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日本海軍の軍艦の速力について、もしよろしければ教えてください。 (1)「指揮官たちの太平洋戦争」(光人社NF文庫)の340ページに「軽巡洋艦 「大淀」の速力は公称35ノット。実際には39.5ノットを出した」という記述 があります。公試などで、そんな好成績が上がっていたのでしょうか。 (2)「戦艦重巡の死闘」(豊田 穣著/講談社)の11ページに「戦艦金剛は、 公称の基準排水量32,000トンだが、バルジを付けたため、実際には40,000 トンある。このバルジがなければ、速力がもう3ノット増えた」という 記述があるのですが、本当でしょうか? 長門型は基準で45,000トンと いう記述もあり、疑問を感じました。発言主は井上順一中尉(砲術士/ 六十四期生)で、時期は昭和十四年秋。著者が海軍兵学校四年生のさいに、 呉の金剛を卒業教育の一環として、見学したさいの話とのことです。 google検索などで調べたのですが、上記の根拠が調べられませんでした。 お暇な時で結構ですので、根拠等、よろしければ教えてください。 高村 駿明 |
- (1)大淀の速力成績
排水量 出力 速力
9800t 11万0000hp 35.00kn
1万0381t 11万0430hp 35.19kn
1万0302t 11万5950hp 35.31kn
上段が計画値、中段が10/10全力公試、下段が10.5/10全力公試の成績です
なお、大淀は完成するに至って重量が超過し、公試排水量が9980tになったといわれています
ご参考までに
セミララ
- (2)
根拠も何も、そういう数字は、得てして、基準と公試と常備と満載がごちゃになってます。
恐らく調べてもまともな物は出てこないでしょう。
SUDO
- ちなみに金剛は
・新造時
基準で約26,000 27.5ノット
・第一次改装(バルジ装着、防御強化)
基準で約29,000 26ノット
・第二次改装(機関交換 艦尾延長)
基準で約32,000 30ノット
バルジは鉄板で作ったドンガラで「浮き」ですので、それによる重量増加は、殆ど無視して良いモノです。
バルジで重たくなったのではなく、重たくなったのでバルジをつけて浮かせてるのです。
SUDO
- >2
基準排水量に含まれない中で最大の重量要素、燃料を足してみましょう。
数字は手元にあった本から引いてきたものです(細かい端数は省略
金剛(第二次改装後)基準約32,000 プラス燃料約6,500
長門(近代化改装後)基準約39,000 プラス燃料約5,800
数字を足してみたところ概ね問題の数値に近似しますので、上記発言は
やはり計測状況の状態について説明不十分なのではないかと思います。
烈風天駆
- 失礼。上の>2は(2)の間違いです。
烈風天駆
- 長年の疑問が氷解しました。やはり戦記読み物の記述は、不正確なものも含まれているのですね。教えて頂き、ありがとうございました。
高村 駿明