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よく多くの本で初速が高いとか書かれていますが初速はほとんどの場合最も高いので弾速と書くべきではないでしょうか?初速が高いとはロケット弾くらいにしか役に立たないのでは?(J) |
J
同じ弾丸なら初速の速い遅いで強さが決まりますし、初速を無視
できるほどの遠距離なら貫通力が低下して使い物にならない
(有効射程を外れる)ですし。
SADA
同じ初速の砲であれば、より重い弾丸を撃ち出せた砲の方が威力があります。
だから、砲の口径と初速が強さの基準になるのです。
ロケット弾も同じ事。ただ、ロケット弾の速度は、推進用の火薬の燃焼に
よって得ていますので、発射後は加速を続けます。
初速はあまり関係ありません。
同じ弾だったら、貫通力は命中寸前の弾の重量と、その時の速度に
よって決まり、標的までの距離によって威力の強弱はある程度変化します。
燃焼火薬を使いきってしまうと、あとは通常の弾丸といっしょで、空気
抵抗によって徐々に減速します。
SADA
J
J
ロケット弾こそ初速は無視していいのです。というか、ロケットの
初速ってそもそも何?(笑)0じゃん。
ロケット弾は物理学の、等加速度直線運動です。
(実際には空気抵抗が有るし、推力と空気抵抗の
釣り合ったところで等速直線運動になるけど)
推力/弾重量を加速度a、初速をbとすると、
速度vは
v=at+bで求められますよね。
(但し、t:発射直後からの時刻)
通常、ロケット弾はパイプなどの中で点火され、
自分の推進薬を推力にして加速していきますので、
bは0といえます。
SADA
J
(N)
(N)
J
(N)
まなかじ
まなかじ
ところで、こいつの原理のモンロー効果って、いつ頃見つかったんでしょ(SADA)
SADA
(成層圏まで上がるので、空気抵抗が減り、重力落下で再加速する)
大仰角、高初速、大弾重の大型艦艇用の場合のハナシですが
って混乱させてどうする(笑)
ロケット弾の初速ですが
自力推進する弾頭に初速なんて関係ないでしょう
モンロー効果は1880年代、アメリカ
ノイマン効果は1920年代、ドイツ
だそうです
SUDO
J
J
H
モンロー効果です。弾の運動エネルギーで突き破るわけでは有りません。
詳しくは過去ログ、質問番号11番をご覧ください。
SADA
H
J
J
まなかじ
もちろん、ロケット砲(MLRSなど)の砲弾は榴弾がメインです。成型炸薬を使うのは対戦車兵器のロケット弾ですね(対戦車ミサイルなど)
しかし、どちらも砲弾の速度を重視しないという点では同じです。
まなかじ
まなかじ
おおもとの質問に答えると、つまり「初速」というのは「その砲弾をその砲で撃ち出す場合の最高速度」です。通常形式の砲においては、砲口を出た瞬間から砲弾は減速し始め、その減速の程度は空気の密度、風向風速、湿度、気温などによって一定しませんから、初速で表すのが砲弾の速度の目安としては最も合理的なのです。
ロケット弾の「初速」については(初速=最大速度)ということを考えていただければ十分かと思います。ロケット弾の最大速度は推進剤が燃え尽きる瞬間に出ているのですから、発射地点のはるか先で出ることになります。つまり、「初速はゼロ、終速がV−Max」(惰性で飛び続けるのを無視すれば)ということです。皆さんが『ロケット弾の初速が無意味』と言ってらっしゃるのは、このことです。
まなかじ
おおもとの質問に答えると、つまり「初速」というのは「その砲弾をその砲で撃ち出す場合の最高速度」です。通常形式の砲においては、砲口を出た瞬間から砲弾は減速し始め、その減速の程度は空気の密度、風向風速、湿度、気温などによって一定しませんから、初速で表すのが砲弾の速度の目安としては最も合理的なのです。
ロケット弾の「初速」については(砲弾の初速=最大速度)ということを考えていただければ十分かと思います。ロケット弾の最大速度は推進剤が燃え尽きる瞬間に出ているのですから、発射地点のはるか先で出ることになります。つまり、「初速はゼロ、終速が最大速度」(惰性で飛び続けるのを無視すれば)ということです。皆さんが『ロケット弾の初速が無意味』と言ってらっしゃるのは、このことです。
まなかじ
基本的に、弾頭が運動エネルギーで目標を粉砕するモノなのか
それとも化学エネルギーで破壊するのか
これで速度等に対する考え方が変わって来ます
一般に、運動エネルギーで破壊するタイプは
対装甲貫徹を狙ったモノが多く、徹甲弾と呼ばれます
装甲をぶち抜いた後に爆発するモノと爆発しないモノがあり
前者は徹甲榴弾、後者を徹甲弾と分ける場合もありますが
装甲を打ち抜くプロセスは同一で
硬くて重たいモノを凄い速度でぶつけるだけです
運動エネルギーは速度の二乗と質量に比例しますから
弾速の速い方が有利で
構造的に高速を稼ぎにくいロケット弾ではあまり見かけないですね
化学エネルギーの方は
判りやすく言うと、弾頭が爆発して、それで目標を破壊するモノです
榴弾は、爆風と破片で防御力の弱いモノを破壊し
成形炸薬弾は一点に爆発エネルギーを集中させることで装甲をぶち抜きます
これらは、弾丸の飛翔速度等は破壊には基本的に影響を与えませんので
目標に到達できるならば運搬方式や性能は構わないと言えます
砲は大きな速度を弾頭に与えるには適しているのですが
構造的に大型大重量になりやすく
それほどの射程や弾速を要求されない用途には過大性能の場合があります
また発射時の強烈な加速が問題で、複雑な装置を詰め込むのにも問題が有り
飛翔速度が高いので、赤外線誘導なんかには向いていないと言われます
ロケット兵器の場合は
自力推進なので、発射装置が簡便で済むのが利点です
問題点は、高速発揮が難しいことと加速が遅いので弾道安定性に難があること
使い捨ての短射程兵器や、大量投入で面制圧するのが近代戦での主流です
前者がバズーカの類、後者はカチューシャやMLRSなんかですね
現在では、制御装置を備えた誘導兵器にロケット推進が多用されていますが
これは比較的遅い速度が、誘導するのに適当だというのがあります
自力推進の利点として、多めの燃料さえ有れば飛翔距離が稼げるので
砲の利点だった速い速度による長い射程を逆転出来
誘導することで、不安定な弾道性能を補える
よって、遠距離精密攻撃が可能となっているのです
しかし、ロケット弾(ロケット砲)と呼称する場合は
一般的に、こうした誘導ミサイルの類とは切り離して考えることが多いので
同一視するのは問題があるでしょう
現代では、対滑走路爆弾のデュランダールや
ASM−1B等の対艦ミサイルで、運動エネルギーを積極的に使ってます
前者は滑走路に後者は艦艇にめり込んで爆発します
よって、ロケット=速度は関係ないってワケではありません
弾頭が運動エネルギー型なのか、化学エネルギー型なのか
またその折衷型なのかで、特性と言うか速度に対する考えは変わって来ます
ああ、なんか書いてて、かえって何が言いたいか分かんなくなった(^^;;
データベースに関連記事無かったでしたっけ?>ALL
SUDO
J
J
ロケット弾はおいといて、通常火砲の運動エネルギー弾とは何か?その中でもAPDSやAPFSDSという物がどんな物であるか、について改めて解説してくれる親切な方募集中。
H
大口径(重量)低速弾より小口径(軽量)高速弾の方が有利な点。
1.運動エネルギーは物体の質量に比例し速度の2乗に比例する。
よってむやみに重くするより高速化した方が効率的。
2.飛距離(射程)の問題。
重い物を低速で飛ばしても遠距離まで届きません。今の戦車砲は3000〜4000mの距離で
命中が見込めるが、重いだけの砲弾ではとてもそこまで届かない。
3.命中時の断面積の問題。
同じ運動エネルギーを持っていても、装甲に命中した時に接する砲弾の断面積が小さい
ほど、単位面積当たりにかかる衝撃は大きくなる。
4.価格の問題。
もし150mmの砲弾をまるまるタングステンで作ろうとしたら、もの凄く高価な物になって
しまう。陸上自衛隊だったら「徹甲弾は1台につき1発だけ」と言うことにもなりかね
ない。
5.取り回しの問題。
同じく150mmの砲弾をまるまるタングステンで作ったら、余りに重くなりすぎて人力では
装填ができなくなってしまう。補給も不可能。
以上。
H
重い砲弾を高速で発射するには、発射する砲自体も重く、大型になって、実用性が低下します。もし資料があれば、同じ口径の榴弾砲と加農砲の重量を比べてみてください。倍以上になっているはずです。
注・タングステンは、かなり重い元素ですよ。元素の周期律表でも後ろの方にあるじゃないですか。
まなかじ
J
(N)
>倒せないし、15cmなら低速でも(飛びにくいが)戦車は倒せます。
しかし戦車とは遮蔽物を利用しつつ不整地を時速数十キロで疾走し、隊伍を組んで砲火を浴びせてくる車両です。低初速の砲ではよほど接近させなければ命中弾を与え得ず、接近させればせいぜい1〜2両と刺し違えて制圧されるのが関の山(大口径ほど連射速度が遅くなる、という問題もあります。特に薬嚢分離式の榴弾砲は遅い)。低初速砲大口径砲より高初速小口径砲が対戦車戦闘に向いていることは自明でしょう。
また、相手との相性問題もありますね。相手が集団行動の軽戦車なのか(対戦車銃を並べれば制圧可能だが榴弾砲一門など容易に蹂躪されてしまう)、単独行動の重戦車なのか(対戦車銃など何門あっても無駄、よく偽装された大口径砲の零距離射撃なら仕留められるかも知れない)。例外を並べてゆけばキリがありません。
>その本しか読まなければ口径は重要でなく思えてしまいそうで紛
>らわしいので一番上のこのツリーの質問になったのです。
口径が大きくなると弾頭重量も増大し、重い弾頭に合わせて装薬を増やし長砲身化しないと初速が下がります。弾薬重量が増大すると(特に人力装填の場合)連射速度が下がり、長砲身化した砲は操向性が下がって多数目標射撃に不利となり、機動性も低下します(東部戦線では多数のドイツ75mm対戦車砲が重量過多で泥にはまりこみ移動不能になって放棄されています)。
釈迦に説法かも知れませんが、初速・口径・弾頭重量と操作性・機動性・連射性は相反する関係にあり、すべての砲は対応する目標に応じて適切なトレードオフ点を選択して設計されています。そして対戦車砲の場合、口径よりも初速が重要なファクターになることは間違いありません。
「初心者向け」の書物でそういう所まで言及すべきかどうか、難しいところですね。「同口径なら高初速のほうが有利」という書き方ならJさんも混乱しなかったとは思いますが。
ささき
J