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こちらで時々勉強させてもらっているものです。 もしかしたら既出かもしれませんが教えてください。 1.艦砲(特に日米駆逐艦のもの)の砲塔込みの重量などを一覧できる資料を探しております。(できれば)ネットでよいところはないでしょうか。 2.両用砲とは、「対水上、対空」用に使える砲と理解していますが、射撃統制装置も「対水上、対空」両方が備えられているモノとみてよいのでしょうか。 3.ファラガット級以降の米駆逐艦は、ほとんどがはじめから両用砲を装備していますが、当時から「対空戦が大きな仕事になる」と認識して、両用砲を装備したのでしょうか。 3点もいっぺんにすみませんがよろしくお願いします。 まつかぜ |
- はじめまして酔鏡といいます。初めてでいきなり質問質問に答えさせていただくので、いろいろ至らない点があるかもしれませんがご容赦ください。
>1
通常のミリタリー関係の本(サイト)では見たことがありません。ただ、船舶の設計という観点では非常に重要なデータですので、設計関係の技術資料から当たると見つけられる可能性はあるかもしれません。
>2
両用法に関してはその理解でいいと思います。ただ、厳密に言った両用砲は「高迎角でも射撃できる平射砲」程度のものでしかありません。射撃指揮装置が「対水上、対空」でない場合もあります。基本的にスペックによる分類上の名前でしかないと思います(日本軍の場合だと射撃指揮装置に関係なく打てるようですし)。
>3
日本海軍も特型の途中から両用砲(射撃指揮装置はありませんが)にしています。非装甲の輸送船、駆逐艦にとっては航空機はこのころすでにある程度の脅威であったと考えられますし、戦艦にとっても偵察機は鬱陶しいし、下手に雷撃でもうければ艦隊から脱落する原因ともなりかねないので、「ついでに」航空機を追い払えるようにしたのだと思います。
酔鏡
- 1.
http://www.warships1.com/default.htm
2.
両用とは米軍のデュアル・パーパスの直訳で、戦艦の副砲と高角砲の双方の機能任務を果たすものを言います。
よって、米戦艦の副砲、およびそれに準じたもの以外は「高角砲」と呼ぶべきでしょう。
高角砲は高い仰角で射撃できる大砲ですので、乱暴な事を言えば対空射撃指揮装置の有無は問題になりません。
勿論高い仰角は対空射撃用ですが、初期の高角砲は水上射撃用のシステムを流用していますから、射撃指揮装置は絶対的な条件ではありません。
3.
駆逐艦の基本任務は主力艦護衛ですので、ごく当然の流れと思います。
SUDO
- 以上の回答に追加だけ。
>ファラガット級の主砲選定
ファラガット級の5in/38装備は多少経緯が複雑です。当初の計画では5in/51LAと5in/25AAの混載を予定してましたが、ロンドン条約の結果駆逐艦の排水量制限がより厳しくなったため、新たに計画された1,500トン型では5in/51LAと5in/25AAの混載の場合重量の問題から必要な兵装を搭載できない事が明確になります。この結果主砲門数を確保するため5in/25AAで主砲を統一することとされましたが、同砲は駆逐艦用の主砲としてみた場合、水平射撃時の射程等に問題があると考えられたため、軽量で5in/25AAと同数の門数が搭載可能な5in/38DPを開発の上搭載することとなったものです。
>2の(3)
駆逐艦用の5in/38は公式書類でもDPと言ってますから、最初から平射と高角射撃の両者を要求された場合は戦艦用でなくてもDPと表記する場合があるようです(まあ駆逐艦用で水平・高角両用が要求されても、初期だと5in/38AAという表記があるから、時期によって変わるのかも)。
大塚好古
- 質問者です。酔鏡さん、SUDOさん、御回答ありがとうございました。日本駆逐艦の主砲は、まさに高仰角で「使えないこともない」モノだと認識してましたので、駆逐艦の防空任務について日米での思想の違いがあったのかな、と当惑してたのです。
まつかぜ
- お礼を書いている内に大塚さんの御回答もいただいておりました。大変に参考になります。ありがとうございます。
まつかぜ