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戦車の傾斜装甲についての質問です。 艦船からの話題からで恐縮ですが、傾斜装甲自体は大正期設計の戦艦(加賀級)とかですでに採用され、その後の世界中の艦船にも取り入れられています。 しかしそれに比べると戦車が傾斜装甲を採用したのは随分あとのことです。 すぐに応用しても良さそうなものですが、何故そうはならなかったのでしょうか? 傾斜装甲を車両に応用できない重大な理由等があったのでしょうか? 烈風天駆 |
- 寸法…というかそれぞれのサイズにかなりの隔たりがあるので一概に比較するのが
適切ではないような気がします。
暴論になりますが,例えば厚さ20mm,45度の傾斜装甲と28mmの垂直装甲とを同じ面積の垂直面を防御させるとします。
地面(乃至は海面)に水平に着弾した場合,装甲厚はほぼ同等で傾斜装甲のほうが
場所を取るのはわかっていただけると思います。
陸上で使用する兵器である以上,軍艦よりスペースは狭くならざるをえませんから,
傾斜装甲を採用することが技術的に困難(あるいは無意味)だったのではないでしょうか?
そもそも,戦車の形態と運用方自体がWW2に完成されたということもあるでしょうし。
”&”
- 戦車が対戦車砲の発射する徹甲弾で撃たれる可能性が出てきた頃には傾斜装甲は広く各国戦車に取り入れられています。日本の戦車では九五式あたりから導入され、九七式戦車では前面装甲に垂直部分は殆どありません。日本戦車が徹甲弾による被弾を意識して設計した最初の戦車は九七式中戦車ですから、傾斜装甲の戦車への導入は決して遅れたとは言えないでしょう。
BUN
- 読み辛くてすみません。「日本が徹甲弾による被弾を意識して設計した戦車は九七式が最初」ですね。
BUN
- 傾斜させたほうが製造の手間がかかりませんかね。戦時中の、生産力を有効活用する点を考慮すると、傾斜装甲にするより垂直装甲で肉厚にしたほうが生産が楽……ってのはありませんかねえ。単なる思いつきですが。
tac
- 車体前面の傾斜装甲に関してはT34がそれを採用できたのは後輪駆動である為で、パンターが採用できた理由は変速機関係の取り出し口を砲塔前面に設けられたからです。このような設計ができれば五式中戦車も同様の前面装甲を採用していたことでしょう。単純に考えて部品点数は大幅に減少しますので生産性はかえって向上したと思われます。
BUN
- >5
英国の巡航戦車とかのケースは、どの様に解釈したら良いのでしょうか?
後輪駆動なのに、1944年に登場したコメットでさえ、垂直装甲のままですよね。
変速機関係以外にも、何か傾斜装甲の採用を妨げる項目がある様に思えるのですが。
mikey
- 英国の巡航戦車も傾斜装甲を採用しています。コメットは1944年の車両というよりも既存車両の拡大発展型ですが、A24の系譜に連なる車体があのようなデザインであ確かな理由はわかりません。想像でしかありませんが車体への副武装取り付け等の都合であのようなデザインが採用されているのではないでしょうか。参考までに、1943年、パンターの情報に接した日本陸軍はパンターが車体機銃を装備していない理由は前面装甲が一枚板であるからだと分析しています。
BUN
- > 英国の巡航戦車と傾斜装甲
A24 の系統の事しか頭になく、見落としていました。
あと、「傾斜装甲」と「前面装甲が一枚板」を混同していた様です。
> 副武装の取り付け
成る程、変速機関係だけではなく、車体機銃等も妨げる要素に成り得る訳ですか。
参考になりました、有難うございます。
mikey