたが、現在では
迫撃砲以外に広義の臼砲に分類されるものが無いためか迫撃砲のことをMortarと呼びます。
第2次大戦当時の武器を扱った文献では本来の意味でのMortarを使用している例が
見受けられます。
けい
・対戦車砲
速射砲の一種。主に戦車を目標とし、装甲化された目標を破壊する為の火砲。
低姿勢で速射性に優れ、直接射撃を主とし、本来は野砲よりも軽量で機動性に富む。
(ただし戦車の発達に合わせて長砲身/大口径化し、同一口径の野砲より重くなった
例や、初速の速い75mmクラスの野砲をそのまま対戦車砲に転用する場合もある)
初期の頃は口径37mmが主、戦車の発達につれて大型化しWW2では75mmクラスが主流
となり、末期には口径88mm以上の大型対戦車砲も作られた。
・無反動砲
主に対戦車用や重陣地攻撃用の軽量火砲。
発射ガスの一部を後方へ噴射させ発射時の反動を無くす特殊な構造をしている。
兵員の肩または地上/車上の簡易な三脚架から直接照準で発射出来、軽量(57ミリ砲で
20キロ)で操作も簡易なため、歩兵が携行出来る「火砲」として一時期広く普及した。
口径57ミリ、75ミリ、106ミリ、120ミリなどがある。
(ただし射程が短く(発射ガスの一部を反動打ち消しに使用する為)、また後方に猛烈
な爆炎を巻き上げる欠点が嫌われ、現在は対戦車ミサイルや他の精密誘導兵器に先進国
ではとって替わられた)
・列車砲
列車に載せて機動するとってもでっかい大砲の事。射撃も列車上で行われ、本格的な
列車砲では野砲とは比較にならない長射程を持つ。
貨車の上に旧式な大型野砲を載せた簡易なものから、鉄道車輪のついた箱形砲架の上
に口径20cm以上の専用設計の長距離砲を載せた本格的な列車砲まで各種ある。
佐藤利行2000
BUN
BUN
カノン砲と呼ばれる筈ですので、必ずしも移動可能な火砲を指すわけでは無いと思い
ますけど?
佐藤利行2000
BUN
カノン砲は英語のcanon(cannon?)からきているのでしょうか?もしそうなら他の砲はcanonとは呼ばないのでしょうか?
ゾフィーエル
質問の意味を勘違いしてたらご免なさい。
『りゅう弾』に関しては、弾丸の弾道を指す言葉で
弾丸の種類の事では無いと思われます。
(「手投げ弾」を「手りゅう弾」と呼びますよネ)
また、『カノン』に関しては綴りを「cannon」
と示す事が一般的みたいなので、人名か固有名詞の
可能性が高いです。
名称に関しては、チハの57ミリ戦車砲すら加農砲と
呼ばれていたので、「言ったもん勝ち」みたいな所
はあるかと...(笑)
きん
BUN
砲の種類と、砲から撃てる弾の種類は別に考えましょう。
榴弾砲でも平射で徹甲弾は撃てますし(用意されていれば)、カノン砲でも対戦車砲
でも軟目標相手に榴弾は撃てます。
砲弾は、その砲用に色んな種類の砲弾が用意されていれば色々と撃てるんだ・・ぐらい
に思った方がよろしいかと。
それでカノン砲と榴弾砲の区別が難しい様なら、
・(榴弾砲に比べて)長砲身で、撃ち出される砲弾の速度が速くて、構造的に
【砲身の仰角が余り大きくとれない】けれど【平射は得意】なのがカノン砲
・(カノン砲に比べて)短砲身で、撃ち出される砲弾の速度はあまり速くはない
けれど、構造的に【砲身の仰角が大きくとれて】【曲射が特異】なのが榴弾砲
って単純に覚えた方が楽な気がしますが。
注:仰角とは?: 砲身を水平位置からどれぐらい上に向けられるかの角度です。
ただ、戦時中でもカノン砲と榴弾砲の両生類みたいな大砲は多々あったし、戦後の
話になると39口径や最近主流の52口径155mm榴弾砲の様に榴弾砲にカノン砲が吸収
合併された奴が主流になったりと、細かい話をすると色々とややこしくなります。
(まあ、細かい話を気にしてはいけません、おいおい勉強しましょう^^)
佐藤利行2000
12.で「・・曲射が特異・・」−>「・・曲射が得意・・」です。
で、これだけでもなんなんで、誰も「高射砲」に触れてませんね^^
高射砲:
飛行機を撃ち落とす為の大砲。(なんてシンプルな説明)
ただし性能の良いものでは、暇な時か切羽詰まった時には野砲や対戦車砲
の替わりにもなる一種の万能砲である。
もっとも暇な高射砲を野砲に転用する国はたいてい勝ち戦であるが、切羽
詰まって高射砲を対戦車戦闘に投入する国はたいてい負け戦である。
佐藤利行2000
本日「国語辞典」と「漢和辞典」を購入しました。
漢字の『榴』の意味を知るとともに、『榴弾』と
言う種類の砲弾がある事を初めて知りました。
「榴散弾」や「AP榴弾」は砲弾の種類として認識
しておりましたが、『榴』と言う文字に関しては、
いずれも弾道を指すものだと勘違いしておりました
。(恥)
感謝致します。>BUN様
また、「漢和辞典」の付録のJISコードのおかげで
使える漢字が増えました(笑)
きん
一方大口径の榴弾砲(105mmとか155mmとか)は大重量の弾頭を長距離に飛ばすため大量の発射薬を使い、しかも発射薬の増減でも射程を調整する必要があるため、弾頭とは別に火薬パック(装薬袋)を装填して発射します。
ですから榴弾砲を水平撃ちして対戦車戦闘に使うのは最後の手段です。一発目を撃てば砲の位置がバレ、たぶん二発目を撃つまえに反撃されて蹂躪されてしまいます(相手が単独行動で初弾で仕留めない限り)。
ささき
但し、固定弾薬ではなく、砲弾と薬莢を分けておいて、薬莢に入れる装薬を加減します。よって、手間がかかるのは同じです。
まなかじ
5↑長距離砲はカノン砲とは別物なのでしょうか?長距離射撃はカノン砲の役割ではないのでしょうか?
「カノン砲とは、目視出来る目標に対し高初速弾を低伸弾道で直接射撃する砲(うろ覚え)」という認識で良いのでしょうか?しかし高初速であるが故に必然的に長射程となり(仰角をとった場合)、長距離砲でも有る。ということはないでしょうか?
ところで自分で書いといてなんですが、低伸弾道とは本当のところどんなのでしょうか?速球投手の低めのストレートやホップスピンのかかったBB弾でもないのに低いところで伸びるのでしょうか?
ゾフィーエル
BUN
しつこく追加(笑)
さっきまで『榴弾』の意味も解らなかった私が回答
するのもアレなのですが、
「榴弾砲」の名称は榴弾を撃つ事を目的に造られた
砲だからでしょう。(たぶん)
同口径のカノン砲と比較しても重量や構造が異なり
ますもので。
(例えるなら、遅く撃てても「速射砲」!?)
「長距離砲とカノン砲」に関しては似たようなもの
だと思います。
長距離砲を『芸能人』と置き換えるなら、カノン砲
は『俳優』と言ったところでしょうか?
他にも「アームストロング砲(歌舞伎役者)」とか
「パリ砲(アイドル歌手)」とか...(ゴミ発言?)
カノン砲の認識に関しては、仰る通りで良いと思い
ます。
「遠距離射撃が可能」=「高初速」という事で精度の
高い、直線に近い弾道の照準が得意であるという意味
で宜しいでしょうか?
しかし長射程を狙った曲射砲もどきの場合は、精度も
落ちるので本来の使用方法でないという事だと思うの
ですが如何でしょう?
(ロングトムは精度が高かったようですが...)
低伸弾道の件ですが、決してホップする訳では無いと
思いますです、ハイ。(汗)
もしホップをさせるには翼を付けるか、終速をマッハ
30くらいに維持できれば、あるいは可能かと...
(逃亡)
きん
うわ〜っ!「ホップする」って変な日本語だぁ。
「ポップアップ」に置き換えて下さい。(謝)
きん
ゾフィーエル
ゾフィーエル
話がとっちらかって来ましたが・・・
注意して欲しいのは、英語を日本語に訳した時の表現の問題があります。
(出来れば英語で何て書くかも見て下さい)
日本語でたまたま漢字が一緒だからと言って「榴弾を撃つ大砲が榴弾砲」なんて
解釈をしてはいけません。
何故なら榴弾は英語では「shrapnel」で、榴弾砲は「howitzer」だからです。
佐藤利行2000
佐藤利行2000
いや、そのぉ...(汗)
17.のあたりから『定義』というよりも名称の
『由来』といった感じになってきたものでして
>榴弾を撃つ事を目的に〜
と憶測してみた訳です、ハイ。
きん
榴弾はグレネード(もろザクロの意)弾種としてはハイ・エキスプロッシヴ
ってところじゃないかな…と。
まなかじ
もうひとつ、カノン砲に関しては、直接射撃を意図していない長距離砲はカノン砲に含まれない。という事でよろしいでしょうか?
ゾフィーエル
ありゃ?、間違いました^^;
どうも和英辞書で「榴弾」って引くとあれになっちゃうみたいです。
まあ、どっちにしろ榴弾砲と榴弾は英語読みでは違うって事で^^
27.>
18.のBUNさんの通りです。
で、大砲の射程が伸びるにつれて間接照準か直接照準かの区切りは意味をなさ
なくなります。
第二次大戦の頃になると75mmクラスの野砲でも射程が10km超えるのはざらです
から、こうなると間接照準が主で、むしろ直接照準ってのは対戦車攻撃の様な
特殊な場面以外には滅多にないです。(対戦車砲や対戦車砲兼用の野砲は別で
すけど)
大砲ってのはとっても歴史の長い兵器ですので、その起源の頃の定義を、より
進化した第二次大戦以降の火砲に当てはめるとおかしくなります。
佐藤利行2000
これはもともと手投げ弾の意味でしたが、近頃は近距離へ発射するものも含めます。
手榴弾も擲弾(ハンド・グレネード)ですし、日本の擲弾筒で撃つのも擲弾です。
擲弾筒は迫撃砲に似ていますが、使用目的はどうなのやら・・・
パンツァーファウストも擲弾って言えなくないですね。
J
ドイツのパンツァーファウストも曲射弾道に近い兵器ですが、あれはガスが後ろへ抜けて反動を相殺するので一応無反動砲に分類されています。しかし砲身より弾頭のほうが前に出ているのに「砲」と呼ぶのはおかしいのかも知れません。強いて言えば「無反動擲弾射出器?(長い)」
旧ソ連の RPG は形状こそパンツァーファウストに似ていますが、あちらは弾頭に推進ロケットが仕込まれています。ロシア語では何て言うか知りませんが、英語では Rocket Propelled Grenade(噴進擲弾?)の略です。
ただしロケットの発射ガス(まともに吸い込むと窒息する)から射手を守るため、引き金を引いた直後はパンツァーファウスト同様無反動砲として飛び出し、射手から離れた安全圏に達してからロケットに点火するようになっています。旧ドイツのパンツァーシュレッケにはこういった機構がなかったので、射手を守るガス除けシールドが付いてました。
ささき
ここでいう「直接照準」「間接照準」の定義はどう解釈ばいいのでしょうか。
レチクルの交差するところに目標を置く、のが「直接」なのはたしかですし、
砲と別の地点にいる観測兵からのデータをもとに狙うのが「間接」なのもわかります。
ですが、ドロップを補正するために(あるいは移動標的の未来位置をねらうために)、目標のはるか上に十字線を持ってくるような場合(クリックで
補正しれないこともあるてしょう)はどう呼ぶべきなでしょうか。「間接」とは言い難く、でも「直接」でもないような気が
します。
はたの
ゾフィーエル
傍観者から言うのもなんですが、混乱する一方なので改めて仕切りなおしてみては如何?時代か砲種を限定しないと収拾がつかないでしょう。
ダダ
ダダ
>>9
>質問の意味を勘違いしてたらご免なさい。
>『りゅう弾』に関しては、弾丸の弾道を指す言葉で
>弾丸の種類の事では無いと思われます。
>(「手投げ弾」を「手りゅう弾」と呼びますよネ)
これが擲弾の意味に最も近いと思います。
J