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2121 あの、お聞きしたいのですが、
大戦初期の日本主力空母に搭載されていた、零戦、九九艦爆、九七艦攻の中でまともな折りたたみ翼をもっていたのは、九七艦攻だけだった記憶しています。
もしも、九九艦爆に、九七艦攻程度の折りたたみ翼を待たせることが出来たなら、各空母の常用機数は増やす事が出来るでしょうか。
出来たとするなら、赤城級の66機、蒼龍・飛龍級の57機、翔鶴級の72機から何機まで増やす事が出来ますか。
HITO

  1. 九七艦攻は主翼を折りたたむことによって、全幅7.3mとなりますが、九九艦爆も外翼を折りたたむことが出来、全幅11mになります。零戦も同様、翼端を折りたたんで、全幅11mになります。


  2. 翼を折り畳むと、当然搭載機数は増えるでしょう。空母の格納庫の図面を引いて、そこに翼を折り畳んだ状態の投影図を並べてみると、どのくらい搭載機数が増えるか分かると思います。

    ただし、ほぼ水平に飛行すれば良い艦攻に比べ、高機動を行う艦爆、戦闘機はより翼の強度が要求されます。このため、翼を艦攻並に折り畳むとなると、その部分の強度を維持するために、かなり重量が増えることになると思われます。重量増加によるデメリットの方が、搭載機数を増やすメリットよりも大きいと、当時は判断されたのではないでしょうか。

    また、九七艦攻も当初は油圧での翼の伸展が予定されていましたが、最終的には手動となっています。このため、発艦準備の時点で、翼は伸ばした状態にしておく必要があります。一度に甲板上に並べることができる機数には限りがあるので、一回攻撃に発艦できるのは半数程度です。すなわち、二波で全機出撃できるわけです。攻撃搭載機数が増えると、3回に分けて出撃する必要がでるなど、搭載機数の増加がそのまま戦力の増加に結びつくものでもないと思われます。油圧で翼の伸展が可能ならば、翼を畳んだ状態で甲板に並べ、滑走寸前に伸展することができるので、一波での出撃機数が増加し、搭載機数が多いほど有利になります(もちろん、程度の問題ですが)。

    要するに、単に折り畳みを実現したとしても、機体性能の低下、同時出撃可能な機数は増えない、などが予想されるわけで、最適な解を見つけるのは簡単ではないと言うことです。

    富士見町

  3. 昭和18年1月21日付の龍鳳艦長からの報告によれば当時の龍鳳は零戦三二型を21機(上部一番格納庫3機、二番格納庫18機)、九九式艦上爆撃機二二型を5機(上部一番格納庫1機、下部三番格納庫(前部)2機、下部四番(後部)格納庫2機を搭載可能で、九九式艦上爆撃機二二型に代わり十四試艦攻7機を搭載できるとしています。
    主翼を大きく折り畳める天山の格納機数が九九艦爆に対して増えていない点が興味深いですね。
    BUN

  4. 便乗質問なのですが…
    以前友人に同じような質問をしたら
    軍が設計依頼した時、エレベータに載る様に最大幅を11mと指示したためで、もっと小さく出来る様にも作れたんだ…って言われました。
    本当でしょうか?
    tomo

  5.  そういえば、天山や彩雲のあのビミョウな傾きを持った方向舵後端も、エレベータに収めるためだとか、とも。
    居眠り将軍

  6. エレベーターの寸法は年を追うごとに拡大され、後期は幅13m程度がスタンダードになっています。搭載機の折り畳み機構をもっと徹底して格納機数を増大する研究も実際に行われていますが、昭和18年の性能標準に記載された格納時の機体寸法枠は、折畳み時の幅8.5m、長さ12m、高さ4.1m以下となっています。
    また彩雲はエレベーター寸法の制限から信濃でさえ格納庫内に収容できない為、甲板上に露天繋止される予定でした。
    BUN

  7. 有り難う御座いました。
    関連として、ワイルドキャットの折りたたみ翼が素晴らしいと思っていたのですが、あれも、グラマンならではなのですね。
    HITO


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