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初めて質問させていただきます。質問内容としてはくだらないものなのかもしれませんが・・。 とある海戦ネットゲームをやっていまして疑問に思ったのですが、第二次世界大戦当時のフリゲート艦や駆逐艦で最上級巡洋艦や、戦艦金剛、伊勢、扶桑、アラスカ、ペンシルバニア、プロジェクト艦、ネルソンなどの大型艦を沈められるのかというものです。 魚雷などが当たれば戦艦と言えども危険なのはわかるのですが、問題としましては現実として主砲のみで戦艦や重巡洋艦級に駆逐艦やフリゲートが太刀打ちできるのかと言う事です。 3〜7インチの砲では徹甲弾でも戦艦の装甲は貫徹できないと思うのですが実際のところは如何なのでしょうか?(榴弾などは問題外のような気がしますし) 併せて、戦艦クラスの装甲を貫こうとするのならば、おおかた何インチ砲から可能性が出てくるのでしょうか? 下らない質問かもしれませんが宜しくお願いいたします。 楚々 |
- 「続・艦船メカニズム」グランプリ出版 森恒英 著
によりますと3000t級の艦船を5インチ砲で撃沈するには10発以上の有効命中弾が必要と言われているそうです。
これを単純に高雄型(公称10000t)と陽炎型(2000t)に当てはめて考えると以下の通りになります。
帝国海軍の3年式127mm砲の弾量は23.5kgなので、まぁ、命中弾の合計がだいたい240kgくらいになると撃沈できると言い換えることが出来ます。これを2000tの陽炎型駆逐艦に単純に当てはめると約160kgの命中弾で撃沈されると言う話になり、装甲の話を無視して10000tの重巡に当てはめると約800kgの命中弾がほしいと言うことになります。
さて、高雄型重巡の単位時間当たりの投射量は約3800〜6300kg/分、陽炎型駆逐艦の投射量は約1400kg/分。約2.7〜4.5倍の投射能力の差があることになります。
以上のことを命中率が同じだとして、単純な積算の比としますと、陽炎型が高雄型を沈める能力の13.6〜22.5倍、高雄型が陽炎型を撃沈する能力があるという計算になります(うわ、こんなに違ってくるのか)。
実際には、ランチェスターの法則やら装甲の問題やら、色々とありますので、この数値を鵜呑みにするわけには行きませんが、駆逐艦が戦艦やら重巡やらと砲戦のみで喧嘩するのは勇気ではなく、無謀と表すべきものであると理解すべきでしょう。
WC-Co
- 戦艦が対応防御という思想で設計されているのはご存じかと思います。
思い切り端折っていうと、つまり、戦艦は自己の主砲弾に耐えるよう設計されています。
つまり、その戦艦の主要部装甲を砲撃により貫徹するとすれば、その戦艦の主砲より強力な砲を以て攻撃する必要があります。
もちろん、設計上想定した距離の範囲内で、ですが(2万m〜3万mとか)。
桜華雷帝
- 金剛型高速戦艦の舷側装甲は思いっきり接近すれば(5000mぐらい)重巡洋艦の8インチ砲で貫徹可能だそうです。
きっど
- >1
乱暴な言い方をすると、廃艦所要弾数は、対象艦の排水量の二乗根に比例し、砲弾重量の二乗根に反比例します。
正確には炸薬量や破壊プロセスも考慮すべきですが、一応そういう感じです。
SUDO
- フォロー有り難うございます。
すると陽炎型は3〜4発の8インチ砲弾で沈んで、高雄型は18発の5in砲弾で沈むという、とっても乱暴な計算が成り立つわけですね?単位時間当たりの弾数は陽炎型の方が2倍程度多いわけだから・・・意外と善戦できそうですね。
WC-Co
- >5
廃艦所要弾数から抜粋
駆逐艦:20糎弾8〜14発(距離・弾種で相違)で廃艦
重巡洋艦:12.7糎弾48発で廃艦
ちなみに命中速度は駆逐艦と重巡で、殆ど変わりません。
SUDO
- 皆様 ありがとうございます。
基本的に駆逐艦で巡洋艦とやり合うにはまだしも、フリゲートでは戦艦や重巡クラスに立ち向かうのは無謀の類に入る。と言う風に受け取りましたが間違っていませんでしょうか?
もっと詳しく知りたいので、宜しければ、引き続き回答やご教授お願いいたします。
主旨ズレな話ですが、最初の書き込みに書いたネットゲーでは戦艦や巡洋艦が容易く下位の艦種(フリゲートなど)にダメージを与えられて沈められてしまうという状況がまかり通っておりまして、史実ならば如何なのだろうと思って質問した次第です。
改めて、ご回答有り難うございました。
楚々草
- SUDO様、フォローに次ぐフォロー有り難うございます。
WC-Co
- 第二次大戦初頭、ノルウェーのフィヨルドでイギリスの老朽戦艦『ウオースパイト』が9隻のドイツ駆逐艦、1隻の潜水艦の全艦を文字通り蹴散らして全滅させてしまっています。まあこれは周りを電気鉄条網で囲ったリングでボブサップが素人を痛めつけているようなものかもしれませんが。
SHI
- 廃艦所要弾数はそれで撃沈できるという数ではなく、それで再起不能にできるはずだという数です。
沈められなくとも、修理がひきあわない程度、ないし海戦に勝たなければとても港へ持って帰れない程度に破壊するにはそのくらいが必要だという数ですね。
よほど相手にも損害を与えているか、相手が別の仕事をしなければならない状況にない限り、その海戦に負けてしまえば大破した艦は失われます。
まなかじ
- 質題者のいうプロジェクト艦とはどのような艦なのですか?
セミララ
- Mプロジェクト(軽巡洋艦)砲兵装は、6"三連装4基程度。
Oプロジェクト(巡洋戦艦)砲兵装は、11"三連装or15"連装3基程度。
Pプロジェクト(装甲艦)砲兵装は、11"三連装2基程度。
と称するドイツ艦(計画艦?)が、ゲーム上実装されています。
ドイツ艦は他に、Z級駆逐艦、ケーニヒスベルク級、ドイッチェラント級、アドミラルヒッパー級、シャルンホルスト級でもプレイ出来ます。
あのビスマルク級や、Hプロジェクト(戦艦)も今後登場予定。
シミュレーション性は皆無で、内容は相当歪んでます。
例えば、質題者が気にかけているように、装甲の効果が極過小に設定されています。
Kプロジェクト
- > #12 Kプロジェクトさん
どうもありがとうございました
それにしても、ひどいゲームだこと
セミララ
- (またゴミですが)
ああ、以前やってました。まだベータテスト中のあれですよね。
Mプロジェクトまで来て力尽きました。
しかしあのゲーム、以前は巡洋艦の主砲弾数千発に耐えられる超重装甲の空母とかが作れたんですよ。
装甲のバランス調整をしたら今度は意味がないほど弱くなったというわけです。
有精卵
- 件のゲーム(韓国製)、知ってる方居られましたか・・。
仰る通りです。
上で桜華雷帝さんが仰ってる「対応防御」戦艦は自己の主砲弾に耐えれるように設計されている。
これがそのゲームでは無視されているような気がします。
シャルンホルストの主砲で最大射程射撃で伊勢、扶桑、アラスカ等が一撃で即死なんてのもザラです。一発当たっても最大射程砲撃ならあまり装甲貫徹とかはありえないと思うのですが普通にダメージ食らわされてます。
(戦艦にあるまじき高密度集弾・・駆逐艦の大きさよりも纏まる戦艦主砲着弾域って一体・・・)主砲弾約9〜12発が1箇所にほぼ固まるのです・・・(汗
普通、最大射程で戦艦の主砲弾がほぼ一点に集るなんてありませんよね?
そんなこんなで詳しい事知りたかったのです。
SHIさんが仰られるエピソードが普通かと・・・あのゲームで同じ状況なら戦艦の方がボコボコにされてしまいます・・。
楚々草
- >15
>シャルンホルストの主砲で最大射程射撃で伊勢、扶桑、アラスカ等が一撃で即死なんてのもザラです。
最大射程だったら抜けると思いますよ。
またノルウェーのウォースパイトですが、分散した独駆逐艦を、複数の味方駆逐艦と共に(航空機の偵察と誘導も受けて)集中射撃で一隻ずつ刈り取っていったという事を考えると、必ずしも典型事例とはいえないでしょう。
SUDO
- ありゃ・・・スンマセン・・無知晒してしまいました・・(汗
最大射程で抜けますか・・・。
う〜む・・・でも、一回の射撃で最大射程ほぼ1箇所至近範囲で全弾命中なんて事はないですよね?かなりバラけると言うイメージがあるんですが。
楚々草
- >17
ほぼ最大射程で6門が遠近66mで着弾したという記録を見た事が有ります(昭和15年の伊勢だったと思う)
砲弾は命中界等から導き出される「有効帯」範囲に落ちれば命中の可能性があり、そしてこの範囲は目標サイズよりもかなり大きいものになります。
(直撃する第一有効帯と、構造物等に引っかかったり弾片等で被害を与える可能性のある第二有効帯の二種がある)
例えば、91式徹甲弾以前の日本軍の見積もりでは、大口径砲の遠距離射撃で
第一有効帯:目標前方10m、後方40m
第二有効帯:後方40〜60mとされてます。
勿論目標サイズ等で可変する数字ですが、例えば伊勢や陸奥が出した60とか70mの散布界は、駆逐艦と言えどもほぼ全弾が有効範囲となります。
実際にはこんな散布界じゃ平均測距誤差等を考えると、夾叉まで持ってくのが大変で、命中を出すまでに無駄弾・時間を費やしかねませんが、可能性としては全弾命中も出ないとは言い切れないかもしれないと思えなくも無いかもしれません(勿論、普通はまず絶対にない)
SUDO
- 海戦の勝敗と言う事で考えて見ますと、所謂、弾道学的見解だけでは、
不十分に思います。つまり、戦艦と駆逐艦とでは、持っている光学照準機器
の性能にかなりの開きがあります。当たり前の事ですが、戦艦と駆逐艦とでは、担当の目的が違うからです。
戦艦は、その主砲の威力、射程が勝っているだけでなく、敵艦の捕捉能力が
勝っています。しかし、より近海となると打てないケースも生じます。
逆に駆逐艦は、戦艦より相対的に近海範囲での小型艦船が主たる捕捉物である為、光学機器もそれに見合った物となっています。
いざ、双方共、水平線上に敵艦ミユと、肉眼で捕らえ合っても、
駆逐艦のほうはしばらくは、集中砲火に見舞われる結果と成りましょう。
更に、駆逐艦は、それでも射程内に入り込むか、退避行動を採るか?
決断にせまられ、艦長の力量にも左右されましょう。
話はそれますが、以上の観点から海戦の結果そのものも、昼と夕方、晴れと雨天、艦船の塗装の状況でも変わってくる事、言うまでも有りませんけどね。
数値化した具体例を欠く点、御海容の程、、、
マサ