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旧帝国海軍の巡洋艦の両用砲の揚弾筒は、通常弾用と対航空機用弾が別々の筒になっている資料を見ました。同一口径の弾にも係わらずなぜ別になっているのでしょうか?。装填機構も別に設けられていますか?。対航空機用弾のそれは砲塔内の相当前の方に開口部があるようですが、砲尾までわざわざ弾を運ぶのでしょうか?。それと関連質問ですが、高仰角にセットするには砲塔の床が相当えぐれていないと仰角を得られないと思うのですが、砲塔内の砲員がそのえぐれた部分に落ちて這い上がれないといった事故が発生しないのでしょうか?。落ちないように手摺でも有るのでしょうか?。くだらない質問ですが、夜も眠れません。 johnny |
- (1)揚弾筒を分けたのは、対空用としての時限信管調定のためでは無いかと思いますが、確証はありません。
(2)固定装填なので装填機構は一つのみです。
(3)左右砲身の中間にある対空戦用砲弾揚弾筒で砲塔内部に上げられた対空戦闘用砲弾は、その後方にある予備弾を置く場所に運ばれます。
(4)映画の「ビスマルク号を撃沈せよ」での主砲弾装填シーンを見て戴くと良く分かるのですが、砲身が俯仰する部分のみ砲塔部の床に開口部が開いてますので、俯仰用の空間に人が落ちるようなことはありません。
あと蛇足ながら、日本の重巡で対空戦用砲弾揚弾筒を持っているのは恐らく摩耶を除く高雄型3隻のみで、同じE型系列の砲塔を持つ艦でも、摩耶のE1型や最上型及び利根型が搭載したE2型(だっけ?)については、これは装備されていない模様です。
大塚好古
- 質問者です。解答有難うございました。確かにご指摘のとおりE型砲塔です。私の見た資料はメカニカル図鑑「日本の巡洋艦」ですが、装填装置から離れた揚弾筒からわざわざ弾薬を運ぶのも大変だろうから、何故近くに有る通常弾用揚弾筒を使用しないのだろうか?というのが疑問点です。何しろ金剛の副砲弾でも手に余るものを20サンチだと大変だろうと思ったからです。でも同誌の砲塔断面図には天井のチェ−ンホイストで弾丸を吊り上げでいる図が有るので、人力で運ぶのではなさそうである事がわかりました。何れにしても能率は相当に低いのではないかと思われ、本気では無い様に感じます。それと床のえぐれの件ですが、駐退機のストロ−ク分は余分な穴があいている訳ですし、同誌の断面図では、穴の深さが砲塔の天井高以上なので、最低でも深さ2m位は有りそうで、ぞっとした次第です。
johnny
- >2
実は日本重巡の場合は良く知らないんですが(汗)、米独式の装薬分離揚弾式砲塔の場合、装填時には開口部の位置に砲尾の下部にある台や装填用トレイが置かれる形になり、結果的に床の隙間の位置が塞がれるようになるので、特にそういった問題は生じないはずなんですけどね。
とはいえ装填後射撃に備えて仰角を掛けているときに砲尾後方に回るという自殺行為をすれば話は別で、その場合は間違いなく下に落ちると思いますけど。まあ通常はそういう事故を起こさないようにするため、大口径砲の場合は英式・米独式砲塔問わず、装填後は砲員は落ちないように脇の位置に動きます。
大塚好古