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2242と関連するのですが、新たにスレッドを立てさせていただきます。 艦船の速度は計画も実測も公試状態のものと勝手に想像していたのですが、古い艦の場合公試排水量のかわりに常備排水量を使うことが多いようです。このような艦の場合、速度は常備状態のものと理解してよろしいのでしょうか。 富士見町 |
- ワシントン条約以前の日英海軍は、ほぼ常備排水量の状態で公試を行っています(燃料搭載量1/6程度)。
同時期の米海軍の場合も常備排水量で計測してますが、QE級に対抗してBB-49の速度向上が言われた際に、造修局長が「QEを米式で計ったら23.5kts程度しか出ませんから、さして差はないですぞ」と答えていることからも伺えるように、日英とは常備状態自体が異なります(常備時の燃料搭載量は確か平時満載時の1/3だった筈)。
大塚好古
- ありがとうございます。
再度2242に関連する質問で申し訳ないのですが、
樺型は計画指示出力9.500馬力で、常備排水量665トンのとき、速度30ノットを予定していた。
実際には、最大速力29.7ノットで、このときの出力は11,218馬力であった。
のだとすると、計画出力より最大出力が18%も上回っているのにも関わらず、逆に速度が0.3ノット下回っているのはなぜなのでしょうか。考えられる理由としては、
1)抵抗係数が予想より大きかった
2)最大速力および最大出力は常備状態ではなく、もっと重い状態で計測したため
があげられると思いますが、どうなんでしょう。
富士見町
- >2
答えは1)に近いともいえますが、まあ簡単に言うと見積もりが甘かったんです。
排水量は予定よりも大きくなりがちで、工作精度は低く、各種の抵抗と効率は予定から逸脱する傾向があり、そして計画性能は威勢の良い数字を指向する傾向がありました。
これらは後に猛省を促す事になり、大正末期には、計画性能・公称性能の完全達成を果たす事を文書に記される事となってしまうわけです。
SUDO
- SUDO様
ありがとうございました。やっぱりそんなところだったのですね。
さすがに昭和になってからの大和は153.553馬力で27.46ノットですか。計画値とほとんど一致しているわけですね。
富士見町
- >2.
ご指摘の1), 2)の他に3)として推進効率が予想よりも劣っていた、が有ると思います。
ちなみに、「帝国海軍機関史」には樺型各艦の公試結果が載っていますが、最小が杉の10,554ihp/400.0rpm, 最大が樺の11,811ihp/404.4rpm、公試排水量と速力は残念ながら不明です。
同時期の駆逐艦でより詳しいデータとしては、以下の天津風型が有りますので、参考になるかと思います。
計画時:
排水量1,227(T) 速力34.0(kt) 出力27,000(shp) 推進軸回転数750(rpm) 推進効率0.47
公試時:
艦名 排水量(T) 速力(kt) 出力(shp) 推進軸回転数(rpm) 推進効率
天津風 1,188 35.096 29,892 754 0.455
時津風 1,185 35.558 33,014 814 0.424
浜風 1,181 35.805 34,700 866 0.415
磯風 ----- 35.577 31,152 783 0.455
>3.
「見積りが甘かった」と云うよりは、時代的に未だ理論解析や模型実験と実物の整合性が十分取れてなかった、と云うべきと思います。
志郎家の番頭
- >5
そうですね、根底にあるのは、理論解析等の未熟さでしょうね。
SUDO