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656 五式75ミリ戦車砲と九九式88ミリ高射砲だと九九式の方が生産が容易で、威力も高いと思うのですが、なぜ日本軍は戦車砲や車載砲に九九式を使わなかったのですか?

チリIII

  1.  五式75ミリには半自動装填装置がついています。日本戦車は砲の速射性を重視する傾向にあり、口径が少々小さくても弾数を増やすことで対処しようとしたのではないでしょうか。
    居眠り将軍

  2. 九九式八高が戦車砲の候補に上がらなかった理由としてはまずその重量が考えられれます。固定式に装備する場合であれば更に威力のある大威力十加があったので候補に上らなかったのでしょう。
    BUN

  3. BUNさんの言って仰られているとおり、まず重量の問題があります。
    99式8糎高射砲は設計が古くて、非常に重いのです。ちなみに、試製5式7糎半戦車砲II型の砲身重量は840kg、99式8糎高射砲の砲身重量は1750kgです。

    次に、99式8糎高射砲は、そのまま戦車砲としては使えません。砲は通常、後座長が長くすることで、後座衝力を低くしているのですが、限られた砲塔内容積に収めるためには、後座長を短くする必要があります。すると、砲架などもより頑丈に造る必要があります。その他にも、砲塔に収めるために、大きな改造が必要で、生産性が良かったと言われる99式のメリットがほとんど無くなってしまうでしょう。

    あと、高初速の88mm砲を積めるような大きな戦車は日本にはありませんよね。5式戦車ならば、なんとか積めた可能性はありますけど、4式で30ton、3式で18.8tonでは、高初速の88mm砲を積むのは、ちょっと無理っぽいですね。
    ちなみに、第二次世界中に高初速の85mm以上の戦車砲を搭載した戦車で、もっとも軽いのは、85mmL54.6砲搭載のT34/85(32ton)、2番目は90mmL50砲搭載のM26パーシング(41.9ton)、3番目は122mmL43砲搭載のIS-2(46ton)になるでしょうか。
    なお、IS-2は、当初100mm砲を積む予定が間に合わず、122mm砲を搭載した経緯があり、搭載弾数が少ない等の問題を持っていたようです。
    まともな運用を考えると、88mm以上の砲を搭載するならば、40ton程度の大きな戦車の必要がありそうですね。

    自走砲としてならば、BUNさんが仰られている通り、105mm戦車砲が計画されていました。

    追補:T-44は31.5tonで、一番軽いのですが、あえて入れてません。あと、自走砲は戦車ではありません。

    ある

  4. ホリは運用構想から見て「戦車」ですね。この辺りは複雑な話になりますが、四号戦車L70等と同様「やむなく砲塔を固定した戦車」というのが実態に近い表現かもしれません。自走砲ではない、ということですね。ドイツ的な表現ならば駆逐戦車なのでしょう。日本陸軍は戦車のつもりで考えています。
    BUN

  5. 運用構想がどうであれ、砲塔を固定した時点で、戦車としての運用はできないのではありませんか?また、厳密な定義はありませんが、旋回式の砲塔がないと、戦車とはいえないのではないでしょうか?まあ、このあたりは議論ボード向けの話題ですかね(苦笑)。



    ある

  6. >自走砲としてならば、BUNさんが仰られている通り、105mm戦車砲が計画されていました。

    ホリ車の話は上記の文章への指摘なんですね。自走砲と戦車の定義の話かと勘違いしてしまいました。申し訳ありません。ホリは確かに、戦車として構想されたようなので、105mm砲は戦車砲として計画されているわけですね。
    それで、実際的には無理だったので、固定式になったと。

    ということで、自走砲として計画されたという私の文章は、間違いです。
    訂正します。まことに申し訳ありません。
    ある

  7. ある様、失礼いたしました。
    それでも、まだちょっと引っ掛かる点がありまして、九九式八高の後座長は五式戦車砲よりも長いのでしょうか?同等、あるいはちょっと短いのではないでしょうか。
    BUN

  8. 備砲との絡みで決まってくるパラメータに、砲塔リング内径があります。
    この砲塔リング内径の値だけを見た場合、五式戦車は、9cmクラスの戦車砲なら楽勝で載せられるサイズになっています。
    WW2 時の、各国の戦車の砲塔リング内径を少し並べてみます。

    日本       口径 リング内径
     三式戦車    75mm 1.70m
     四式戦車    75mm 1.70m
     五式戦車    75mm 2.00m
    アメリカ
     M4中戦車   75mm 1.75m
     M26重戦車  90mm 1.75m
    ドイツ
     パンター    75mm 1.75m
     ティガーI   88mm 1.83m
     ティガーII   88mm 1.85m
    ソ連
     T34/85  85mm 1.60m
     T34/100 10cm 1.70m

    他に、グランドパワー2000年9月号のp27 に、107mm戦車砲ZIS-26 搭載時の最低砲塔リング内径として1.85m という見積りが載っていますが、これも参考になるかな?
    あと、うろ覚えですが、現在のM60戦車 やレオバルド1および2の砲塔リング内径は、確か2.1m強 だったと思います。

    五式戦車の砲塔リング内径は、WW2 の戦車としてはかなり大きなもので、10cmクラスの戦車砲が載ってもおかしくない程のものです。
    砲塔リング内径に余裕があると言う事は、後座長を大きく取る事も可能となります。
    そして、後座長が大きければ、後座衝撃が緩和される事になり、より軽量の車体でも運用できる事を意味します。

    あまり意味のある仮定ではありませんが、ソ連だったら、五式戦車に100mm戦車砲か122mm戦車砲を載せたかもしれません。
    mikey

  9. まことに無責任な話で恐縮なのですが、99式8高の後座長が判る資料を持っておりません。一方、写真や図面をみると、駐退複座装置のシリンダー長さが1m程度はあるように見えますので、試製5式7糎半戦車砲(長)II型の後座長0.4mよりは大きいと判断して、書いている部分があります。

    #実際のところはどのくらいなのでしょうか?ご教示頂けると幸いです。

    予断ですが、0.4m以下だとすると、高射砲としては非常識に短い後座長ですね。まあ、99式8高の元になった砲が海軍砲ではないかとの説が有力であることからも、けっしてありえないことではないのですが(予測できませんでした)。
    ある

  10. いいえ、私も研究原簿の数字を確認するまでは同じように考えていました。
    BUN


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