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M1エイブラムスなどの戦車にはディーゼルエンジンではなくてガスタービ ンエンジンが使われていますが何故わざわざ燃費が悪く航続距離にも 劣るエンジンを積むのですか? 高出力というか馬力が必要ならば既存のディーゼルエンジンの改良や セラミックスエンジンなどでは駄目なのでしょうか。ディーゼルならば 燃料も軽油で済むのに・・・。 幻雲 |
- ガスタービンが燃費が悪いとは心外な。せめて車載エンジンとしての…くらいにし
て欲しいです。
ガスタービンは(その設計された)定常回転をし続けることが可能であるならば、機
関としての効率はレシプロよりも上ですぞ(笑)
問題があるとすれば、航空機よりもスロットル開度が激しい乗り物に使用するため
に、航空機用のガスタービンエンジンとは著しく異なる設計方針で作り込まなけれ
ば、完成させることができなくなったというのが燃費悪しの真相でせう。
エンジンのツキを上げるために、寄生慣性の低減から、タービン径を小さくしてみ
たり、小さくしたらトルクが小さすぎてしまい、坂道発進できずにエンストするの
で(何故トルコンで?)アイドリング回転数自体を上げてみたり…と、確かに燃費低
減に向かう方向で何故無理無理に解決してしまったのか?という問題はあるのだけ
ど、結局は既にジオメトリが決められてしまったために、レシプロエンジンを乗っ
ける隙間が無かったというのが実際のところでせう。
ちょっと出てくる時代が早すぎたというのはあるのかもしれないですね。今ならば
ファイナルドライブの変速機構(世の中良くなったもんだネ)を入れてみたりすれば
エンスト(?)することもなかったろうし、ツキの問題だって、トルコンにぶち込む
加速用アキュムレータをデッチ上げ、その高圧容器へ余剰エネルギを持って空気を
充填させてやれば良いわけだし…(有る意味ハイブリッド駆動のノリですなあ)。
sorya
- でも、一番の要因としては、端からアップデート時の重量の大幅増加を前提にして
設計してしまったため、エンジンくらいは軽量にしないとシステムバランスが破綻
してしまうという恐れがあったかもしれず(悪)。
アップデート前提の乗り物の設計でも、ちょっと間違うとこのような冥府魔道が待
ちかまえているのでありました。こーゆーのって、後々祟るんだよねえ。
(と、自らをも省みてみる)
sorya the black
- をを。
×:燃費低減
○:燃費高騰
でした。多謝。
sorya
- →1)ハイ、慎んで訂正させていただきます(笑)
艦船のエンジンにはガスタービンが多く採用されていますからねここでは
車載用のものに限っておきます。
幻雲
- ガスタービンの燃費はそんなにいいんですか?
定常回転でもガスタービンの燃費はディーゼルの1.5倍近いイメージがあるのですが。
船舶用機関としては、20年前の中速ディーゼルでも燃費率125g/ps/hです。
ガスタービンの定常回転時の燃費率は180g/ps/h程度の筈。
発電用でも、ディーゼル発電機は単体で熱効率50%近く行きます。
分散型電源として提案されているマイクロガスタービンの単体の熱効率は35%程度。
AI
- え?そうなの?
わし、熱力に関して言うと商売柄断熱系しか詳しくないのでアレなんだけど、純粋
なレシプロ機関でエクセルギー効率が50% に来ちゃう発電システムを見たことも聞
いた事もないんですが…。
熱機関としてのレシプロ機関の平均的な効率(燃料の総エネルギに対する)は13% 程
度で、発電機の効率は設計回転率(でかつ設計負荷)状態で良くて70〜80% 程度だと
認識しているんだけど。。
sorya
- う゛。
エクセルギー効率なら50%越えるのもあり得るな。
sorya
- ああ。ミラーサイクルのレシプロ機関か。しかも舶用の巨大な奴。
それだったらいくらでも考えられるなあ。
でも、ミラーサイクルの車載動力用”原動機”で高効率を唄ったモノがその通りの性
能を発揮したという話は残念ながら聞かないですよ。
ましてや1970年代ならなおさらのこと。
sorya
- M1のガスタービンは熱交換機が付いているので、航空ファンエンジン転用のガスタービンに比べて燃費が良いと聞きます。
いまだに熱交換機も中間冷却器も舶用ガスタービンに装備されないのは、理由があるのでしょうか?
Navy
- 私は技術に詳しくないので、商用ガスタービンに関する研究を紹介します。
国土交通省、日本財団支援のもと研究が進んでいるスーパーマリンガスタービンです。
http://plaza18.mbn.or.jp/~smgt/ (トップページ)
http://plaza18.mbn.or.jp/~smgt/r_d.htm (開発目標)
http://plaza18.mbn.or.jp/~smgt/siyou1.htm (開発仕様)
開発目標の1つに熱効率を大幅に向上し高速ディーゼルと同等の熱効率を得るとあります。
目標を達成しても使う船はないというのが正直な感想。TSLと同じ運命と思います。
商船用としては更に低燃費かつC重油が使える中速ディーゼルには勝てません。
AI
- >>Navy氏
うーん。もう時効だと思うので言うけど (っていうか、一般来客用のカットモデル
を見た感じ@M1) では、熱回収というよりも二段目の出力を二段目入り口に再循環
させてたようなそんな感じ(二段目入り口で断面積を絞って入力してた)だったけど、
あれから進展あったのかな。パイパス部は蓄熱させるんだっけか。明らかにニッケ
ル基の超合金っぽい感じだったと記憶。
sorya
- 結局当時のアメリカでは1500ps級でコンパクトなディーゼルを造る技術がなかっただけみたいですね。試作はあったらしいのですがトラブル続きだったとか…。
MTU製ディーゼル載せた輸出用M1A2は車体延長しているのかしら?
>セラミクスディーゼルエンジン
一応アメリカとの共同研究というカタチで技本でも研究されている所をみると、アメリカさんも高性能ディーゼルの技術欲しいのかな?
ガンヘッド507
- >10
話がズレますが(汗
国土交通省が絡んでると言う事は、洪水時などに稼動させる
排水ポンプ場に使用するのでは無いでしょうか?
大抵の排水ポンプ場は船舶用のディーゼルで、最近ガスタービンの
ポンプ場も増えてきてますし。
Scylla
- 技本の原動機第2研究室でもガスタービンエンジンを試作し、実験車両での走行試験してますね。どんな物なのか見てみたいでふ。
ガンヘッド507
- セラミックス断熱式(燃焼器)のガスタービンだったかな。
詳しくは今月号の防衛技術にでも。(そったら詳しくは無いけど)
sorya