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主砲の「自分自身の攻撃にも耐えられる」っていう防御基準は、何を根拠としているのでしょうか? 例えば、敵(というか、世界の)の戦艦の技術動向を見て、それに基づいて将来の脅威を推定してこれくらいまで耐えられるようにしようとかいうのであれば分かるのですが、なぜ当たるはずの無い自分の攻撃力が基準なんでしょうか? どうも |
- 仮想敵国が、将来どのような戦艦を作るかは分かりませんので、自分の国が作れるのと同じ程度の戦艦を作ると考え、その相手の戦艦と戦うにはどうすれば良いかと考えます。歴史を見ると、それで正しいようです。
仮に、自国は16インチ砲戦艦を作れるが、他国は将来に渡って12インチ砲戦艦しか作れないという確証があれば別ですが、どのような場合にそのような確証が有り得ますか?
おやじ
- 主砲の防御力って何を言いたいんだかよくわからんのですが、とりあえず戦艦
の防御力の話なんだなと翻訳させて頂いた上でお話を進めさせて頂きます。
>一般論で
まず、自分が装備する攻撃の為の手段としての主砲は世界の技術動向を見て可
能な限り大威力の物を選ぶのが一般的ですね、これはその時代や条約等によって
制限がかかる事もあるのですが、ここで例に出すのは一般論ですのでそれは無視
して話を進めます。
となりますと、建造時で可能な最大限の攻撃力を考え、それを選択すると言う
ことは将来の技術動向をも睨んだ選択だと言う事になります。
で、その選択が正しいのであれば、「建造時」で想定されうるその戦艦が受け
る最大の攻撃は自分の攻撃乃至は同等の能力を持つ艦の攻撃と言う事になり、自
然と基準を自分の攻撃を防ぎ得る防御にしておけば仮想敵の攻撃に耐えうる事が
出来る訳です。
ooi
- なるほど。
例えば、日本の造船技術に明らかな遅れが出ていて、他国の戦艦の攻撃力を追い越せないで常に後追いしている状況であれば、自分自身の攻撃力以上に対抗する防御力を求め、逆にものすごく進んでいて他国は1世代遅れたものしか作れないのであれば、それなりの防御力しか求めないということになりうるだろうということでよろしいでしょうか?
そのとき自分自身の攻撃力が基準になったのは、お互い微妙に張り合っていた時期だったから出てきた数値と言うことですね?
どうも
- >日本の造船技術に明らかな遅れが出ていて、他国の戦艦の攻撃力を追い越せないで常に後追いしている状況であれば、自分自身の攻撃力以上に対抗する防御力を求め、
多分そう言う事になるかと思います、ほかにも選択肢は色々考えられますが。
>逆にものすごく進んでいて他国は1世代遅れたものしか作れないのであれば、それなりの防御力しか求めないということになりうるだろうということでよろしいでしょうか?
そう言う選択肢も有りだと思いますが、その場合やはり自分の攻撃力に合わせ
た防御を検討するのが普通だと思われます、だって、そうしておけば仮想敵国に
完全に優越した装備をそろえる事が出来るのは、子供でもわかる道理です。
それが可能であるならば、そうして置けば平時でも戦時でも色々な点で有利に
なる訳ですから。
>そのとき自分自身の攻撃力が基準になったのは、お互い微妙に張り合っていた時期だったから出てきた数値と言うことですね?
いいえ。
上でも書いた通り相手の方が攻撃力が上なら、それに対応する防御力を得よう
とする可能性はあるでしょう、しかし、自分の攻撃力が仮想敵国と同等乃至は優
越しているのであれば、それを防ぎうるだけの防御力を持つ事=相手ではなく自
分の攻撃力を防御の基準とする事は全然おかしな話ではありません。
微妙に張り合っているから出てきた数値って訳じゃないんです。
>こっからは余談
ただ、防御力ってのは受けうる攻撃だけを考えて検討される訳じゃなくて、そ
の排水量中で兵装や機関その他の重量とトレードオフして検討されるものですか
ら、必ずしもその原則が当てはまるとは限らないんですが、その場合でもよく検
討してみれば可能な限り原則に沿っているのはわかるかと思います。
ooi
- まず「自己の火力に応じた防御力」は目安であり理想論で、必ずしもソレを付与しては居ないという事を理解しておいてください。
単に原則論として「新造戦艦は最強の火力を持つものである」というのがあり、その火力プラットフォームを戦場で維持するに足るだけの防御性能が当然として要求される。この防御性能は不用に大きいのは許されない(何故なら戦艦の存在意義は火力で、防御に回すリソースは極論すれば無駄)
よって、防御力を何処まで付与するかは「自己の火力に耐える程度」を目処とするという事になるのです(これは自己の火力が近い将来に於ける最強級火力であり、それを上回る何か出てくるようなら、その戦艦の戦術的な意義は大きく損なわれるであろうから考えておく必要は特に無い)
またこの理想的上限を超えるような防御性能を与える可能性は極めて限られてきます。理由は防御力は限られた条件でしか発揮できないからです(大和だって10km前後まで接近されたり35km以遠で交戦したら大概の超弩級戦艦に貫かれます)
予想される敵艦が強大であるならば、火砲の多数搭載や多数の戦艦建造で対抗するべきであり、防御力では対抗できないのです。
そして、防御力より火力を追求するのは戦艦の存在意義が火力である以上当然です。火力と防御のどちらにリソースを費やすかとなったら、火力になります。
SUDO
- 既に諸氏が回答されていることを表現を変えて述べるだけなんですが・・・
自分自身の攻撃力以上の防御力を備えた戦艦というものに使い道があるかどうかを考えてみましょう。
・自分自身の攻撃力以上の防御力を備えた戦艦がある。
・戦う相手は自分以上の攻撃力を持つ敵戦艦である。
・その敵戦艦自身は自らの攻撃力に耐えられる防御力を持っている。
・つまり自分の攻撃力ではその戦艦に歯が立たない。
・そんな戦艦は作るだけ無駄。
・よって防御力は自分自身の攻撃力に耐えられればよい。
こういうことではないでしょうか?
TETSU29
- 便乗ですが。
大和も自分自身の攻撃に耐えられるよう設計されていますが、
当時の敵国であるアメリカはパナマ運河のため40cm以上の砲は搭載できません
なのになぜ46cmの攻撃に耐えられるよう設計されたのでしょうか
そこまでの防御はいらないのでは?と思いまして
p
- アメリカが40cm以上の砲を搭載していないのはパナマのためではなく、条約のためです。
パナマを通過できる設計でも46cm砲の搭載が可能なことは試算により確かめられています(低速などのデメリットは生じますが)。
政治的な制限は政治的な決断により、いつでも外すことができます。
勝井
- >7
2や4でも書いたのですけど、読んでもわからなかったと言う事ですか。
まず、一般論でいうならば
>建造時で可能な最大限の攻撃力を考え、それを選択すると言う
>ことは将来の技術動向をも睨んだ選択だと言う事になります。
という訳で大和は46cm砲を装備した訳です。
> で、その選択が正しいのであれば、「建造時」で想定されうるその戦艦が受け
>る最大の攻撃は自分の攻撃乃至は同等の能力を持つ艦の攻撃と言う事になり、自
>然と基準を自分の攻撃を防ぎ得る防御にしておけば仮想敵の攻撃に耐えうる事が
>出来る訳です。
という訳で自艦の攻撃に対応する防御を備えた訳です。
あの当時、技術的に46cm乃至はそれに相当する攻撃力の砲を備えた戦艦の
建造は乱暴に言っちゃえば難しくなかった訳です、アメリカも建造を検討しまし
たし、他所の国が作る可能性もあった訳です、まあ実際にはいろんなハードルが
あって出来なかった訳ですが、日本が出来るなら他所の国が作っても全然おかし
くない訳です。
で、他の国が46cm砲搭載艦を建造しても大和はそれに対抗可能です。
しかし、貴方の仰るように建造当時は過剰防御能力だと判断して、そうですね、
対40cm防御で我慢したとしましょう、相手が46cm砲艦を就役させた瞬間
に大和は陳腐化してしまう訳です、相手と正面から殴りあった場合、かなり高い
確立で損害を被ることは確実ですよね、それこそ例えば予算の無駄遣いになるの
ではないでしょうか。
また、勝井さんも書いていますが、パナマ運河は別に戦艦の主砲の搭載に決定
的な影響を及ぼす訳ではありません、必要ならより大型で大口径の砲を搭載した
戦艦を建造して西海岸に配備してしまえばいいだけの事ですし、時間を多少かけ
ていいなら南アメリカ周りで回航するだけの事です。
ooi
- みなさん長文にもかかわらずありがとうございます。
納得できました。またよろしくお願いします。
どうも
- すでに納得されているようなので蛇足ですが。
当初のご質問の思想は俗説であり、特別な設計基準ではなかったと考えます。
(攻撃側は守備側の3倍の武力が必要というような)
英のキングジョージV級、独のビスマルク級は自分の主砲より大きな主砲を持った相手との戦闘を想定していますし。
要は走攻守のバランスでしょう。
キック