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初めまして。質問なのですが、現在各国軍の機械化部隊等では歩兵分隊は6人編制となっていますが、なぜ以前の10人程度から減らされたのですか。装甲兵員輸送車に砲塔や対戦車ミサイルを搭載したために歩兵の乗るスペースが無くなったので歩兵分隊の人数を減らしたと聞いたことがあるのですが本当ですか。 TEN |
- 六人編成の分隊はあまり聞きませんね。自衛隊では7人がもっとも少ないです(89式装甲戦闘車の降車班定員が7人)。
米軍のM2戦闘兵車の降車班定員は6人ですが、米陸軍ではM2二両で1個分隊(乗員3名×2両、降車班計10名)を編成するらしいです(湾岸戦争前後の話ですので、いまどうなったかはわかりません。何しろだいぶ編成替えがなされていますので・・・・・・)。
確かに戦闘兵車(歩兵戦闘車ともいいますが)は装甲兵車(装甲兵員輸送車)よりも乗車定数が少ない傾向がありますが、分隊定数をそこまで削減してしまうと降車戦闘に支障がでかねないように思えます。
そのあたりは車両をどれだけ配備するか、乗車戦闘と降車戦闘をどのあたり重視するかで各国ごとに決まってくると思いますが、6人編成では少なすぎると思います。
居眠り将軍
- >1 答えになってないや。
1で書いたように降車班を6人まで削ってしまったところはあまり聞きませんが、減らされた理由としては、車両の収容人数が減ったことがやはり一番の原因でしょう。輸送車自体に機関砲やら何やらを詰め込んで装甲も厚くしたので内部容積が減ったんですね。
ちなみに、「機械化部隊の歩兵分隊」というのは、一般的に車両乗員と降車戦闘班の両方を含みます。TENさんが仰りたいのはたぶん降車班の定員のことなのでしょう。
居眠り将軍
- ああ、今でも似たようなことをやってるんですね。
ドイツ軍の機械化部隊草創期、1個分隊はクルップボクサー2両
でした。降車班が4人か5人かはちょっとわかりません。Sd.Kfz.250
系列で構成した、偵察大隊の歩兵中隊も同様です。それでは供給が
追いつかないというので、Sd.Kfz.251やトラック1台に分隊を詰め
込むようになります。
マイソフ
- >> 1
ブラッドレー装備部隊が二両分で一個分隊というのは、正しいのですが、
米軍のフィールドマニュアルによると、車両の乗員は分隊に含まれず、
二両で一個車両班となっています。
編制表上の一個小隊の内訳は、小隊本部3名、2個車両班各5名、2個
分隊各11名で、締めて35名ということです。
# 3号車に1名分の空席がある。
実際には、小隊長と小隊軍曹は各車両班と共に行動し、小隊通信手は
降車して第一分隊と行動する様です。
直接には、砲塔やミサイル、装甲等が容積を食っているのも確かですが、
その前提として最前線での運用が重視される様になって、より戦車的に
なったためと考えると、分かりやすいのではないでしょうか。
露西亜艦まにあ
- あ、すいませんでした(さっき確認しました)。自衛隊では車両乗員が分隊に含まれるようなので、一緒にしていたようです。
居眠り将軍
- 失礼、私も少しばかり勘違いをしていました。
きちんと調べなおしたところ、人員の数え方が少々おかしかった様です。
正規の編制表によると、二個の分隊は通常の歩兵部隊と同様の9名であり、
小隊本部が5名となっています。
# あくまで編制表上の話で、本部の5名はバラバラに分かれます。
# また、小隊長が車内に残ると、車両班の一人が代わりに下車します。
この結果、小隊固有の人員は総計33名となり、これに砲兵から派遣される
前方観測の2名を加えて35名ということです。
ちなみに、現在の米軍歩兵小隊は39名編制です。空挺や空中突撃も同数。
軽歩兵の小隊はやや少なくて34名、レンジャーで40名となっています。
露西亜艦まにあ
- みなさんありがとうございました。6人というのは降車班の人数で分隊は2両の車両に分乗するんですね。
TEN
- あ、いやいや、そのですね、降車班6人ってのが少ないんでないか、云々と。実際、露西亜戦艦まにあさんが仰る内容の中にも
>車両の乗員は分隊に含まれず、二両で一個車両班と
>2個車両班各5名、2個分隊各11名
とありますから、この場合降車戦闘要員は一分隊に11人・・・・・・あれ、よくわからなくなってきた
居眠り将軍
- むむう、ややこしいことを言って、少し混乱させてしまった様ですね。
もう一度まとめてみると、ブラッドレー装備の一個小隊は、4両からなり、
小隊本部5名+二個車両班各5名+二個分隊各9名+砲兵から派遣される
前進観測班が2名で、総計35名です。(編制表上の定数)
実際の下車戦闘では、各車3名を残して23名が下車します。
徒歩の23名は二つの部隊に別れ、それぞれが一個分隊9名と2〜3名の
同行者という構成になります。
このとき、同行者の内訳は、小隊長もしくは身代わりの砲手、小隊通信手、
小隊衛生兵、前進観測手、前進観測通信手の計5名ですから、戦力としては
あまり期待しない方が良いでしょう。
結局のところ、降車兵員の主力は二個分隊各9名ということです。
ライフル分隊で9名編制と言えば現在の米陸軍の標準ですが、荷物を担いで
長距離行軍する必要が無いので、幾分重武装になっています。具体的には、
小銃のみが3名(標準では5名、以下同様)、分隊支援火器が3名(2名)、
擲弾銃付き小銃1名(2名)、小銃と対戦車火器2名(恒常的には0)です。
さて、問題は一個小隊の降車兵員が二個分隊という状態を少ないと見るか
否かであると思います。
基本となる歩兵小隊の編制は、小隊本部3名+三個ライフル分隊各9名+
一個火器分隊9名の計39名編制、軽歩兵の場合には火器分隊が省略され、
二個軽機銃チーム計4名が小隊本部に付属して34名編制とされています。
降車兵員のみを比べると、半数ないし6割程にしかならないわけですから、
確かに少ないと言わざるを得ません。
しかしながら、逆に、降車兵員が一個歩兵小隊の全力に匹敵する程ならば、
車両班を加えた部隊全体としてみると、一個小隊としては過大な編制とも
言えるのではないでしょうか。
# 極めて大雑把に考えるなら、半人前の戦車が一個小隊4両と、歩兵が
# 半個小隊で合わせて一個小隊分とも言えるかも知れませんね。
結局のところは、兵士を降ろした後の歩兵戦闘車を部隊の戦力として如何に
評価するか次第であると考えます。
もし、ブラッドレーがその火力を存分に発揮できる状況であるとするならば、
不足の一個ライフル分隊と火器分隊の全力を合わせたより、はるかに頼りに
なることでしょう。なんと言っても、25mmの機関砲を担いで歩ける歩兵など
おりませんから。
逆に、市街地戦など車両にとって不利な状況なら、小隊として軽歩兵に劣る
場合すら十分に有りうるでしょう。
この点に関しては、機械化歩兵は歩兵とは別モノであり、その得意不得意は
自ずから異なるとでも考えるしかないと思います。
それから、よく指摘されるのは、兵員数の減少によるワークロードの増加、
つまり、雑用をどうこなすかの問題ですが、総計で35名、砲兵を除いても
33名という数字を見る限り、軽歩兵の34名と比較すると、さほど深刻に
少ない様にも見えません。
あとは、固有の歩兵戦闘車を手の掛かる厄介者と見るか、頼もしい働き馬と
見るかによるでしょう。そこら辺は、歩兵戦闘車の設計によっても、大きく
違ってくるのではないでしょうか? 主に信頼性と整備性の面で。
露西亜艦まにあ
- なるほど! 一小隊のブラッドレイは4両だが、分隊の数が少ないんですね。てっきり一小隊にブラッドレイ八両だと思ってました(汗)。
居眠り将軍