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2267 日本の空母はどれくらいの魚雷や爆弾を積んでいたのでしょうか?

また、南太平洋の第三次攻撃では艦攻が水平爆撃をしていますがこれは魚雷がなかったからですか?

その他の国のこともわかれば教えてください。

  1. 自己レスですが、福井静夫著作集によると六番以上ですと

    昭和8年9月航空母艦(1万トン)空母艤装方針
     爆弾搭載量
     80番 常用艦攻 100%
     80番 常用艦攻 200%
     25番 常用艦攻 800%
      6番 常用艦攻1600%
     魚雷  常用艦攻 100%

    とのことなのであり。
    ちなみに艦載機の内訳は 艦戦1/3、 艦攻2/3
    ということですが、艦爆の記載もないし大戦中はどうだったのでしょうか?


  2.  それでは参考までに英米の空母の場合の数を出しておきませう。

    英空母イラストリアス(1940)の場合:

    18in魚雷x45
    500lbsSAP爆弾x250
    250lbsSAP/GP爆弾x650
    100lbsGP爆弾x100
    20lbs対人爆弾x600

    この搭載量は当時の搭載機数フルマー9〜12機、ソードフィッシュ18機に対してのものです。

    米空母エンタープライズ(1943/10)の場合:

    Mk13魚雷x36
    2000lbsGP爆弾x18
    1600lbsGP爆弾x18
    1000lbsGP/SAP/AP爆弾x各378
    500lbsGP/SAP爆弾x各288
    100lbsGP爆弾x504
    325lbs対潜爆弾x288
    100lbs焼夷弾x288

    因みにこの時期におけるエンタープライズの搭載機数はF6F-3x36/SBD-5x36/TBF-1x18です。
    大塚好古

  3.  大塚博士の後で非常に恐縮ですが…。

    ・翔鶴(1941)の定数:搭載機定数(1941当時)…艦戦×18(2) 艦爆×27(5) 艦攻×27(5)

      魚 雷 × 45本
     80番爆弾× 60発
     50番爆弾× 60発
     25番爆弾×312発
     6番爆弾×528発
     3番爆弾× 48発

    ・大鳳(1944)の予定定数:搭載機(1944当時)…艦戦×27 艦爆×27 艦攻×18 艦偵×3

      魚 雷 × 45本
     80番爆弾× 90発
     50番爆弾× 0発
     25番爆弾×468発
     6番爆弾×468発
     3番爆弾×144発

    ・雲龍の予定定数:搭載機(予定)…艦戦×12(3) 艦爆×27(3) 艦攻×18(2)

      魚 雷 × 36本
     80番爆弾× 72発
     50番爆弾× 0発
     25番爆弾×240発
     6番爆弾×360発
     3番爆弾×144発

    ・信濃の予定定数:搭載機(予定)…艦戦×24(1) 艦爆兼艦攻×17(1) 艦偵×7

      魚 雷 × 36本
     80番または50番爆弾× 54発
     25番爆弾×216発
     6番爆弾×216発

     それぞれの数値は「日本の航空母艦パーフェクトガイド」と「日本海軍艦艇写真集6」から抜き出しました。
    T216

  4. ●隼鷹型
    80番 54発
    25番 198発
    6番  348発
    魚雷 27本

    ●千歳型
    80番 36発
    25番 72発
    6番  180発
    3番  144発
    魚雷  18本

    龍鳳も同じらしいのですが未確認です。

    ●信濃型
    80番 120発
    50番 120発
    25番 240発
    6番  456発
    3番  144発
    魚雷  80本

    これは他の母艦機への補給も考慮した数字だそうです。
    T216様の数字と違うのでさらに確認の必要があるかもしれません。


    以上は全て設計段階での数字です。
    光人社「日本海軍艦艇写真集 7」より抜き出しました。

    たかやま

  5. > 南太平洋の第三次攻撃では艦攻が水平爆撃をしていますがこれは魚雷がなかったからですか?
     80番を積んだのは魚雷がなかったからではなく、魚雷の調整に時間がかかるためだったそうです。

    > 信濃の予定定数
     当初、信濃の搭載機数は「0」の予定でしたが、途中で計画が変更されて3.で挙げた50機の搭載機を持つことになったそうです。
     つまり、たかやまさんの挙げられた数字は、計画当初の搭載機数「0」の場合の爆弾/魚雷の搭載数、私が挙げた数字は搭載機数「50」の場合の爆弾/魚雷の搭載数なのではないかと思います。
    T216

  6. 便乗質問で済みません。
    空母の魚雷/爆弾の搭載数は、最終的に何で上限が決まるのでしょうか?!
    (信濃のような特殊ケースを除く)
    魚雷だったら艦攻/雷撃機の予定総出撃数と関係有るように見えますが・・・
    戦艦の場合は、主砲の命数を超える主砲弾搭載しても意味無いとすると、
    空母の場合は、砲の装薬に相当する航空燃料の搭載量でしょうか?!
    志郎家の番頭

  7. >6.
     「日本の航空母艦パーフェクトガイド」によると、日本海軍の場合、大戦前半に規定されていた空母の魚雷/爆弾の搭載定数は「攻撃4〜6回の出撃分」だったそうです。(後半は戦訓から「攻撃2回の出撃分」となったそうです)
     3.で挙げた翔鶴型を例にとって計算してみます。
     翔鶴の魚雷同時調整可能数は9だったそうですから、ここから通常、一度の攻撃で出せる雷装艦攻も9機となります(むろん例外はあるでしょう)。
     魚雷の定数が45ですから、 45÷9=5 で魚雷の定数は攻撃5回分ということになります。
     艦攻の常用機は27機でそのうち9機は偵察用で、雷装9機出しますから、80番を積む爆装艦攻は残りの9機と言うことになります。
     80番の定数が60ですから、 60÷9≒6.6 で80番の定数は攻撃6回半強分となります。
     この説明では50番以下の爆弾の説明が出来ませんが、上記の「攻撃」が「対艦攻撃」のことで、対地攻撃や対潜攻撃の分はそれとは別と考えれば、上で計算した80番で出てくるの端数や50番以下の爆弾の搭載数も説明できるのではないかと思います。
    T216

  8. 魚雷同時調整可能数についてですが、そう頻繁に必用なものなのでしょうか?
    海軍航空教範に魚雷準備時間の表が載っているのですが、備考欄に「但シ実験値ハ調整終了後、約一ヶ月経過セルモノトス。」との記述がありますし魚雷の調整は攻撃毎に行うものではないと思います。
    日本の航空母艦パーフェクトガイドの急造空母の項にも陸上基地で調整済みの魚雷を搭載するとありますので、魚雷同時調整可能数の数値は攻撃回数には直接影響しないのでしょうね。

    ルージュ

  9. 同時調整魚雷数=攻撃隊中の雷撃機数ではありません。
    開戦直前の段階で、空母の同時調整魚雷数は艦攻常用機(攻撃機、偵察機を含む)数の三分の一以上が必要と考えられています。
    その当時の各母艦の魚雷調整場が一般に狭く採光も悪い作業環境だった(飛龍は艦攻常用18機に対して同時調整可能 4本)上に、九一式魚雷改三以降の魚雷を搭載できないなどの問題を抱えており、今後建造する艦及び大改装時、魚雷調整場の拡張を実施する必要があるされています。
    BUN

  10. 九一式改三を搭載できないとされたのは全ての空母ではなく一部の艦です。
    BUN

  11. >8.9.10.
     ご指摘ありがとうございました。
    T216

  12. 皆さんありがとうございます。
    色々な情報を頂いて色々考えたいことが沢山です。

    真珠湾の第二次攻撃に振り向けられた爆弾の可能性とか・・・
    瑞鶴の一部の第二次艦攻隊は指示定数の250キロ×1+60キロ×1に対して
    250キロ×1+60キロ×6を搭載したそうですしね。
    (みんな積めばよかったのに・・・)

    それにしても80番というのは長門の主砲を特別に改造していたと言うことで、
    真珠湾やマレー用の特注品なのかと思っていましたが常備していたようですね。

    第二次攻撃隊に艦攻18を出すときは時間がかかるなど色々勉強になりました。
    ありがとうございます。


  13. >5
    艦戦×18(補2) 艦爆×24(補3)
    と言うことになっています。
    どちらにしろ参考資料の時期的な差のようですね。
    たかやま

  14. >13
     艦戦18(2)、艦爆24(3)という数字は「通常型の空母」として完成した信濃に艦戦1隊と艦爆1隊半を搭載する計画である、という意味の数字です。
    時期の差ではなく、参考にされた解説が間違っているのです。
    BUN

  15. >7. 
    回答有難う御座いました。
    > (後半は戦訓から「攻撃2回の出撃分」となったそうです)
    この場合の「戦訓」とはミッドウェー海戦のと考えて良いでしょうか?!

    あと、日本の場合は大体判りましたが、英米はどう云う基準だったのか、ご存知の方はご教示願います。
    志郎家の番頭

  16.  戦前の英海軍は艦攻全機に対して二〜三回分の魚雷のほか、艦攻・艦爆に対して四回分の爆弾、戦闘機に対して一六回分の弾薬を搭載するように求めていますが、大戦後イラストリアス級の就役と相前後して各空母の航空燃料搭載量・弾薬定数が見直されたらしく、魚雷数はさして増大しませんでしたが、爆弾の定数は五〜七回分程度に増大されています(状況によって変化するので一概には言えず)。

     米海軍の場合は、1933年に搭載定数が研究された結果、魚雷が艦攻全機に対して二回分搭載される事になった他、予想された戦闘時の飛行時間から逆算して、VB用として7回分、VF/VS/VT用として6回分の爆弾を搭載する事が求められています。この後1942年になると、

    VF:各機当て

    300lbs爆弾x10

    VB/VS:各機当て

    100lbsx4
    500lbsGPx4
    1000lbsGPx3/1000lbsSAPx2/1000lbsAPx2
    325/350lbs対潜爆弾x4

    VT:各機当て

    500lbGPx8
    1000lbsGPx2/1000lbsSAPx3/1000lbsAPx2
    1600lbsAPx1
    魚雷x2
    325/350lbs対潜爆弾x8

     を搭載定数とすることが定められていますが、英海軍同様戦況に合わせて搭載兵装が変化することや、時期によって空母の搭載する爆弾等の弾薬種類が変化するため、あくまで目安にしかなっていません(例を挙げれば、一時期ベニントンやバンカーヒルでは艦攻に対して三回分の魚雷を搭載しています)。
    大塚好古

  17. >14
    ご指摘ありがとうございます。
    落ち着いて読み直してみると数字の後に
    「〜とされたらしく」
    と書かれていました。文章の読み取り能力の不足でした。
    申しわけありません。
    たかやま

  18. >16. 
    回答有難う御座いました。
    WW2後半は日英米とも魚雷はおおむね2〜3回の出撃分と云うコトですね。

    志郎家の番頭


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