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九五式装甲軌道車ですについて、開発した陸軍技術本部第二部が同第一部に協力を得られなかったためお粗末な攻撃方法を取る羽目になったわけですが、自分たちで簡単な物でも良いから適種機銃の銃架を作ったり、どっかから九一式車載軽機関銃をチョロまかして持ってくるなんて事は出来なかったのでしょうか? また、自分がこれ(ソキ)を知る理由になった記事ではお役所仕事の弊害と裁断されていたのですが何故、第一部は第二部への技術協力を拒否したのか、両部の関わりやその流れなどを教えてください。 紅葉饅頭 |
- わからないのは当たり前。そういった経緯では無いからです。
技術本部は軍需審議会で決定した車両の要求仕様に沿って開発を行う部署であって、もし九五式装甲軌道車に固有武装が搭載されるよう定められていた場合、銃砲の開発を行う一部がそれを拒否する事は通常、ありません。
九五式装甲軌道車が装甲を持ちながら非武装のなのは基本的には鉄道用の工兵機材中の1アイテムであった事によりますが、工兵、歩兵両兵科間で工兵が昭和10年の段階で実質的な軽戦車を装備する事についての軋轢があったとの説があります。九五式装甲作業車は第一級秘密兵器の取扱い(ただし16年2月に秘密兵器取扱規定から削除)となった新兵器ですからそれ以降の工兵機材より他兵科の注目を集めたのでしょう。そういった裏事情も技本以前の段階での事です。
BUN
- ありがとうございました。
>技術本部は軍需審議会で決定した車両の要求仕様に沿って開発を行う部署
技術本部という組織は完全な技術者集団ということでしょうか。
>両兵科間で戦車を配備することについての軋轢
工兵というのは最前線の歩兵のさらに前線で作業するのですから逆に歩兵より強力な武装が求められると思うのですが。やはり戦うのは歩兵の仕事。的な縄張り意識があったりしたのでしょうか。鉄道軌道の確保は重要事項だったのに。
しかし、安く広範な軍事のことが解ると思っていた「歴史群像」も案外アテにならないことが結構あるんですね。
紅葉饅頭
- 紅葉饅頭君、本の悪口を言う前に自分で調べるのが先ですよ。
そういう事実があったかもしれないし、全く無かったのかもしれない。
あるいは実際にあった何らかの事が形を変えて伝わっているのかもしれません。
大正8年の勅令第百六号 陸軍技術本部令の第一条には
「陸軍技術本部は兵器及び材料の審査、制式統一及び検査を為し、陸軍技術の調査研究及び試験を為し且つその改良進歩を図り、並びにこれに関し陸軍大臣に意見を具申す。」
とあります。
第一部については
「1.兵器(第二部の主管に属するものを除く)の調査研究、審査及び試験に関する事項
2.陸軍技術(第二部の主管に属するものを除く)に関する事項
3.射表編纂に関する事項」
第二部については
「1.工兵機材及び交通機材の調査研究審査及び試験に関する事項
2.工兵及び交通の技術に関する事項」
といった条文でその任務が定められています。
BUN
- >本の悪口を言う前に自分で調べるのが先ですよ。
確かに、甘えがありました、反省しなければ・・・。
>規定
やはり技術的なことが多いですね、完全に技術研究専門で戦訓を反映した開発等は行っていなかったと解釈いたしました、ありがとうございました。
紅葉饅頭
- >4
>やはり技術的なことが多いですね、完全に技術研究専門で戦訓を反映した開発等は行っていなかったと解釈いたしました、ありがとうございました。
っていうか根本部分で誤解があるんじゃないですかね?
戦訓だろうが縄張りだろうが、それは技術本部とは基本的に無関係な世界なんですよ。
技術本部をどっかのメーカーと読み替えて見れば判るかと思います(本当は異なる部分も多々ある)
陸軍が部門間で反目したり、戦訓検討をしたりしても、それは技術本部とは基本的に無関係なんです。
勿論、最新敵兵器の性能研究等も大事な仕事ですが、それは戦訓対処や新たな兵器体系の展望というものではないと思います。
どういった兵器を作るのかは技術本部からは意見を出すことは出来ても、決めるのは別の部門(軍需審議会等)だという事です。
SUDO
- 純粋な技術研究機関であるとは何処にも書いていません。
調査研究、審査とは兵器研究方針のオーダーに沿ったコンセプトで開発を行い、実用化する為の改良と試験を行うということですから、そこには当然戦訓なり、盛り込むべき新発想、新技術なりを反映した判断が加わると考えるのが普通でしょう。
独自の思想によって命令も無いものを作り上げる事が無いのは組織上当然の事で、完全な技術研究専門機関であるか無いかとは別の問題です。
BUN