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艦隊で軍艦同士の距離はどのように決めていたのでしょうか?(遠すぎるといろいろ連絡一つとるのも大変だし、近すぎると衝突の危険などがあります)速度の遅い戦艦と速くて小回りのきく駆逐艦、早いが小回りの聞かない空母ではかなり違うと思うのですが何か法則はあるのでしょうか? ホーク |
- 同じ艦種でも時代や作戦目的によって変化があると思いますが、艦隊決戦を主眼としたWW1期の英国大艦隊の例で説明します。
(艦隊の針路を記述の下方向とする)
1.前衛部隊(ビーティ中将指揮の巡洋戦艦部隊)
第5戦艦戦隊(QE級戦艦4隻)
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5浬
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旗艦ライオン+第1巡戦戦隊(巡戦4隻)−左3浬− 第2巡戦戦隊(巡戦2隻)
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4浬
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中継艦ヤーマウス(軽巡)
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4浬
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スクリーン(軽快幕)の中心点
スクリーン中心点の左2.5浬に軽巡1隻、右2.5浬に軽巡2隻
スクリーンの両翼はさらに5浬ごとに軽巡2隻ずつ左右各12.5浬に展開
(スクリーン全体では軽巡11隻)
主力艦同士の距離は1/4浬
水雷戦隊3隊(駆逐艦)は主力艦戦列の前方と左右にコの字形に適宜分散して警戒しつつ航進
(続く)
志郎家の番頭
- 2.主力部隊(ジェリコー大将指揮の戦艦部隊)
第6小隊−第5小隊−第4小隊−旗艦アイアン・デューク+第3小隊−第2小隊−第1小隊
(1小隊は戦艦4隻、小隊ごとの間隔は1浬、戦艦同士の距離は1/4浬)
上記6列の中心
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2浬
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第4軽巡戦隊(軽巡4隻)
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3浬
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中継艦ハンプシャー(装甲巡)
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5浬
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スクリーン(軽快幕)の中心点
スクリーン中心点の左2.5浬に装甲巡1隻、右2.5浬に装甲巡2隻
スクリーンの両翼はさらに5浬ごとに装甲巡1隻ずつ左右各12.5浬に展開
(スクリーン全体では装甲巡7隻)
この他、旗艦の25浬前方にフッド隊(巡戦3隻他)在り
ちなみに小隊ごとの間隔が1浬なのは、上記の航行隊形(対潜隊形)から砲戦用の単縦陣に展開したときに主力艦同士の距離が1/4浬となるためです。
WW2中の輪形陣(対空隊形)などに就いては、他の詳しい方に譲ります。
志郎家の番頭
- 1.2.の訂正と補足
× スクリーン(軽快幕)
○ スクリーン(警戒幕)
主力艦同士の距離が1/4浬なのは、敵に対してT字を描いたときの攻撃効果を高めるのと、戦闘速力で航行中、先行艦に異常が発生しても回避可能な最小距離との兼ね合いと考えられます(クイーン・メリー爆沈のとき25ktで後続するタイガーが辛うじて衝突回避)。
また、主力艦とスクリーン間、およびスクリーン上の相互の間隔は、警戒効果、信号(旗流、発光など)伝達、および会敵時の適宜に協同する艦隊行動との兼ね合いと考えられます。
志郎家の番頭
- 質問とはずれますが、アメリカ海軍の輪形陣の場合、一定のラインはあっても割とランダムなようです。これは1隻が潜水艦等に探知された際に、残りの艦艇の位置を推測されないようにするためだそうです。
ヴィクトリアとキャンパーダウンの衝突の際の間隔はどれくらいだったかなぁ。
hush
- 約3〜5kmですか、ありがとうごさいます。ついでに扶桑と松島の衝突事故について知りたいのですが、このときどれくらい近づいていたのですか?(本来の船間距離よりどれだけ近かったのか)
ホーク
- >5.
扶桑は錨泊中に荒天のため錨鎖切断、流されて松島と衝突したとのコトなので、本題とは違うのではないでしょうか?!
志郎家の番頭
- >6.なんだ、そうでしたか。勘違いをしていました、ところで「さんずいに里」の読みは「カイリ」で良いんでしたよね?あと最近の空母とミサイル艦の距離をご存知の方はいらっしゃいませんか?
ホーク
- 3>あともう一つこの時(爆沈直前)のクイーン・メリーの速度は何ノットでしょうか?
ホーク
- >7.
「さんずいに里」の読みは「カイリ」です。
あと今日ではGPSの利用により、艦艇は必ずしも互いに視認距離内にとどまらなくても良いようになりました(リスク分散にもなる)。
>8.
ビーティ隊のこのときの戦隊速力は25ktのハズです。
志郎家の番頭