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いつもお世話になっております。 (1)朝日ソノラマ文庫の「レイテ沖海戦」(上)54ページにある記述 について、よろしければ教えてください。 「無念にもこの三二号(水上射撃用)電探は、(昭和19年)8月にしか 完成しなかった(中略)。この三二号電探は本土防衛に用いられ」 とあるのですが、過去ログ等を検索しても、この「三二号電探」 がいかなるレーダーなのか、わかりませんでした。 よろしければ、性能・実績などをお教えください。 (2)また、同書の55ページに、「日本では、このVT信管の研究は 昭和20年3月にはじめられ、急速に成果を収めていったが、 B-29の爆撃で被害を受け、終戦を迎えた。昭和7年、東北大学 で電波高度測定の研究がされたが、その研究がVT信管に直結 していた(中略)。と伊藤技術大佐は嘆いている」 との記載があるのですが、日本のVT信管開発の取り組みに ついて、ご存じの方がおられましたら、教えてください。 お忙しいところ、大変お手数ですが、よろしくお願いします。 高村 駿明 |
- Became Operational: September 1944
War Status: under preparation for practical use
Installed: ground shore batteries, heavy cruisers and battleships
Purpose: anti-surface ship gunfire control
Wavelength: 10 cm
Peak Output: 2 kw
(1)に関して、性能は以下の通りです。
Transmitter: magnetron
Receiver: crystal
Detector: n/a
Detected: large surface ships 30 km
Weight: 5000 kg
Number built: 60
Antennae: square horn, send and receive separate us
また、外観は
http://www1.odn.ne.jp/~aac00450/zem2.html#sonota
にあります。このページは海軍レーダー徒然草と言う、元海軍のレーダーを操作されていた方が作製したページです。掲示板もあるので、質問したらより詳しい答えがあるかもしれません。
http://www1.odn.ne.jp/~aac00450/index2.html
富士見町
- >富士見町様
面白いサイトもあるものですね、世の中広い。
じっくり見ようっと(笑)
北方不敗
- 1)三号二型電探は二号二型系列に属するもので、書かれているように昭和19年8月に試作器が完成して月島でテストが実施されています。性能としては対戦艦において。
測距距離30q
測角精度0.5度
測距精度500m
という具合でした。
2)我が海軍のVT信管は
1、地上よりの電波指令で砲弾を炸裂させる
2、米国式に全て内蔵する
という二本立てで開発が進行していました。
1に関しては12センチ高角砲を用いた実験が、2に関しては迫撃砲を利用して対衝撃実験を実施しており、ある程度の目鼻がついた段階で終戦を迎えてたようですね。
tackow
- Ans.Qなので手短で失礼しますが、皆様どうもありがとうございます。長年の疑問が氷解しました。しかし、日本がVTの研究をしていたとは意外でした。
質問者
- 横からすみません
>3
測距制度500mというのは、射撃管制用としてはどうなのでしょうか?当たるんですか?
Yakisaba
- 制度=精度です
Yakisaba
- 米軍の初期型の射撃管制レーダーであるMark 3 でも精度は40ヤード(37m)ですから、それに比べるとずいぶんと劣りますね。主砲の散布界が前後400m位ですから、まずこの精度では当たらないことになります。
最近文庫本になった、「戦艦大和開発物語」に、松井宗明さんという元技術少佐の方が武蔵のレーダーについて書かれています。21号電探を使って、測距ができないかと要請され、改造して測距可能にしたそうです。電探の映像は直径80mmのブラウン管(今で言えばせいぜいホームビデオカメラ程度)で見るそうですが、これを対空見張り用の150kmから測距用に50kmに切り替えできるようにして、スクリーン上で1kmが1.5mmになるようにし、パラフィン紙の目盛りを貼り付けて読んだそうです。
また、距離を読むシーンもありますが、そこでは440、435と500m間隔で距離を読み上げています。
http://www.t3.rim.or.jp/~ake/truk2/sennki.htm
からの引用ですが、
「(長門)兄部艦長は、射撃用電探にもっとも力を入れた。本式のレーダー射撃は、完成していなかったので、これは22号電探を使って距離を測定するだけのことだが、演練の結果、目標に対して左右誤差1度以内、遠近誤差0.01キロというところまで、精度が向上した」(阿川弘之著『軍艦長門の生涯(下)』P240)
軍艦長門の生涯は読んでいるのですが、倉庫にあるため引用が正しいかどうか確認できませんが、0.01kmはちょっと大げさな気がし、0.1kmの間違いかもしれません。
対空見張りようを改造したものでも500m位は読めたようですので、32号はもう少し精度が高いような気がします。
富士見町
- 二号二型電探の改良が実施され(二号二型改3受信機改付:測距精度100m、測角精度0.5度)艦艇に装備されたのは比島沖海戦の直前ですから、実験段階の三号二型電探より精度が優って当然とも思えます。
また、戦艦に装備されていた基線長10mの測距儀は、最大誤差1200m、公誤450mで、それを用いて有効な射撃を実施できていましたから。三号二型電探の測距精度が500mとしても射撃に用いることは可能だったと考えられます。
tackow