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砲身の先っぽがTの字になってる戦車ってよく昔の特撮もので見かけましたが、あれってなんの意味があるのですか? zuki |
- 61式戦車等の煙突型のあれですね。
あれは、砲口制退機(マズルブレーキ)というもので、「大砲入門」佐山二郎著によると、以下のように説明されています。
「砲口制退機は弾丸発射後における火薬ガスの膨張力を利用して、これを後座体に対して後座方向と反対に作用させ、後座エネルギーを相殺して駐退機の負担を軽くし、砲架の抗力を軽減するものである。」
簡単に言うと、発射薬の燃焼ガスを利用して、砲の反動を軽減させる装置です。
ある
- T字型のマズルブレーキにはもう一つ、発射煙の早期拡散の役目もあり、マズルデフ
レクターとの別称もあります。現在は無煙火薬を装薬として使用していますので、
発射煙に悩まされることはありません。
はいどーも
- ごみです。
うちの家内は某博物館でこれを見て、こともあろうに元自○隊砲兵大佐に『これって好きな方向に撃てるの?』と質問していました。
SHI
- ちなみに、今の105mm砲や120mm砲は砲身の途中に排煙器(途中膨らんでいる部分)を設けて対処しています。
そーいえば、ルクレール戦車の120mm砲は砲身途中に排煙器を持っていませんが、あれはどういう構造になってたかな? 砲弾発射と一緒に砲口から吐き出すんだっけ?
今の車載砲で砲口に制退器を持っているのは、榴弾砲等を除けば装輪戦闘車(仏AMX-10RC辺り)くらいじゃないでしょうか。
ブラック・タロン
- >>レクレルク
あれ?知らなかった?あれは結構有名な話なんだけど。
あれは砲身効率(J/m)を少しでも稼ぐために、エバを設けておりませんよ。(かつかつって事)
(ついでに言えばサーマルスリーブ内に排気を導入させてません)
その代わり、圧搾空気によって強制排出させる手法をとってます。
ただ、初期のものはfast-openな電磁弁の性能が悪く(だらだらと圧ロが増える)、
米国製のshocktube用電磁弁を一時期使用してました。
sorya
- あ。いかんフランスを腐してるような感じで宜しくない(苦笑)
そんな訳で前向きなフォローをば。
で、先に説明したレクレルクの圧搾空気排気システムは絶対悪って訳でもなく、まぁ強いて言えばNiceTry とも言うべき代物であったりします。
っていうのは、現在のMBT において発射速度を妨げる一番の要因は人間様が乗り組んでいるということです。人間さえいなきゃエバ設ける必要性ないんらから、それ
こそOTO-SR並に発射速度を引き上げられるですよ。そういう意味(発射速度の向上)ではレクレルクの解決法は決して馬鹿げてはいないとまぁ、そういうことです。
でも、その解決の為に作動圧力約20kg/cm^2のパッシブ型同軸デュアルスリーブバルブを設けるのはいただけんぜと。圧力を上げずに流量を上げると言う命題に対し
てはその方法しかなかったのかもしれんが。
だからレクレルクの連続射撃のビデオが無かったりなんかするんですが(謎)
sorya
- 5>その代わり、圧搾空気によって強制排出させる手法をとってます。
あれは爆煙の排出のためだったんですか・・・。自分の認識では、そもそもMBTは
NBC兵器対策として(汚染された外気が車内に侵入せぬよう)車内に高い気圧をかけ
ていると思ったもので。
結果的にそれにより、エバキュレーターが不要になったと読んだことがあるのです
が考えたら常時爆煙が逆流せぬよう車内の気圧を高くしていたら乗っている人間は
堪ったものじゃないやな・・・。ルクレルクはその点どうなのでしょうか?
strafe
- 車内圧力はそったら高くないよ。
圧搾空気排出システムは砲閉鎖中に作動しますんで。
わざわざパッシブ型と言ったのはそのためで、実際の動作は砲発射トリガーでバル
ブのラッチを外し、発射後、システム設定圧力が薬室圧力を上回ったとき、同軸型
デュアルスリーブバルブが開き、砲内に圧搾空気を導入するようになっています。
問題は、理論値どおり巧く動いてくないこと。
わしがあのカラクリをNiceTryと言ってのけるのはその所為。
sorya
- 8>
なるほど。では車内の気圧を高めることで(NBC兵器で汚染された)外気の浸入を
防ぐ、というのはそもそも本当にMBT(あるいはAFV)にある機能なのでしょうか?
strafe
- それが普通です:-)
sorya
- 10>それが普通です:-)
ということは、内圧を高めるためには外部へ排出する以上の量の空気を得にゃなら
んのですよね?まさか車内に空気ボンベも置けませんから、外気を吸入せにゃならん
ですよね?ということは、汚染された外気は何らかの手段で洗浄せにゃならんのです
よね?それをどーやってるかというのが長年の疑問なのですが・・・。
strafe
- はーい。HEPAふぃるたぁ(笑)<=嘘じゃなく
簡単に言えば、吸着フィルターと集塵フィルターを介して車両内部に外気を導入す
るですね。これは何処も同じ。
ためしに”NBC+Filter”で検索すれば判ります。
sorya
- 12>はーい。HEPAふぃるたぁ(笑)<=嘘じゃなく
あのー三菱重工だから三菱電機の製品を使っているってオチじゃないですよね・・・?
12>ためしに”NBC+Filter”で検索すれば判ります。
あうぅぅ・・・。英語ばっかりだ・・・。きょうはもう寝ます・・・。
strafe
- >10
難しく考える必要はありません。外気導入部分にでかいガスマスクフィルターのような物があるだけです。当然、定期的に交換可能。
はいどーも
- ↑
>10は>11の間違えでした。ごめんなさい。
はいどーも
- >>13
あ。ゴメンよ。真面目に受け取って>三菱電機
HEPA Filterというのは「H-igh E-fficiency P-articulate A-ir」filterの略で、
別に三菱製に限らない、固有名詞だったりするですよ。元々は半導体製造工場とか、
無菌室に使われてた奴の総称ざんす。
今じゃULPA(U-ltra L-ow P-enetration A-ir) Filter が主流な訳ですが。
(ULPAの定義は150nm以上のものを99.999998%以上阻止する性能を有すること)
sorya
- あ。忘れてた。エバ無し砲身の優位なもう1つの点を。(結構基本なんで)
エバ無し砲身はエバキュレートポートが起因する砲身のモード振動を抑えることが可能でーす。
エバポートって、とある角度、とある個数のとある径の穴を開けただけなんだけど、
この設計が悪いとその振動のハーモニックが砲身の固有振動数になっちゃって、そ
らまぁ、泣けるくらいのモード振動を発生してくれます。これを防ぐ設計が出来な
い時は、燃焼器もしくは弾丸形状が複雑になる低圧砲にするか、それとも砲身の肉
厚を増やす、そしてエバポート自体を廃止するしかないのれす。
sorya
- 私は高(空気)圧をかけて爆煙を排出するのは大型艦載砲のことだと思っていたので、戦車の大きさでやっているとは知りませんでした。
しかし今でもスリップリングを使っている砲では、材質はやっぱり銅?だったら砲身に付着する銅はどうとってるの?相変わらず水銀付着?
strafe
- 手元にある各種 30mm 弾の写真には軟鉄、銅、プラスチック(テフロン?)のドライビング・バンドが認められます。
ささき
- >18
スリップリング(スリッピングバンド)の材質
たしかナイロン99とか言うやつだと思った。
滑腔砲用の物(ガス止めリング)もおなじ物だと思いました。
120mmHEATの物は銅製だけど。
はいどーも
- ナイロンとちゃうよ。
ナイロンは自己潤滑性に乏しい材料だから、高速しゅう動部分には用いることが少
ない材料の1つです。直ぐ焼き付くですよ。それに、ナイロンは吸水性が高く、湿
度に応じて膨らんでしまうため、精密部品には余り用いられません。
確かに焼き付かない領域では、それなりの潤滑性を示すんだけど。
(ナイロン66なんか、高分子性歯車の定番です。あの領域では摩擦が低く、強度が高いから)
現時点においては、PP(ポリプロピレン)か超高分子量PE(ポリエチレン)ですね。
後者は最近になって登場。
sorya
- 「ナイロンじゃない」と言われても、90mmHEAT及び105mmHEAT‐MP用のガス止めバンドとして実際に使われているんですが。
ただ、ナイロン99じゃ無くてナイロン66でした。(覚え間違い)
手持ちの資料には、「90HEAT等で量産実績のあるナイロン66を使用する」と記載されています。「90HEAT等」と書いてあったので、他の弾もあるのでしょう。
はいどーも
- あ。量産品はナイロンなのか。少なくとも現状の日本では。(少なくとも試作品はPP製)
因みに、ナイロンリングとPPリングでは明らかに、PPリングのほうが維持性能発数が明らかに上でした。
sorya
- >23
あくまでHEATの話で、APFSDSになると、ナイロンではなくPP製等の可能性が高いと思います。(資料ないんで材質不明なんです。)
はいどーも