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2477 日本海軍艦艇の電源に関してご教示下さい。
朝潮型、夕雲型に関しては模型キットの説明書等にて「交流電源を使用した」旨が記されています。これらの型が竣工した時期は開戦を控え(また開戦以降)、各艦の装備品の共通化がより促進されても良いようなものなんですが・・・

1.この時期に電源の根本的な変更をしたのはなぜでしょうか?
 (特型と甲型は見た目は似ているが内部電装品は全くの別物で互換性皆無!?)
2.また、他艦種の新造艦も交流化が行われたのでしょうか?
3.艦艇における直流電源と交流電源のそれぞれの利点、欠点は何なんでしょうか?(現在の一般家庭や事業所のコンセント(AC100V、200Vとか)と、車のバッテリー等(DC12V、24Vとか)の違いそのものなんでしょうが・・・。)

http://www.warbirds.jp/ansq/2/B2000476.html

過去ログとしては上記が参考になりそうなんですが、朝潮型、夕雲型の電源と、他艦のそれに関しては分からずじまいです。
直流電源艦と交流電源艦が混在して艦隊行動を組む際、大破漂流などして救援の際など誠に不便そうな印象がするのです。
素人モデラー

  1. 記憶モードなので間違いがあったら申し訳ないです。
    1.電気関係の重量を軽減するのが目的。
    2.交流化実験は工作艦「明石」及び駆逐艦「朝潮」型でなされた後、本格的に導入された模様。
    3.AC/DCの特性は何かの教科書を見て頂くとして、装備品の特性では、電気関係装備の重量を除く性能面への言及はなかったように思います。
    この辺は造船技術概要に大まかにまとまっているはずです(詳細はありません)。

    なお互換性の問題ですが機械が直流用・交流用かで型番自体が分かれていたはずです。
    救援の件ですが、電線を直接つなぐとか、ポータブルな電装品を持ち込んで機能回復ということはあまりないように思います。
    大破漂流というとこまで壊れたら、取り敢えずハルが沈まないようにして、後は引っ張ってお持ち帰りという方法が賢明ではないかと。

    捨猫

  2. >艦艇における直流電源と交流電源のそれぞれの利点、欠点…
     同時期の民間船の話になりますが、

    ・直流電源の利点
    1)艤装品、特にデリック等の運用では直流方式の方がスムースに操作できる

    ・交流電源の利点
    1)停泊時に陸上より電源供給を受ける事で、機関科の負担が軽減される
    2)直流式に比して、交流式の方が重量、容積の面で軽減される
    3)舶用専門品以外からの調達が期待でき、建造費削減が期待できる

    の比較がなされていたように記憶しています。少なくとも電気製品の質がこなされてきた時期ですので、デリック等も交流式でも十分な操作性能を出しうると認識された結果、あえて直流式に拘る必要性がなくなったのが背景にあると思われます。
    仮止めボルト

  3. 艦艇に限定した話ではなく、一般的な話ですが……

    交流はトランスで簡単に電圧を変換できます。
    電圧を高くすると送電ロスを抑えることができるので、高電圧で送電し、末端で必要な電圧に変換することができます。
    直流の電圧変換(特に昇圧)は困難なので、発電機から離れるほど電圧が低下することになります。
    (降圧は抵抗を噛ましてやればいいので簡単と言えば簡単ですが、単なる電力の無駄遣い)

    また、交流発電機の方が構造的にも(特に回転エネルギーを変換する場合には)シンプルです。
    (交流発電機は非接触だが直流発電機はコイルが回転するので接点ブラシが必要)

    従って直流発電機そのものにはあまりメリットはありません。

    ただ機器や装置で直流を必要とする場合があります。(バッテリーをつなぐ場合など)
    交流を直流にするには整流器が必要になります。

    この整流器が難物で、現在のように半導体を用いた整流器がない時代にはガラス管に水銀を封入したものなどを整流器として使っていましたが、振動で割れたり予熱が必要だったりと扱いにくい代物でした。

    しかし、大元の発電機で直流を発生してやればそのような整流器は不要になります。
    PT

  4. 艦艇の交流化は、昭和12年計画の駆逐艦で交流220Vを、次いで昭和14年に明石が交流440Vを採用します。最終的に大型艦は交流440Vに統一されるのですが、制式になるのは昭和17年ですから、交流電源を採用した大型艦は決して多くはないです。主なところで大鳳、飛鷹型。阿賀野型、大淀あたりでしょうか。

    交流化のメリットは既に述べられている通り小型化が最大で、440Vの採用もそれに沿ったものです。ついでに、価格も交流が安く、発電機の重量当たり単価は
    ディーゼル発電機
    直流:6.3〜9.4円/s
    交流:5.3〜8.3円/s
    タービン発電機
    直流:9.7〜12.0円/s
    交流:7.6〜11.2円/s
    程度であったようで。駆逐艦の場合、電気関係の重量は25%削減され、電動機の価格は半減したということです。

    >直流電源艦と交流電源艦が混在して艦隊行動を組む際、大破漂流などして救援の際など誠に不便そうな印象がするのです。
    それよりも、乗組員の交流化に対する教育が徹底せず、交流艦を避けたがるムードがあったのが問題だったようです。
    tackow

  5. 皆様ご回答ありがとうございます。
    交流化導入による利点は容積が限られた艦艇の事(特に小型艦艇)、小型軽量化が大きそうですね。仮止めボルト様の両者の利点の話も大変参考になりました。直流方式の方が艤装品の運用がスムーズというのには驚きましたが。

    PT様の「一般的な話」といえど直流/交流の利点、欠点をご説明いただきありがとうございます。発電所で発電し、高圧線を経て変電所(変圧器)で変圧して家庭に送るあのシステムの事ですね。

    >直流発電機はコイルが回転するので接点ブラシが必要

    電池で動くオモチャ用モーターを逆方式で使う(モーターの軸を回すと+、−線に繋がった豆電球が点く)原理ですね。
    素人モデラー


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