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WWIIのドイツ軍の車両で「マウイテール」とか言う←正式な呼び方がわかりません ソ連のカチューシャ砲に似た搭載車両についてどなたかご教示ください。お願いします。 ブルーメ |
- 「マウルティア」は簡易ハーフトラックである車台の通称で、上に装備をのっけると、また違った名前になります。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwkh5241/B-18.html
バツ
- マウルティーア(Maultier)に15cm Panzerwerfer42(sf)を搭載した車輌の制式名称はsdkfz4/1です。
(sf)はSelbstfahrlafette、自走砲架ですね。
車体はオペル社で生産され、300輌造られたとされてます。
マウルティーアというのは驢馬の意味で、通常のトラックの後輪を無限軌道に換装した急造貨物用ハーフトラックに対する通称です。
改造のベースになったトラックは何種類かあり(四輪3トン車が主)、従ってマウルティーアも複数種類存在します。
sdkfz4/1は四輪トラックのブリッツ3.6/36Sベースのマウルティーアを改造したものです。
15cm Panzerwerfer42は10連装、Nb.W41(Nebelwerfer)などと共通のロケット弾WGr41(Wurfgranate)を使用します。
sdkfz4/1は車体内に10発のロケット弾を収容でき、10発を発射機に装填しておけば自力で最大20発を携行できます。
まなかじ
- おおう、書いてるうちにロバさんについて的確なレスがっ(笑
まなかじ
- あ、書き落とした
sdkfz4/1は装甲してありますが、車体側面8ミリ、上面6ミリ、発射機の旋回部10ミリの均質装甲で、各部に傾斜は持たせてありますが基本的に通常の小銃弾に抗堪できるという程度のものです。
まなかじ
- 便乗質問です。
黒騎士物語では『モルティア』という呼び方をされていましたが、ドイツ語の発音としてはどちらが近いのでしょう?
ワレアオバ
- Maultierの「au」はドイツ語で「アォ」と発音しますので本来は「マォルティア」が近いのではと思います。
jas1
- >>6
素早いレスを有難うございます。
なるほど、『マォルティア』ですか。それなら聞き手によって二通りの標記が出ても不思議はないですね。
ワレアオバ
- http://www.apd.co.jp/andou/mainhtm/d_otk/nebel_w.htm
15cmロケット弾の図解がありました。
バツ
- んじゃあ、私はベースになったブリッツや非装甲型モウルティアの出てるページを
http://www.autogallery.org.ru/gopel.htm
ここにいろいろ詳しい諸元や生産数等が出ています。
SUDO
- 車体データだけではつまんないですね(?)
通常、Sdkfz4/1を4輌、これに指揮車輌1輌(同じマウルティア改造で発射機なしのsdkfz4か、sdkfz250がよく使われてます)を加えた一個小隊で運用されます。
車体自体の生産数が少ないこともあり、ソ連軍のような腰をすえた大量集中ではなく、観測班を先行させておき、すばやく展開してぎゅばばばーと発射し、またすぐに移動するというような使い方だったようです。
それでも一個小隊の一斉射は15センチロケット弾40発ですから、着弾地域はえらいことになるでしょうね。
まなかじ
- どうも有り難うございます。とても参考になりました。ところで、このモウルティアのロケット砲は主として対歩兵用に用いられたんですよね?その時の相手に与える損害はどの程度だったのでしょうか?(範囲とか戦闘車両の損害とかです) カチューシャ砲がドイツ兵達に「スターリンのオルガン」と恐れられていたように壮絶なものだったのでしょうか。ちなみに塹壕とかトーチカに身を隠して生き延びることはできるのかな〜とか想像してみるとちょっと怖くなってきてしまいました。
ブルーメ
- 15センチWGr.41Spr(榴弾)の炸薬量は2.5kgあります。
ロケット弾のしっぽの円筒形部分が「弾頭」で、先っちょはからっぽの風帽、胴体はロケットモーターというつくりです。
これは地上から多少離れた位置(砲弾の全長は約98センチ)で爆発させ、爆風や破片の危害半径を大きくするための構造です。もちろん、化学薬剤(ひらたく言えば毒ガスですね)を広範囲に飛散させることも狙っています。
砲弾の性格としては、弾殻が薄いので迫撃砲弾に近いでしょう。
「地表」にあるものを吹っ飛ばすこと、軽くて高速なスプリンターで人員を殺傷することを狙った砲弾です。
それだけに、掩蔽壕や塹壕に入った敵兵にはそれほど実威力はないと思われます。
カチューシャも「来る!」とわかっていれば、それほど死傷者は出ません。
ただ、密度においてたいていの場合通常の砲兵の砲撃をはるかに上回ってきますので、心理的ショックはかなりひどいものがあるようです。
米兵も「スクリーミング・ミューミューズ」と呼んでドイツのロケット砲を恐れていましたね。(「叫ぶミュウミュウ」なんて間が抜けて聞こえますが…)
また、対装甲威力はほとんど無いものと思っていいです。
直撃させても装甲板から70センチも離れたところでドカンといくのですからね(笑
まなかじ
- 重ねて、どうも有難うございました。
ブルーメ
- >7
違います。耳で聞けば、絶対に「モルテイアー」には聞こえません。そう書かれる理由は、
・ドイツ語を知らないアメリカ人が読めば「モールティーア」と読むであろう
・旧仮名づかいで「かういふであらう」などと書く関係上、/au/の音を忠実に写して「アウ」と書いたものを「オー」と読んでしまう場合は少なくない
というようなことだと思います。
基本的に、外国語の発音を知りたいと思ったときにかな書きを信用するのはおすすめできません。権威ある書物や雑誌の記事であっても同様です。権威ある書物の原典が、戦前の、かな書きがいいかげんな書物である可能性もあります。
ついでに言えば、ドイツ語の/au/が「アォ」に聞こえるか?というのも、絶対じゃありませんでね。話す人によって「アウ」もいれば「アオ」もいます。一応「きれいな」発音は「アオ」の方だ、とはなっていますが。
大名死亡
- 既に蛇足ですが、クラウン独和辞典のEPWING版で聞くと確かに「マォルティア」が一番近く聞こえました。
epitaph