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艦載砲に限らず砲全般に言える事なんですが、砲の貫徹能力というものはどの程度の誤差(貫徹力変動とでもいうのでしょうか?)があるのでしょう? 【例えばデータ上、2万mで30cm厚の鋼板を貫通できる36cm砲は同一距離/同一弾種で35cm厚の同じ質の鋼板を貫通できる可能性が全く0%なのか? 逆に、同様の条件で28cm厚の鋼板が抜けない時も希にあるのか?】といった事なんです。 別な見方をすれば2〜3万mで対46cm砲防御の大和型がその距離内で40cm弾に抜かれる可能性もあれば、同様に対40cm砲防御の他戦艦が46cm弾に耐える可能性とかもある訳なんですが・・・。 ズブ |
- 車のカタログにかいてある燃費と自分が運転した燃費が違うように、砲も実際はいろんな誤差が出たと思います。
統計の連続性を持たせたり比較しやすいようにデータをとるときは一定の条件下で行います。
例えば砲だと、実際に使われる現場では砲身の精度x砲弾の精度x火薬の品質x気温xさらにそれを食らう敵の鋼板の品質で+-の誤差が出るわけで、常識的にはそれらの条件がすべて最悪でも、要求する威力を満たすものが「製品」なわけで、28cmの装甲が抜けないのは不良品として突っ返すべきです(笑)
ただ、「稀にあるのか?」かといわれれば「稀ににある」と思います。これは軍事に関係なく製造上の問題として。
普通は検査をパスして出荷されるはずですが、逆に相手の28cm装甲が偶然出来の良い物だったら、データ以上にすごい防御力になるでしょう。
余談になりますが、「30cmの厚さを貫通」と言う砲があった場合、ラッキーじゃなくても普通は31〜2cmの装甲は貫通すると聞いた事があります。砲弾が着弾した場合、貫通初期の状態は砲弾の周囲に十分な装甲厚があるのでそこでエネルギーを受け止めます。ところがどんどんめり込んでいって27cm・・・28cmといくと、前方のエネルギーを受け止める装甲が薄くなります。最初の0〜1cmはすごくエネルギーを消費しますが、最後の29〜30cmは後ろに支えるものがないので消費エネルギーが少なくてすむからだそうです。 これは+20%マージン(この場合36cmの装甲)にすれば、おおむね間違いないと読んだ事あります。
どうも
- 艦砲じゃなくて戦車砲の話になります。
チトなどに搭載された5式戦車砲はカタログ上、
75mmを1000mで貫通できるとされています。
ですが、要求仕様を見てみますと、
「1000mで75mmを貫通できること」とあり、
すなわち「1000mで75mmは間違いなく貫通できる」だけであり、
ではそれ以上の厚さだったらどうなるか、即ち1000mでの貫通できる「限界の」厚さはいったいなんなのかは
さっぱりわかりません。
ですがドイツの75mm48口径を見るに弾の性能かんがみてもおそらくもうちょっと抜けるのでしょう。
このように、艦砲はわかりませんが、特に日本陸軍においては実際にどのくらいが抜けるのかというのが
さっぱりわからない状態です。
ですが、限界の厚さがわかっても、じゃあ実戦でその厚さが抜けるかといったら
実戦ではさまざまな要因がありますのでまず抜けないと思ってもいいでしょう。
それより薄くても、1式戦車砲vsM3正面よろしく「1000mで6発中3発抜ける」というように
100%抜ける状態ではないでしょう。
どうもさんが上でおっしゃってますが、確かにバラツキはあります。
ですがそんなもの確実性がないし当てにしては戦えないといえるのではないでしょうか?
霧島か比叡かどちらかは忘れましたが(笑)、36cm主砲弾がサウスダコタを抜いていたのを聞いたことがあります。
ですが1発だけだそうです。そんなものアテにして戦えますか?
P-kun
- 一般論ですが、防御性能・貫徹性能は10%ぐらいは誤差の範囲です(ぉ
軍艦の砲弾と防御の関係は抜ければ良いものではなくて、抜けた後に砲弾が壊れていない事が求められます(信管や炸薬が無事でないと炸裂しない)
領収試験では、貫徹後の砲弾の損傷具合を目視でチェックしますので、本当に大丈夫かどうかは判らないと言う事があります。
ワシントン条約で標的として処分された戦艦土佐への40糎砲射撃試験では貫徹した場合もあれば、ほぼ同条件ながら砲弾が破砕(貫徹はする)したといった事があり、ギリギリあたりの性能では判らないというところが有ります。
また装甲鈑も所定の砲弾を打ち込んで、こちらは抜かれない、割れないというテストをします(貫徹した弾丸がどうなったかはテスト対象にはならない)よって抜かれるか否かは、比較的カタログ性能に近いものが期待できるはずですが、装甲鈑は板の端のほうが弱くなり、そして軍艦の装甲鈑は板を組み合わせてますので、繋ぎ目等では勿論かなり見劣りします。
よって同じ厚さの同じスペックの装甲鈑でも、面積を広くして繋ぎ目が少ないほうが防御性能は確率的には上であろうといわれています。
また牧野茂氏は防御性能は1割優位としています。即ち30糎の貫徹力に対しては27糎あれば間に合うと(装甲は割れるかもしれないが、バックプレートはあるし、正撃はまず無いし、砲弾は壊れてるので炸裂しない)
抜けるか否かで言うなら、大和の舷側装甲を16インチ砲弾で抜ける可能性は常に有ります。繋ぎ目とか装甲の端部に当たれば性能は低いのですし、装甲だって出来のばらつきがあることは戦後の米軍の調査でも明らかです(スペックどおりの優秀な結果を出したものもあれば劣るものも有った)砲弾の威力も装甲の性能も1割程度のばらつきがあるのです。
また一部のソ連軍戦車砲のスペック表には、8割の確率で抜ける装甲厚と、2割の確率で抜ける装甲厚の二種類の数値が記されています。
例えば、T34/76戦車等に使われたF34/ZIS5型砲でBR350A弾を用いた場合500mで8割59mm、2割70mmとなってます。前後10%ぐらいは平気でばらつくと思って置いた方が良いでしょう。
SUDO
- >2
パックン、その事例はさ、霧島が徹甲弾を殆ど撃ってないというだけの事ですよん。
スペック上、あの距離なら霧島の36糎徹甲弾は当たればサウスダコタを貫けますんで、全然不思議でも何でもない。
問題は霧島の二枚目の傾斜部で止められてしまったと言われるワシントンの16インチSHSの方だろうと・・・(マテ
SUDO
- とりあえず、初速の偏差から貫徹能力がどの程度変動する可能性があるかを
考えてみました。
例えば、自衛隊の76式54口径5in砲装薬包によって、76式54口径5in砲対空弾などを
発射する場合の初速については、下記のような規定があります。
基準値:808m/sec
平均値:808±8m/sec
標準偏差:4m/sec以下
この規定から、平均値の上限は816m/sec、下限は800m/secです。
これに標準偏差を上乗せする必要があります。ただし、標準偏差ですと、
70%の信頼性しかありませんので、3σ(99.7%)で計算します。
すると、初速の範囲は下限788〜上限816m/secとなります。
この値での貫徹能力を、Jacob de Marreの式や、Krupp式で計算しますと
下記のようになります。
初速 貫徹能力
下限788m/sec 0.963
中央808m/sec 1.000
上限816m/sec 1.037
おおむね、4%の誤差ということになりますね。
100mmの貫徹能力があれば±4mmの偏差が、200mmであれば±8mmの偏差が、
初速の偏差から発生する可能性があるわけです。
実際は、弾丸や標的材質の偏差やその他もろもろの影響を受けるので、
偏差はさらに大きくなることでしょう。
また、品質保証体制は近年ほど確立されていますので、第二次世界大戦ごろ
はもっと悪かったかもしれません。
以上、参考まで。
いちのへ
- 皆様、回答ありがとうございます。やはり誤差というものは数%〜10%程度つきものなんですね。それに私自身では到底算出できないような詳細な数値を出していただきありがとうございます。
ズブ