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143 2次大戦後半から登場したドイツの駆逐戦車ヘッツァーは、同時期のほかの駆逐戦車に比べ非力にも思えるのですが、対戦車用として有用だったしょうか。
TAKE

  1. ヘッツァーは傾斜した60mm装甲に75mm/48口径
    必要にして充分な性能を持っていますね

    特に陸戦で顕著なのですが
    相手に通用する最低性能(最低コスト)で最大多数を揃えることが
    コスト/パフォーマンスで最高になります
    その観点から考えると、中距離で重戦車以外の全てをノックアウト出来る火力
    運が良ければ最初のイッパツには耐えられる防御力を持ったヘッツァーは
    当時のドイツ軍にとって、最低性能で最大多数に合致したAFVだと判断できます

    SUDO

  2. ヘッツアーはあの武装、装甲がもうギリギリの限界で、小型で敏捷そうなイメージなのに戦場では低速かつ非力で、タイガーの方がよっぽど機動性に富む車両だったようです。非力なのも致し方ないでしょう。
    また、ヘッツアーは攻撃任務にも積極的に投入されていて、残された写真の中に対戦車銃を惑わす為の偽の観察窓を書き込んだ車両も確認できます。
    BUN

  3. 「ヘッツァー」ってドイツ軍戦車の中で「パンツァーファウスト」のようなもんだと
    思いますけど。
    この両兵器がなかったらドイツ軍の対戦車戦闘はもっと悲惨なものになったでしょう。
    性格的にはマルダーシリーズの後継車的な戦車?ですが「15トン級」である事さえ
    忘れなければ十分に威力のある駆逐戦車と言えます。

    佐藤利行

  4. 宮崎駿氏が「雑想ノート」で言及しているように、ヘッツァーとは「機動力と防御力を備えた対戦車砲」なのでしょうね。
    ささき

  5. 防御戦闘用の対戦車砲というより、攻撃用の野砲なのでは、と常々思っています。根拠は一般歩兵師団の唯一の装甲戦力として敵の突破に対して逆襲に使用されることが多かった点、また、それを裏付ける迷彩塗装。ヘッツァーは紛れもなく(代用だけれど)戦車として使われたというのが正しいように思います。
    BUN

  6. あの状況下では、動く物、火力のある物はなんでも使うと思います
    ただ、アレが戦車的な物なのかで考えると
    アルデンヌ攻勢のオーダー・オブ・バトルからも否定されると思います

    今は亡きTACTICS誌、1989年10月号に
    ラストギャンブルのOB表・各種AFVの保有台数が出ています
    この数値を信頼するならば
    戦車は装甲師団に、そしてヘッツァーは歩兵師団に装備され
    完全に住み分けされています
    つまり、戦車としては装備されていないのです
    戦車的に使われることがあった可能性は否定しませんが
    突撃砲のように装甲師団の戦車連隊に配備される事も無かったのです

    つまり、ヘッツァーは代用戦車では無かったのです

    またこの記事には
    独軍75mm対戦車砲は歩兵支援砲としての役割も兼ねる二重目的兵器であり
    十分な経験を積んでいることもあって
    その運用は巧みであり実効性を更に高めていたと有ります

    対戦車砲を歩兵支援の「野砲」として使うのは独軍の得意技であり
    ヘッツァーの運用は、まさに独軍的対戦車砲運用だと思います

    SUDO

  7. ヘッツアーはIII突の生産工場被爆の為に生まれた代用突撃砲で、名称も例によって、駆逐戦車から新突撃砲まで色々あります。また、III突とは異なり、機甲兵総監の下に管理された車両ですので「自走砲」では少なくとも、ありません(これだけでも戦車だと言いたいんですけど(笑))。さて、開発の目的はもう、明確に攻撃任務なのです。「駆逐戦車は特に敵の突破の際の反撃や歩兵の援護の為に投入されるべきもの」とされています。また、ヘッツアーの戦訓も攻撃時の運用を語ったものが殆どを占めます。更に、圧巻は第104戦車駆逐旅団で、ヘッツアー6個大隊からなる大駆逐戦車部隊を集中投入して敵機甲部隊を「攻撃」殲滅する目的で編成されています。御指摘の一般歩兵師団中心の配備も、ヘッツアーが量産され始めた頃にはIII突の生産も回復し、IV駆の生産も軌道に乗った為、代用III突、代用IV駆として歩兵師団に回されたに過ぎません。アルデンヌで国民擲団兵師団に配置されたヘッツアーも、東部戦線で群をなしてスターリン戦車に突撃するヘッツアーもどれも頼りになる「攻撃兵器」であって対戦車砲の域は超えた存在です。旋回砲塔が無くとも、こうして運用される装甲車両は、「戦車」と呼ばれるのが適当でしょう。もう一度ヘッツアーの姿をよく見て戴きたい。敵の歩兵の近接攻撃や対戦車ライフル対策、一発食らうことを考慮した設計、攻撃兵器そのもではありませんか。
    BUN

  8. そっか
    >「駆逐戦車は特に敵の突破の際の反撃や歩兵の援護の為に投入されるべきもの」
    これを攻撃なのか防衛的リアクションと見るかが違ったんですね(^^;;

    ワタシはこれは防御行動の一種だと思ってるので
    攻撃兵器なのかどうかで大きく対立したんですが、そっか、そーだったのか
    なんか納得(^^;;

    くすぶり続けていた突撃砲論争に決着か(笑)

    SUDO

  9. 本屋で自走砲の本を立ち読みしてヘッツアーの項を読んだら、こいつの元になった
    ヒトラーの要求が、
    「重量13トンを上限に装甲は薄くて良い、最高速度60kmで走れる軽駆逐戦車」
    って書いてありました。
    これがホントならヒトラーが思い描いたのは待ち伏せ攻撃的な駆逐戦車よりも、
    快速を武器にマルダーなんかよりもずっと積極的に戦場を走り回れる、軽快で
    攻撃的な駆逐戦車だったのかもしれません(攻勢防御や機動防御的な考えか)

    ただ実物は小さい車体に75mmPAKを無理矢理押し込んだので砲が右側にオフセット
    し、右の足周りに左より余計に900kg近い荷重がかかったり、重心が前寄りで前部
    が10cm沈み込んだり、整った形態の割には余りバランスのいい車両ではなかった様
    に書いてあります(出力重量比も10そこそこだし)

    量産性が高く小型軽量で高火力なのはともかくも機動性の面では「快速軽駆逐戦車」
    の目論見は失敗した様に思います。

    佐藤利行


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