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日本海軍の錬度について質問します。 インド洋で駆逐艦を巡洋艦と誤認し戦艦が弾庫空になるくらい撃ったけど沈められず結局艦爆が沈めてる。 スラバヤで魚雷撃ったが信管の調整を誤り波で自爆。 なにぶんずいぶん前に読んだので正確ではないかもしれません。が、これを読んで以来海軍の錬度について疑問をもっています。 実際のところどうだったんでしょうか? ぽち |
- インド洋とは、ジャワでのエドソル撃沈でしょうか?
一応戦艦が撃沈した事になってるそうですが。まあ当たらないのはある意味当然で、そんなもんでしょう。他の国でも逃走する駆逐艦を撃ったら手間取ってます(例えばアカスタと交戦したシャルンホルストなんかは良い例です)
また艦種誤認も良くあることで、一ランク大きい・小さい物に間違えるのは珍しくありません。
またスラバヤ沖の魚雷の問題は、信管の調整を誤った物では無いと水雷関係者の多くが証言しています。
この問題は幾つかの理由がありましたが、突き詰めると、過敏な要求性能の信管。信管の製造不良。魚雷頭部が作り出すキャビテーションの問題(振動)に行き着きます。
その多くは最終的には93/95式魚雷の試験不足と言えるでしょう(実際に部隊配備が進んで様々な問題や技術的課題が出てきたのが昭和15〜17年)
よって、ぽちさんが「練度」として上げられた二つの事例は、練度に関係する問題ではなく、砲撃に関しては、艦砲射撃とはそういうものであり、後者に関しては世界で最初の実用酸素魚雷が生み出した、非常識な高速・長距離疾走が齎す未知の領域が、戦前の対戦艦想定が外れた事と、常軌を逸した過敏な信管性能設定で、最悪の結果を招いてしまった事例であったと言えます>勿論、こうした問題点の発見と是正も練度というか能力ではありますが、魚雷の信管問題は、米国やドイツでも苦しんでおり、ある意味仕方が無いことだったのかもしれません。
つまり、どっちも練度の問題ではありません。
まあ、練度で言うなら悪くは無かったとは思いますが、改善出来る事、出来そうな事は、後の目で見れば幾らでもあると思います。
SUDO
- なるほど。ありがとうございます。
すると仮想戦記などで接近してくる敵駆逐艦を戦艦が砲撃で沈める、というのはうそっぱちなんでしょうか?
ぽち
- 当り前ですが、単純に的が小さくて当たりにくいだけで、戦艦の砲撃も駆逐艦に当たる確率はあります。
主砲が仮に直撃したらどの距離でも駆逐艦など一撃です。
(仮に沈まなくても、戦闘能力は失われます)
また副砲・高角砲でも駆逐艦には(近距離からなら)十分な打撃を与えられます。
要は距離の問題や姿勢の問題(駆逐艦が相手に突っ込んで行く場合は、雷撃時までは目標に対して正面を向くから、相手からすると的が小さくなる)ではないでしょうか?
zono
- 私が知っている具体的な事例としては、1942年の独艦隊による英仏海峡突破作戦の際、雷撃を試みた英駆逐艦に独戦艦が主砲をぶちこんで、戦闘能力を失わせたという例がありますね。
ただ、英側は5隻が突っ込んだのですが、弾が当たったのはそのうち1隻だけです。
しかも重巡と合わせて巨弾を7発食らったのに沈まず、自力で母港に帰還しています…。
他にも、ウォースパイトの例(戦艦一隻で突っ込んで、独駆逐艦多数を撃沈)というものもありますね。
要は当たる当たらないというものは状況次第、と言うことです。
zono
- 戦艦の主砲が駆逐艦を射撃するときにネックになるのは
発射速度と主砲塔旋回速度が遅いという事です。
だから戦艦は駆逐艦等の高速艦用に
高角砲兼用の場合もありますが副砲を持っています。
Kleist
- 余談
↑と関連しますが、仮装戦記(余り読まないのですが)
に出てくる戦艦の中には、20センチ副砲なるものを備
えたものがあったりしますが、これなどは、作者が、
副砲の意味を理解しておらず、単純に現実の戦艦より
大きな大砲を装備させれば良しとしたと推測されます。
まあ、その戦記の世界では50センチ主砲や20センチ副
砲が、ものすごい速度で旋回し、機関銃のような速さ
で弾丸を打ち出し、駆逐艦を次々に撃沈できたのかも
知れませんが、20センチ副砲装備というところで読む
気が無くなってしまったのでわかりません。
SAW
- おっと
「仮装」でなく「仮想」ですね。
SAW
- なるほど、駆逐艦相手なら一発の威力より速射性のほうが重要みたいですね。
ふと疑問。
質問のとき(インド洋)の戦いのときなぜ副砲ではなく主砲を使ったんでしょう?
巡洋艦と誤認したから、と思いますが巡洋艦と駆逐艦では5割くらいは長さも違います。射撃照準のために距離を測ったら対象物の長さもわかりそうな気がします。
相手が駆逐艦らしい、と思えば副砲の射撃に切り替えるんじゃないかな、と思うんです。
たしかこの戦闘の記事を読んだとき「主砲弾庫」がからになった、と読んだ記憶があります(不経済な戦争やなー、と思った記憶あり)。
なぜそこまで主砲の射撃にこだわったんでしょうか?
それとも主砲射手もはじめての実戦であがってたんでしょうか?
ぽち
- 20センチ副砲ですか(笑)。ブームになりましたからそゆとんでもないのもあったんですね。
戦国武将の名前のついた戦艦とかね。
ぽち
- まあ余程の条件で無い限り、敵艦の速度なんて大して変わりません(空母と巡洋艦と巡洋戦艦と駆逐艦ではどれも似た速度)
よって砲塔の旋回速度と射撃速度の問題は、実はそう大きな影響はありません。
戦艦の主砲塔の旋回速度は概ね4〜2度/秒です。近距離をすれ違う場合でも相対速度は60ノットですから、1浬以上の距離で交戦するならば主砲塔でも追随・先回りが出来ます。
180度向きを変えても45〜90秒ですので、実はそう大して問題になりません。
問題になるのは射撃速度ですね(もっと言うなら命中速度)一般に大口径砲の方が命中率では良好になるのですが、戦艦主砲級は射撃速度が遅いため命中速度が良くないです(当たれば効果は文句無しですが)
この為、駆逐艦級を相手にすると時間のロスが無視できません。駆逐艦級はより強力な敵と一緒に行動することが多いので、どうせ命中するならより危険な奴に叩き込みたいわけです。つまり駆逐艦の相手を主砲がする余裕が無いのです(かと言って応戦しなかったら困ったことになります)このあたりが対軽艦艇用火砲の必要性につながります。
また副砲とは、戦艦主砲の火力の補完としても用います。例えばジュットランド海戦の独艦は15糎副砲を敵戦艦に向けて撃っています(英国側の副砲は76〜102mm級が主体で殆ど撃っていない)
このあたりの得失は難しいところですが、15糎級砲弾による軽装甲以下の部位に対する被害は結構侮れなかったりしますので(勿論戦艦への致命傷には程遠いが)副砲は意外と無視出来ない火力です。これは第一次大戦時の戦艦の想定交戦距離が10km内外と短くて15糎級の砲が充分に届く範囲だったという事も影響しています。
こうした前提条件から、戦艦戦力で劣勢を覚悟していた日本軍では20糎砲を副砲として搭載する事も検討していました。
また日本軍の場合は重巡洋艦も雷撃を行いますので、このちょっとやそっとでは止まらない奴が突進してくるのは非常に怖い事で(敵もしてくると思っている)こういうのに対抗するという意味合いも大きな副砲に繋がっています。
ネルソンやリシュリューのように主砲を前に集中した艦では、後部に有力な副砲を備えて弱点である後方を守ろうとしていますね。これも副砲がそれなりに重要な火力として位置付けられているという事だと考えて良いと思います。
よって、大きな副砲は変ではないし、主砲が駆逐艦を追いかけられないわけでもないのです。
実際に多くの海戦で戦艦の主砲は駆逐艦を撃っていますし、その多くで命中弾を出しています。
>8
という事で、主砲を使えるなら主砲を投入するのが一般的です。
確かに命中速度としては厳しいですが、一撃の威力が大きいのでトータルで見た射撃時間は主砲を用いたほうが早いかもしれません。また射程距離の問題もあります。副砲の射程は大和のような凄い副砲を別にすると20km程度までしか届きませんので、状況によっては逃げられちゃいます。
また真横から見た場合には判明しなくも無いと思いますが、実際には中々そうも行かないでしょう(斜め方向から見て判ります?)し、最初に巡洋艦だと思い込むと中々補正が効かないものではないでしょうか(過大に見積もるのは過少に見積もるよりはマシです)
ラプラタ沖のシュペーは英巡洋艦を駆逐艦と思い込んで、だったら引き付けて始末してやると中距離戦を選んだのが敗北の遠因とも言われてます。敵情の把握とは非常に難しい要素があるのです。
サマールでもエンガノでも、日米の艦隊は敵駆逐艦を巡洋艦だと思ってました。
SUDO
- >6.
20cmくらいなら非現実的とはいえませんよ。
大和の副砲も6インチ、または8インチで要求されましたし。
勝井
- 副砲が6インチから14センチになったのは人力装てんのため日本人の体格に合わせた、という話聞きました。装てんさえ解決すれば副砲も大口径のほうがいいんでしょうか?
ぽち
- >12
あんまし巨大な物になったら「主砲積むほうがよい」となるので、自ずから限度とも言える搭載重量・スペースがあります。
その範疇ならば、より強力な副砲であることは求められると思います。
SUDO
- >13
後はやっぱり相手の問題ですね。
無条約時代に入ってイギリスが計画したような8インチを超える砲を搭載した巡洋艦の数が増加したら
戦艦副砲もそれに応じて大口径化が検討されたのではないでしょうか?
勝井
- >14
主砲で始末すれば良いでしょ?
戦艦は単独で対抗する物では無いのですから、一定レベル以上の自衛武装をするぐらいならば、随伴艦艇等にリソースを投入したほうが効果的でしょう。
条約型戦艦で武装重量(砲塔重量)に占める主砲重量は概ね90〜80%。残りが副砲と高角砲です。
厳密な計算してませんけど、弩級以降の戦艦の副武装リソースはこの範囲では?
言い換えるとそれ以上乗せると戦艦の図体を過度に大きくしてしまうでしょう。
戦艦とは主砲を戦場に送り込み維持する手段なのですから(その為に船体や機関や装甲や副武装がある)一定限度を超えたリソースを費やすとは思い難いです。
SUDO
- なるほど。手段と目的をはきちがえてはいけない、ということですね。
ぽち
- 我が国で二十センチ砲を副砲として採用するにあたり、問題と考えられていたのは一門あたりの重量が大きくなることで。片舷当たりの装備数が六門程度になるのではないか、と危惧されています。それに対しては、高角砲を副砲の補助として用いることなどが解決策として考えられていますが。大和型では結局15.5センチ砲が採用されたようです。
tackow
- 米軍は両用砲なんで当然対艦用の砲弾も用意してあるでしょうが日本の5インチ高角砲にも用意してあったんでしょうか?高角砲も両用砲としての機能をもっていたのですか?
ぽち
- 初期における高角砲の射撃装置は対水上用を流用したものですから、水上目標に対しても問題なく射撃可能だったと思います。砲弾は、いわゆる通常弾での射撃でも有効と考えられていたようですね。
tackow
- 日本軍の8糎、12糎、12.7糎高角砲には、対地、対潜、対艦、対空用の砲弾・信管が用意されていました。
SUDO
- 対潜砲弾てのははじめてききました。
どんな砲弾だすか?
ぽち
- 対潜弾については以前に少し触れていますね
http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001052.html
tackow