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大戦時の航空機用エンジンのパワーアップの方法としてポピュラーな水メタノール噴射は、車両用のエンジンには用いられていないのでしょうか。 NX |
装置の重量やシリンダー内の腐食等の点から難しいのではないでしょうか?
結構、エンジンに負担を強いる様なので。
吸気の密度を上げる、という点ではスバルのインプレッサに過給器のイン
タークーラーを冷却するウォータースプレー(不確実)を装備するグレー
ドがあったと記憶します。
takukou
taka
噴射して吸入混合気の密度を下げるものです。言ってみれば、燃料
冷却と同じ思想だと思います。
で、そのまま生で入れちゃうとシリンダー内部の腐食が激しいので
使用制限があったり、腐食防止液を混合していた筈です。
と、ここまで書いて忘れてたのですが。ある程度の過給がなされて
いないと効果が無いので、普通の自動車では無駄。ということにな
ります。
記憶頼りなので、補足、突っ込み宜しくおねがいします。
takukou
噴射はシリンダーに対して直接行われることはまれで、過給器か吸気マニフォールドに対して行われます。
Schump
ついでに。現代のレース機では、空冷エンジンのシリンダに水を噴霧して強制冷却を行う(スピナがでかくてカウリングとの隙間がほとんどないので仕方ない)ものがありますが、これは「水噴射」とはいわないことに注意しましょう。
Schump
しかし、デトネーション=ノッキング。なのでしょうか?
takukou
こてらじ
knock=エンジンがガタガタ言う。
detonate=爆発する。
例のエンジンがゴンゴン言う状況はノッキング、その原因は異常燃焼=デトネーションですが、
まったく同義語ではないですね。内燃機関以外での異常燃焼も有り得るわけですし、
ガソリンエンジンでも。激しいデトネーションが起きれば、ゴンゴン言う前に、
一発でコンロッドがポッキン!ってな状況も考えられる訳ですから
無頼庵
如として1000〜3500m/s程度の早さで衝撃波を伴い伝播する現象であり。
それに対して、ノッキングはシリンダー内のエンドガスが発火して衝撃波
を発生させる現象と記憶します。エンドガスが発火して発生する衝撃波は
燃焼現象を伴うので、確かに広い意味ではデトネーションと言えないこと
もないのですが、正規の火炎に到達した後にも衝撃波だけがが正規の火炎
中を進行する事などからも。やはり、両者は別物と解釈した方が良いと思
います。
勿論、正規の燃焼面でデトネーションが発生しており、それがノッキング
の原因となっている場合もあるとは思いますが。
↑↑ 205系のセリカのGT-FOURですネ。ホモロゲ取得用のモデルとは、
スポイラーの根本にスペーサーを咬ませている奴でしょうか?確かに、なん
か、その様なハナシも聞いたことがあります。
takukou
NX
ただし、現代では自己発火説が主流です。まぁ、いまだに結論は出ていませんが。
(ちなみに私は自己発火説を採っています)デトネーション説を唱える人はノッキングのことを「デトネーション」と呼ぶので、混乱の原因にもなっています。
↑水噴射と信頼性
たぶん、損ねていたことと思います。いまのエンジンでも水噴射をすると
寿命が激減しますから……。
たかつかさ
例のスポイラーの下駄(空力付加物の制限があるので生産型に装着)
それと、ミスファイアリングシステムの配管です
これもホモロゲに必要だったんだと思います
たぶんターボ関係の配管で触れない部分があるんでしょう
大戦時の水メタ噴射の問題ですが
信頼性を維持して馬力を上げるための方法の一つだったのです
だから、信頼性低下は水メタの有無で論じる物ではありません
SUDO
の共同研究によってその原因(エンドガスの自己着火による)が解明され、
1938年にデトロイトで発表されたものだと思うのですが?
また、それを受けてLichtyの「Internal Combustion Engines」もデト
ネーションという言葉を廃止しエンジンノックに書き換えられた。と記憶し
ますが。
現在はまた違う解釈があるのでしょうか?
takukou
発生が観測されます。
これは自己着火によるものとする意見が主流ですが、しかし極めて短時間の
現象であるために、デトネーション説を完全に否定するには至っていません。
つまり、衝撃波の発生が先(デトネーション説)と自己着火による急激な
圧力上昇によって衝撃波が発生する(自己着火説)との決着はいまだに
ついていないのです。
ただし、ご指摘のとおりにGMの実験以後、自己着火説が主流です。
>SUDOさま
「信頼性を損ねない狙いであった」と言うのと「実際に信頼性には
害が無かった」と言うのとは同じでは無いと思います。
わたしの経験から言うと、水噴射がエンジンの信頼性に害を与えないと
言うのはまず有得ないことだと思います。
>吸気密度の向上による出力増大
たしかに吸気管がチョーク状態、またはそれに近い状態にあるならば
吸気密度の増大(=体積と流速の減少による圧力損失の低下、
充填効率の向上)が効果的だと思います。
しかし、この場合には着火前温度の低下によるノッキング抑止、
それによる許容ブースト圧力の増大の効果が主では無いでしょうか。
傍証としては、全開高度以上での出力増大が見られなかったと言う
堀越技師の著述が挙げられます。
たかつかさ
ええ、それは重々承知の上で書いてます
ただ「大きく変えないで馬力を向上させる」事は
殆どが信頼性や寿命と引き換えだったのでは無いでしょうか?
水噴射することで痛んでしまう事と
何もしないで無茶なブーストで壊すのと、どちらがマシなのか
また、何もしないのに比べて
水メタ関連の機材を追加することで増える整備・運用・生産の苦労
それも合わせて考察するべきだろうと思います
そう、栄21型と31型なら、31型で信頼性も寿命も下がっているでしょう
ただ、代わりに馬力は上がってるのです
栄21型を、そのままハイブーストしたら?
想像ですが、31型よりも酷いことになったでしょう
寿命の減少で言うなら、零戦を何年使うツモリなのです?
もし、数時間の使用で壊れるのだとしても
水メタ噴射をそれだけの時間使う事があるのでしょうか?
そして、馬力の低いままより損失率が下がるなら
平均寿命はかえって長くなるのでは?
実用不能なほどに寿命低下するのではないことは
各国の機体が多数使用していることからも判ります
ならば、寿命の低下は重要視する問題ではないのでは?
SUDO
「他の手段に比べて信頼性への悪影響は大差無い」と言う意味であれば、そう言ってくだされば無駄な書き込みをせずに済みました。
この件についてはもうレスポンスしませんので、あとはお任せします。
たかつかさ
うい
ただ、最初の書き込みは、氏の投稿前に入れたものですので
氏に対する物では無かった事を取りあえず明記しておきます
一応、このように番号を入れることで回避するようにしてます
矢印では混乱の元になるようなので
よって、最初の自投稿は
氏の言うように「他の手段と大差ない」との意であります
舌足らずで意味不明に近いのは私の文章力の無さゆえの問題でして
そのことは陳謝いたしますm(__)m
SUDO
これも、1949年にNACA(当時)のMaleが50万コマ/Sec以上の高速
度カメラでエンドガスの着火に伴う衝撃波の存在を発見しており。現在
ではそれ以上の能力を持つレーザーシャドウグラフにより衝撃波が燃焼
反応を伴って未燃焼部分を進行する事が確かめられている。と記憶する
のですが・・
ただ、衝撃波が燃焼を伴い未燃焼部分を進行する、というのはデトネー
ションと同じ現象であるのは確かなのですけれども。
ただ、先に記した様に、正規の燃焼面でデトネーションが発生し、それが
ノッキングの原因となる場合もあるとは思います。
しかし、この辺、私は燃焼工学を専攻していた訳ではないので、正確は期
しがたいです。
takukou
まさにそのシャドーグラフ実験をこのところ担当していますが、
たいていの場合はおっしゃるとおり自己着火であると言えます。
研究者としての私個人の見解を述べさせていただくと、たぶん自己着火説が
正しいだろうと思います。
ただ、デトネーション説を完全否定するにはまだ足りないのです。
衝撃波が原因か結果か?
シャドーグラフで見えるのは密度の境界面のみであり、
化学変化そのものは見えません。
衝撃波の発生はエンドガス発火の前か、後か?
まだ言い切るには材料が足りないのです。
自分が何をやっているのかを明かす前なら「自己着火でしょう」と
言い切れました(言い切りたいです^^;)が、今は一応は責任のある
回頭をしないとならないので「自己着火説が優勢」とまでしか言えません
たかつかさ
残り1%の懐疑がある限りは「カラスは黒い」とおっしゃれない
んですネ。了解しました。まぁ、「優勢」とは「優勢」と解釈し
ますです。ハイ。
何時の日か、「ノッキングはデトネーションじゃ無い」という書
き込みを期待しております。
まぁ、受け売りですが「一部にデトネーションを伴った衝撃的な
燃焼」とでも解釈すれば良いのでしょうか。
takukou
「英米別名」の件は、洋書を読んでいてそうなっていた、ということからきているのですが、著者の持説によるものであるという可能性には思いがいたりませんでした。
Schump
ってな訳で気体爆薬の話で茶を濁してみる(笑)
一般的な気体爆薬の爆轟理論では、衝撃波は爆轟状態(定常状態)の維持には必要不可欠ではあるとは言われてますなあ。
よって、気体爆薬に限って言えば衝撃波の発生は状況的なもので、衝撃波の発生によって爆轟の発生というわけではないってな話が一
般的(定常状態においては先に言ったように必要不可欠だけどね)
それは秘密です。
何かの本で、アメリカで120mm砲の射撃を受けて、貫通されなかった。という
話書いてありましたが。距離は、書いてなかったんですが、とすると700mm
以上相当するのでは。
少なくとも、アメリカのM1以上の防御力があるのでは?
よくワカンナイけどね。
バウアー中尉