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アニメ「ラーゼフォン」の第1話に四連装砲身の対空戦闘車両が登場するシーン がありますがゲパルド?などの対空戦闘車両を見る限り2連装のものが多いよう に思えます。旧ソ連のシルカなんかは四連装砲身ですが何故四連装砲身の 対空戦闘車が新規に開発されていないのでしょうか。 タ弾のひとりごと |
- 理由(1) ZSU-23/4 「シルカ」については、砲口が接近しすぎており爆風の影響で弾道がバラつくと言われています。ゲパルドやツングスカなどの対空戦車はあえて左右の砲口を離して爆風の影響を下げています。
理由(2) 空対地誘導兵器の長射程化に伴い、対空砲にも長射程化が求められています。長射程(およびエアバースト信管による有功性向上)の為に 30mm 以上の大口径砲が求められ、限られたサイズの車両に搭載する為には多連装化ができなくなっています。
理由(3) 多連装化は投射密度が向上する反面コストと重量が嵩み、弾倉の設置などでも不利です。リボルバーカノンや水冷銃身の採用により 30mm クラスで 1000 発/分以上の発射速度が実現されている現在、わざわざ多連装化する意味が少ないです。
ささき
- そうそう、ロシアのツングスカ対空戦車は一見連装砲塔ですが実は2本の砲身を束ねた 2A38 30mm 2連装砲身機関砲×2基なので実質4連装ですね(一砲身あたり 2500 発/分)。2A38 は上下の砲身がシーソーのように交互発射する構造なので、砲口爆風による弾道への影響も少ないのではないかと思います。なおツングスカは機関砲の他に SA-19 レーダー誘導対空ミサイル8発も備えています。
ささき
- ささき様回答ありがとうございます。
アニメの監督のコメントでは対空戦闘車両の砲身は「魂の四連装砲身でなければ
ならない!!」と書かれていましたが・・・全然意味ないですね。絵的なものだけ
か・・・・。
タ弾のひとりごと
- その監督の脳裏にはドイツの Flak38「悪魔の四連装」のイメージがあったのではないでしょうか。Flak38 は優秀な高射機関砲ではありましたが、ロケット弾などの実用化により連合軍機の攻撃高度が上がると射程不足が問題とされ、主力は 37mm にシフトしていったようです。
>全然意味ないですね。絵的なものだけか・・・・。
そうとも言えませんよ。現用でもエリコン SIDAM25 自走対空砲は 25mm KBA 機関砲を四連装で搭載していますし、船舶用のマウザー・ドラゴン CIWS は元来航空用の BK27 27mm リボルバーカノンを四連装で搭載しています。しかし同じマウザー社のシー・コブラ CIWS は 30mm MK30 の連装だったりします。どんな目標をどの位の距離で撃ち、どの程度の重量と容積に収めるかで最適解は違ってくるのでしょう。
ささき