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いわゆる対空戦車って、 戦果の方はいか程だったのでしょうか? 勝井
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- ゲパルトのような戦車ベースのものから装輪式のもの、あるいはトラックの上に対空機関砲をつけた程度のものも含め、対空自走砲は敵機を撃墜することよりも、で低空域における地上攻撃を妨害、阻止するためのものと考えた方が良いでしょう。敵機を撃墜するには自軍の航空機に任せた方が効率的ですが、一応の制空権を確保したかのように見えても我が空軍の隙をついて敵軍の地上攻撃機が襲来してくることがある。我が方の制空権が不十分な場合はなおさらで、自衛のための対空砲(機銃)が必要です。これに機動力を与えたのが対空自走砲ですが、撃墜とまではいかなくても、低空を飛んだり急降下してくる地上攻撃機に被害を与えたり、そのパイロットに対し危険を感じさせ作戦を断念させるような効果があったわけです。対空自走砲の乗員の腕前よりも、いかに一定地域に集中動員させて濃密な弾幕を張ることができるかが戦果を左右するポイントでしょう。
ただ、第二次大戦から中東戦争までの例を見ると、空軍力が不足し制空権を確保できない場合、いかにたくさんの対空兵器を持っていたとしても戦局を逆転することはできないのが一般的です。
アリエフ
- ヨムキプル戦の際、開戦後48時間で濃密なSAM網とZSU-23-4を含む対空砲部隊が共同して50機以上の
IDF航空機を撃墜した、と言う事実がZSU-23-4の評価を高めており、また多くのIDF機がZSU-23-4によって
撃墜されたのも事実であり、対空戦車の有効性を指し示した実例と言えるのではないでしょうか。
大塚好古
- ↑しかし、その後のレバノン紛争(80年代初め)の頃になるとZSU23−4も含めソ連製の対空兵器は、イスラエル空軍にかなりやられてます。第4次中東戦争の戦訓で、イスラエル空軍がアメリカから最新装備を導入して対空兵器攻撃能力を強化したからでしょうけど。
アリエフ
- イスラエル機の ZSU-23 による意外な被害は、地対空ミサイルを恐れるあまり低空攻撃に徹しすぎた結果だと言われています。80年代になって ZSU による被害が減少したのは、対レーダーミサイルや電子戦機の充実で SAM の脅威を減少させることができ、火ぶすまの中へ飛び込む必要が減少したからではないでしょうか。湾岸においても ZSU を始めとする対空砲は依然として脅威であり、所詮の低空攻撃でトーネード等がかなりの被害を出したと記憶しています。
ささき
- ですねえ。ステルスだって、肉眼だけはだませないし。
ステルス機がもっと普及してきたら、低空侵攻戦術が廃れたりして。
勝井
- ステルスもそうですが、スタンドオフ兵器の発達が低空侵攻
を過去のものにしつつあるのではないでしょうか?
やばそうな所は、巡航ミサイル+ステルスでしょうし。
takukou
- スタンドオフ兵器が発展しても、対戦車ヘリコプターによる近接支援攻撃は廃れないだろうから、低空用の対空ミサイル、対空機銃はヘリを撃墜又は阻止することが主な役割になると思いますが。ところで、対空自走砲(ゲパルトなど)は対戦車ヘリ(AH−1など)に対し、どの程度有効だろうか?ヘリが地上すれすれに飛んでくるとグラウンド・クラッター現象により対空自走砲のレーダーが機能しにくいだろう、かといって、ヘリにしてもあちこちから撃ってくる対空砲火はかなりの脅威だろうし。
アリエフ
- そういや最近ゲパルトやうちの87式なんて機関砲タイプはヘリのミサイルにアウトレンジされるため、著しく価値が下がってるとか。
で、ミサイル混載タイプのツングースカとかが出てきたわけで。
ゲパルトもスティンガー併用できるように改造するとかしないとか。
87式もやりゃいいのに。
勝井
- ツングースカには疑問を感じていたのだが・・比較的値段の安く軽量な装輪式対空ミサイル車両と一緒に行動させればいいじゃないか。今までそうしてきたわけだし。しかし、ゲパルトまで対空ミサイルを積むというのは、ミサイルも使えるという方が一石二鳥だという発想でしょうかね。
アリエフ
- 確かに「一つのバスケットに盛る卵の数」は少ない方
が良いのでしょうが、対空砲/ミサイルを同一のプラ
ットフォームに載せるのは経済的かつ有効な感じもし
ますね。
ゲパルト車載スティンガーの方が歩兵携行のスティン
ガーよりも有効でしょうし。
takukou
- アリエフ大兄、どちらかというと、機関砲タイプの自衛・牽制用、って感じだと思いますよ。
とにかく、最近の対戦車ミサイルは機関砲の倍程度の射程を誇ってますから。
機関砲だけでは一方的に撃たれ、こいつをつぶしてから接近して戦車を仕留める、って図式ができあがってしまうのでは?
でも、機関砲にもメリットはありますよね。
ミサイルだと弾数が極端に制限されますし。
ともかく、ぼくは混載タイプに意義ありと感じます。
勝井
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