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2166  いつもお世話になっております。

(1)朝日ソノラマ文庫の「レイテ沖海戦」(上)54ページにある記述
について、よろしければ教えてください。
「無念にもこの三二号(水上射撃用)電探は、(昭和19年)8月にしか
完成しなかった(中略)。この三二号電探は本土防衛に用いられ」
とあるのですが、過去ログ等を検索しても、この「三二号電探」
がいかなるレーダーなのか、わかりませんでした。
 よろしければ、性能・実績などをお教えください。

(2)また、同書の55ページに、「日本では、このVT信管の研究は
昭和20年3月にはじめられ、急速に成果を収めていったが、
B-29の爆撃で被害を受け、終戦を迎えた。昭和7年、東北大学
で電波高度測定の研究がされたが、その研究がVT信管に直結
していた(中略)。と伊藤技術大佐は嘆いている」
 との記載があるのですが、日本のVT信管開発の取り組みに
ついて、ご存じの方がおられましたら、教えてください。
 お忙しいところ、大変お手数ですが、よろしくお願いします。
高村 駿明

  1. Became Operational: September 1944
    War Status: under preparation for practical use
    Installed: ground shore batteries, heavy cruisers and battleships
    Purpose: anti-surface ship gunfire control
    Wavelength: 10 cm
    Peak Output: 2 kw
    (1)に関して、性能は以下の通りです。

    Transmitter: magnetron
    Receiver: crystal
    Detector: n/a
    Detected: large surface ships 30 km
    Weight: 5000 kg
    Number built: 60
    Antennae: square horn, send and receive separate us

    また、外観は

    http://www1.odn.ne.jp/~aac00450/zem2.html#sonota

    にあります。このページは海軍レーダー徒然草と言う、元海軍のレーダーを操作されていた方が作製したページです。掲示板もあるので、質問したらより詳しい答えがあるかもしれません。

    http://www1.odn.ne.jp/~aac00450/index2.html
    富士見町

  2. >富士見町様
    面白いサイトもあるものですね、世の中広い。
    じっくり見ようっと(笑)
    北方不敗

  3. 1)三号二型電探は二号二型系列に属するもので、書かれているように昭和19年8月に試作器が完成して月島でテストが実施されています。性能としては対戦艦において。

    測距距離30q
    測角精度0.5度
    測距精度500m

    という具合でした。


    2)我が海軍のVT信管は
    1、地上よりの電波指令で砲弾を炸裂させる
    2、米国式に全て内蔵する
    という二本立てで開発が進行していました。

    1に関しては12センチ高角砲を用いた実験が、2に関しては迫撃砲を利用して対衝撃実験を実施しており、ある程度の目鼻がついた段階で終戦を迎えてたようですね。
    tackow

  4.  Ans.Qなので手短で失礼しますが、皆様どうもありがとうございます。長年の疑問が氷解しました。しかし、日本がVTの研究をしていたとは意外でした。
    質問者

  5. 横からすみません
    >3
    測距制度500mというのは、射撃管制用としてはどうなのでしょうか?当たるんですか?
    Yakisaba

  6. 制度=精度です
    Yakisaba

  7. 米軍の初期型の射撃管制レーダーであるMark 3 でも精度は40ヤード(37m)ですから、それに比べるとずいぶんと劣りますね。主砲の散布界が前後400m位ですから、まずこの精度では当たらないことになります。

    最近文庫本になった、「戦艦大和開発物語」に、松井宗明さんという元技術少佐の方が武蔵のレーダーについて書かれています。21号電探を使って、測距ができないかと要請され、改造して測距可能にしたそうです。電探の映像は直径80mmのブラウン管(今で言えばせいぜいホームビデオカメラ程度)で見るそうですが、これを対空見張り用の150kmから測距用に50kmに切り替えできるようにして、スクリーン上で1kmが1.5mmになるようにし、パラフィン紙の目盛りを貼り付けて読んだそうです。

    また、距離を読むシーンもありますが、そこでは440、435と500m間隔で距離を読み上げています。

    http://www.t3.rim.or.jp/~ake/truk2/sennki.htm

    からの引用ですが、
    「(長門)兄部艦長は、射撃用電探にもっとも力を入れた。本式のレーダー射撃は、完成していなかったので、これは22号電探を使って距離を測定するだけのことだが、演練の結果、目標に対して左右誤差1度以内、遠近誤差0.01キロというところまで、精度が向上した」(阿川弘之著『軍艦長門の生涯(下)』P240)

    軍艦長門の生涯は読んでいるのですが、倉庫にあるため引用が正しいかどうか確認できませんが、0.01kmはちょっと大げさな気がし、0.1kmの間違いかもしれません。

    対空見張りようを改造したものでも500m位は読めたようですので、32号はもう少し精度が高いような気がします。
    富士見町

  8.  二号二型電探の改良が実施され(二号二型改3受信機改付:測距精度100m、測角精度0.5度)艦艇に装備されたのは比島沖海戦の直前ですから、実験段階の三号二型電探より精度が優って当然とも思えます。

     また、戦艦に装備されていた基線長10mの測距儀は、最大誤差1200m、公誤450mで、それを用いて有効な射撃を実施できていましたから。三号二型電探の測距精度が500mとしても射撃に用いることは可能だったと考えられます。
    tackow


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