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693 なんでドイツ軍はハーフトラックが大好きなんですか?
河内っこ

  1. ドイツ軍だけがハーフトラック好きだったわけではなく、アメリカもM3ハーフトラックを何万台も作ってるし、日本だって少しは作ってる。第二次大戦の頃は、ある程度の装甲をつけて路外を走ろうとすると、ハーフトラックが一番便利で安くて効率的な乗り物だったんじゃないでしょうか。ドイツ軍のが目立つのは、いっぱい作る気にさせるだけの性能をもったハーフトラックを開発出来たことと、電撃戦を
    やるには必要だったこと、道路状況のひどいロシアで戦ったことなどがあるのではなかろか。どうでしょう。
    ブラン

  2. まず、砲兵用の牽引車と装甲兵車(及び偵察車)は一応分けておく必要があると思います。
    牽引車がハーフトラックなのは履帯の路面グリップ能力の大であることが第一義となり、装甲兵車は戦車に追随できる踏破性を持とうというのが第一義となります。
    これらの点で装輪トラックはハーフトラックに大きく劣ります。(むろん、燃費や路上の走行性能、そして入手性では大きく優りますが)
    どちらも結局は履帯の接地面を大きくする、この場合は接地長を長くするということになり、結果として同じ方向に進むことで特徴が似るわけですが、その動機は違っているということに注意してください。
    では、なぜ全装軌車にしてしまわないのか。

    全装軌に対して半装軌の優位な点は、変速機とデフの重量・機構・耐久性です。
    つまり、走行系を簡単にできるので、取得コストも維持・整備コストも全装軌車より有利なわけです。
    無限軌道だけで旋回運動をさせるのは、変速機及びデフに多大な負担をかけるものです。
    アメリカのM3やマウルティアあたりでは、操向は前輪だけで行ないます。後輪駆動のトラックに履帯を履かせただけという作りですから、複雑巧緻で且つ頑丈、めったやたらと重い全装軌車の変速機とは無縁の存在です。
    ドイツのハーフトラックは急造のマウルティアを除けば、牽引車輌も装甲兵車も、その第一義とする性能をまず追求しているために履帯の接地面が諸外国のハーフトラックより長い傾向にあり、このため前輪だけでの操向が困難となるため、履帯側にも左右差動する(補助)変速機を置いてありますが、それでも戦車のものに比べれば簡単で軽く、長持ちします。

    必要と思われる性能に対していいとこどりをしようとしたのがハーフトラック多用という結果になって出てきたわけですが、実際には補助変速機を使うような凝った設計のために量産が利かず、牽引車の生産は8トン車に集中して他の1トン車や18トン車といった車体は慢性的に不足、装甲兵車もハノマーク社の工場は限度一杯の生産をしていたにもかかわらず、ごく一部のエリート装甲擲弾兵連隊を装備するだけの量しか送り出せませんでした。
    まなかじ

  3. ブランさん、まなかじさん、ありがとうございます。
    なるほどぉー!!ドイツ軍がハーフトラックを大好きな理由がわかりました。
    けど、ハーフトラックは路外走行能力や量産性、使いがってのよさなどを考えると全装軌車両や装輪車両に比べるとはるかに優秀な気がするのですが、ならばどうして日本などの世界各国の軍隊(アメリカを除いて)ではあまり使用されていないんでしょうか?
    河内っこ

  4.  牽引車両に求められる駆動力は、まなかじさんが述べたように履帯長の大きいものがよく、そうなると半装軌でもドイツ軍のように厄介な変速装置を必要とします。
     そこまで面倒をするぐらいなら全装軌式のトラクタで良いという事も言えます。多くの国ではそう考えたのではなかろうかと思います。
     また大型牽引車両以外の場合は、何と言っても普通のトラックの入手性が魅力です。米国以外の国は米国ほどの国力も無ければモータリゼーションも発達していませんので、半装軌車両以前に必要数のトラックを確保するのに四苦八苦だったのです。
    SUDO

  5. アメリカのハーフトラックはレンドリースによりイギリス、カナダ、ソ連に供与されたものがあり(M9とM5、米軍のM2とM3にそれぞれ対応する)、海外供与車だけで約11000両生産されています。なお、米軍用のM2とM3の生産数は28000両余り。これらの数には自走砲型は含まれていませんが、装甲兵員輸送車型で比較する限り、生産数の30%弱は海外向けだったことになります。
    イギリスはハーフトラックを嫌い英連邦諸国に譲渡したそうですが、カナダ等の英連邦諸国やソ連にとって相当数のハーフトラックが供与されたわけですから、この種の車両を国内開発・生産する必要性に乏しかったということではないでしょうか。
    またイギリスの場合、小型の装軌車両であるユニバーサルキャリアを同国だけで約35000両生産しており、これと装輪装甲車で十分間に合ったということでは。
    アリエフ

  6. 確かに考えてにればそうですねぇ。。
    SUDOさんとアリエフさんなどに教えてもらった事から考えて、ドイツ・イギリス・ソ連・アメリカ、の場合は分かりました。けど、日本はどうだったんですか?
    日本軍にも機甲師団がありましたよね。それに、ついていかせる歩兵用の車両はどうしたんですか?まさかトッラクに載って戦場まで行ってたとか・・・。日本にはそのような車両はなっかたんですか?
    河内っこ

  7. 日本にもハーフトラックはあります。機動歩兵は装甲車両で移動するように構想されていましたし、事実、その配備は一般にイメージされている程少数ではありません。調べて行くと「あ、ここにも配備されている」と気が付く程度(笑)には実績があるのですが、「ハーフトラックが好きか?」という問題についてはなかなか面白い状況が見られます。日本陸軍では装甲兵車の装備が少数に留まったにもかかわらず、半装軌式派と全装軌式派で激しい論争があり、両形式の装甲兵車が開発されています。最終的には将来の日本陸軍装甲兵車は全装軌式に統一される方向にあったようですが、この論争は興味深いものです。
    BUN

  8. 日本軍のハーフトラックには98式高射砲牽引車(コヒ車)や1式半装軌装甲兵車(ホハ車)などがあったようです。他にもあるかもしれません。
    98式は「大」と「小」があり、「小」は軌道輪や履帯に95式軽戦車と同じ部品をつかっています。両車とも和風1tハーフトラックといった形をしてますです。
    1式は乗員15名のかなり大きいオープントップの装甲兵車で、今の日産自動車製だという。結構カッコ良い姿をしてます。
    ただ、どちらもどのくらい作られて、どう使われたかは良く知らないので、どなたかっ!

    ブラン

  9. ↑間違いました。1式半装軌装甲兵車は日産自動車製ではなく、日野自動車製でした。
    ブラン

  10. 僕もまだ17歳ですが、近所の図書館の軍事系の書籍はすべて読んだといっていいのですが、そんな僕でも日本軍の半装軌車両は二回しか見たことがありません!!
    やっぱり、生産数は少ないのでは・・・。
    河内っこ

  11.  他にも、一式装軌式兵員輸送車 なんていうユニバーサルキャリアのおばけみた
    いなのも完成していたみたいですね。完全キャタピラ式でフィリッピンに配備されて
    いたとか・・・。
    はにまる


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