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2242 船の形状で、速度が大きく変わるのは、わかりますが、
旧式の樺型595tと千鳥型は、如何して2ノットも速度差が、出てしまったのでしょう?

馬力は、千鳥の方が大きいですから、略同じような大きさと言うことは、船の形以外に考えにくいのですが。
また、旧式の樺に千鳥型のタービンを載せた場合どの位の速度が出るか、概算で結構ですので、教えてください。
考えてみれば、戦時急造というなら、この形式も考えてしかるべきかも?
尤も没になる理由も、想像できますけど。
青江

  1.  千鳥型は改正後は公試約760トン、樺型は常備665トン。全然重さが違い、更に千鳥型は公試650トン級で30ノットを予定していた艦ですから、100トンもの重量超過(バラスト込み)が大きな影響を齎しただけでしょう。
     速度性能は重量と馬力のみならず、推進装置の水深や造波抵抗も大きなウェイトも占め、さらには安定性・凌波性は速度性能と相反する傾向をもつことも少なくありません。
     軍縮以降の日本軍艦艇は、試験成績を常時・荒天下でも発揮出来る事を狙っていますので、樺型と千鳥型で簡単に比較は出来ないと考えます。
     ちなみに樺型に千鳥のタービンを乗せて、まったく重量が変わらないならば、1ノットぐらいは上がるかも知れません。
    SUDO

  2. >旧式の樺に千鳥型のタービンを載せた場合どの位の速度が出るか

    ものすごくラフな計算ですが、艦船の速度は馬力の1/3乗に比例します。
    9,500馬力の樺型のレシプロエンジンを11,000馬力の千鳥型のタービンエンジンに交換したとすると、5%程度の速度増加」が期待できます。つまり、30ノットが31.5ノット程度に増加すると思われます。

    ただし、これは重量の増減はないと仮定した場合です。現実の樺型のレシプロエンジンと千鳥型のタービンエンジンの重量は知りません。

    また、樺と千鳥は15年ほど違いますが、その間にスクリューの推進効率も上昇しているのではないかと想像しますので、もう少し早くなるかもしれません。

    艦船の速度と馬力や流体抵抗の関係は、「アドミラルティ係数」で検索をかけると、いろいろと出てきます。アドミラルティ係数自体は、現在では正確ではないとされていますが、とりあえずいくつかページを見て、そこから適当なキーワードを探して再検索なり、リンクをたどるなりすると良いと思います。
    富士見町

  3. どうも有難うございました。
    100t以上重くなってたんですね。納得がいきました
    青江

  4. >2.
    樺型はレシプロ機関で、出力はシリンダーで発生する指示馬力で表示されます。
    一方の千鳥型はタービン機関で、出力は推進軸上の軸馬力で示されます。
    ですんで両者をそのまま比較してはいけません。
    一般的に、指示馬力×機械効率(90%前後)=軸馬力ですから、樺型の9,500指示馬力は軸馬力に直すと8,550前後となります。
    ちなみに、樺の公試結果を「帝国海軍機関史」から引用します。
    常備排水量: 595[T]
    公試排水量: 660[T]
    計画速力: 30.0[kt]
    最大速力: 29.7[kt]
    計画推進軸回転数: 390[rpm]
    最大推進軸回転数: 404[rpm]
    計画出力: 9,500[ihp]
    最大出力: 11,218[ihp]
    ihpはindicated horse powerの略です。
    志郎家の番頭

  5. >4.

    ご指摘ありがとうございました。樺型は9,500ihp、千鳥型は11,000shpですね。

    http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Circuit/2971/update2.html

    WEB上でも上のページに樺型の機関のデータが出ていました。千鳥型のデータは発見できませんでした。志郎家の番頭様が千鳥型のデータをお持ちでしたら、お教え願えますか。樺型の公試排水量660トン。9.500指示馬力(8,550軸馬力)で計画速力30ノットに対し、千鳥型(改装前)の公試排水量660トン、11,000軸馬力で計画速力30ノットはかなり控えめな気がします。

    樺の機関部260.3トン
    富士見町

  6. > 4.
    一部訂正します。
    ちなみに、樺の公試結果を「帝国海軍機関史」その他から引用します。
    基準排水量: 595[T]
    常備排水量: 665[T](1/4燃料)
    公試排水量: 不明(石炭100T+重油137Tの2/3とすると760T前後と推定)
    計画速力: 30.0[kt]
    最大速力: 29.7[kt]
    計画推進軸回転数: 390[rpm]
    最大推進軸回転数: 404[rpm]
    計画出力: 9,500[ihp](約8,550shp)
    最大出力: 11,218[ihp](約10,100shp)
    なお、千鳥型につきましては、「造艦技術の全貌」「世界の艦船増刊号」以上の詳細なデータに接しておらず、今後注意して参ります。
    志郎家の番頭


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