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はじめまして。 以前から疑問に思っていた事があるのですが、どうやって調べたら良いか、それさえも解らずに色々検索しているうちに、こちらに辿り着きました。 船(軍艦?)や潜水艦で「進路0-2-0」とかいうセリフを聞くのですが、この3つの数字はそれぞれ何を意味するのか、どなたかご存じないでしょうか? ・・もしかしたら長い説明にを必要とするのかも知れませんし、あまりにも初歩的な質問かも知れませんが、知っている方がいらっしゃいましたら、何卒お教えください。 m(_ _)m まりん |
- その3桁の数値は方位を表します。真北から時計回りにとった角度です。
真北が0-0-0、東が0-9-0、南が1-8-0、西が2-7-0です。
TETSU29
- TETSU29さん
早速のご教授、ありがとうございます。m(_ _)m
・・ですが、勝手言って申し訳無いのですが、もう少し解りやすく・・というか、細かくお教え頂けますでしょうか?
例えば『「2-7-0」の場合、最初の「2」が○○を示し、次の「7」が○○、最後の「0」が○○。なので潜水艦等の三次元的な動きをする船の場合、○-○-○という進路指示になる事もあります(この場合はこの「○」が何を、この「○」が何を・・。』といった具合に。
最初に申し上げた通り、素人に説明するのは大変面倒な事かも知れませんが、何卒お願い致します・・。 m(_ _)m
まりん
- 真北が0度として時計回りにとった角度、 東が90度 南が180度 西が270度という意味です。
2−7−0 だったら2が百の位、7が十の位、0が一の位 としか言いようがないですね。
たぶん難しく考えすぎです。
えっくす2
- まりん様は「3桁の数字」を「座標」と考えていらっしゃるのではないでしょうか?
手元に方位磁石(分度器でも可)が有れば簡単に理解できます。
吠電
- 1番の私の回答が不親切だったようです。申し訳ありません。
質問文中の例「進路0−2−0」は「進路、北北東わずかに北寄り」といった意味になります。ただ、このような表現ではどうしても曖昧になってしまうため、方位を角度で表します。「20度」とか「270度」と言わずに「0−2−0」とか「2−7−0」と言うのは、命令伝達や復唱時に誤解が起こる事を避けるためです。
例として南西に進路を取りたい場合は、「にひゃくにじゅうご(two hundred twenty five)」と言うよりも「にぃ-にぃ-ご(two-two-five)」と言ったほうが言い易く、聴き取り易いからです。
TETSU29
- 潜水艦の3次元運動の場合は、「深さ○○、進路○ー○ー○」と言うように二つの命令が発令されます。
つまり、
指揮官:「深さ○○、進路○ー○ー○、ヨーソロー」(発令)
操舵員:「深さ○○、進路○ー○ー○、ヨーソロー」(復唱)
・・定深時・・・
操舵員:「深さ○○、ヨーソロー」(報告)
指揮官:「ヨーソロー」(確認)
・・進路移行が終わって・・・
操舵員:「進路○ー○ー○、ヨーソロー」(報告)
指揮官:「ヨーソロー」(確認)
・・3次元運動終了時・・・
操舵員:「深さ○○、トリムよし、進路○ー○ー○、ヨーソロー」(報告)
指揮官:「ヨーソロー」(確認)
と言った具合に手順が流れて行きます。
ちなみに、旧海軍・自衛隊で使われている「浮きあがれ」という命令は、潜航状態から浮上状態への移行を指示するものなので、潜航状態での深度変更時に使用されることはありません。
余談ですが、「進路○ー○ー○」と言う言い方は、「真方位(コンパスの北を000度とする)」の場合で、
「相対方位(現進路を000度とする)」の場合は、「面舵(取舵)○度のところ」と言う言い方になります。
また、私は自衛隊艦艇以外の乗組経験はないので民間・他官庁は解らないのですが、海上自衛隊では
1・2・3・4・5・6・7・8・9・0 は、ひと・ふた・さん・よん・ごぅ・ろく・なな・はち(または、やぁ)・きゅう・ぜろ(または、まる)と発声していました。
方位等の発声では、「0−2−0」は「まる、ふた、まる」のように、「ぜろ」ではなく「まる」のほうが多かったと記憶しております。
元むらくも乗員
- 皆様、大変丁寧な説明をありがとうございました。
大変参考になりました。 m(_ _)m
・・ちなみに、お教え頂いた中で、忘れていたもう一つの質問が浮かび上がってしまったので(笑)、しつこいようですがお教え頂けますでしょうか?
・・・「ヨーソロー」ってどういう意味なのでしょうか?
「オーバー」とか「オクレ」と同じような意味で用いられるのでしょうか?
・・・済みませんが引き続きお教え頂けますよう、お願い致します。
まりん
- まりん様。
「ヨーソロー」は「宜しく候(よろしくそうろう)」が省略され、短くなったものだと言われております。
意味としては、「了解。現状を維持するように」みたいな感じですね。
ちなみに、私は海自在職中、「オクレ」という語は使ったことがありません。「再送」と言う言い方をしていました。
無線通信で、「オーバー」は普通に使われていますね。
余談ですが、「通信終わり」は「アウト」、
「ちょっと待って。調べてから送るから・・」と言うような状態のときは、「ウエイト アンド アウト」と言う言い方をします。
元むらくも乗員
- 便乗質問で、連続質問となり申し訳ありませんが、海自水
上艦艇では進路(針路?)を270度に取る場合は「ふたひゃく
ななじゅー度。ヨーソロー」とオーダーしているように聞い
ていますが、潜水艦だと必ず頭に「シンロ」という言葉を
付け「進路(針路?)。ふた。なな。まる。ヨーソロー」
というようなオーダーになるのでしょうか。
ご教示お願いいたします。
」
SAW
- 7.>まりん様。補足です
「ヨーソロー」の意味合いの補足・・というか訂正です
誰が、どのタイミングで言ったかで、ニュアンスが違ってきます。
以下は指揮官←→操舵長←→操舵員の指揮伝達の例です。
・進路0−0−0で航行している状態だと思ってください・
指揮官:「進路0−2−0、ヨーソロー」←聞こえたか?うまくやれよ。
操舵長:「進路0−2−0、ヨーソロー」←了解しました。
操舵長:「おも〜か〜じ(面舵)」
操舵員:「おも〜か〜じ(面舵)15度、ヨーソロー」←はぁい。
・艦首が右に廻りだしたあたりで・
操舵長:「取舵に当て」
操舵員:「ヨーソロー、と〜りか〜じ(取舵)」←やりまぁす。
・進路0−1−8あたりで・
操舵長:「もど〜せ〜(戻せ)」
操舵員:「もど〜せ〜(戻せ)、舵中央、ヨーソロー」←やりましたよ。
・進路0−2−0になって・
操舵員:「進路0−2−0、ヨーソロー」←進路変更おわり。
操舵長:「進路0−2−0、ヨーソロー」←進路、定進しました。
指揮官:「ヨーソロー」←了解。現状を維持せよ。
操舵長:「ヨーソロー」←指揮官へは「了解しました」、操舵員へは「いらんことするなよ」の意味
操舵員:「ヨーソロー」←わかりましたぁ
というような感じです。
ちなみに、単に「面舵(取舵)」といった場合は、舵角15度、
「面舵(取舵)いっぱい」といった場合は、舵角30度を意味しています。
当て舵は、基本的には舵角5度です。
9.>SAWさま
普通は、「進路」は付けません。あくまで、説明用の凡例ということで御理解いただきたいと思います。
(相対方位の変進の場合は、比較的、「進路」を付けることが多いです。)
また、「ふたひゃくななじゅうど」と言う指揮官と、「ふた、なな、まる」と言う指揮官がいますので・・
それは指揮官の言い方に合わせる形になっています。
元むらくも乗員
- 元むらくも乗員さま
大変丁寧な説明、本当にありがとうございました。とても勉強になりました。
皆様へ
余りにも素人なので初歩的な質問ばかりで本当にお手間をおかけしました。
また何かあったら教えを頂きたいと思いますので、その節は何卒よろしくお願い致します。
m(_ _)m
まりん
- ご教示ありがとうございます。
商船では英語を常用するようで(日本船でも)
「コース・ツー・セブン・ゼロ」とオーダーするようです。
恐らく米軍も同様と思われます。
これが軍事小説で「進路2−7−0」と翻訳されたようです。
某潜水艦漫画でも使用されていたような気がしますが、軍事
小説を参考にしているかも知れません。
元むらくも乗員氏のお話によれば、海自では真方位を使用した
オーダーに「進路」を使用することは少なく、商船および米軍
(当然ですが)では英語を使用しているようですので、
「シンロ2−7−0」
とオーダーする頻度は、小説や漫画の登場人物の方が、実物の
船乗りよりもはるかに多いような気がいたします。
(海上保安庁の操舵オーダーは日本語を使用しており、海自に類似
しているようです。)
SAW
- >10 元むらくも乗員 さん
便乗質問申し訳ありませんが
>面舵(取舵)いっぱい」といった場合は、舵角30度を意味しています。
今の護衛艦のいっぱい舵の舵角は、30度なのですか?
旧海軍では、面舵・取舵の舵角は15度、いっぱい舵の舵角は35度と記憶しておりますが......
セミララ
- 13.>セミララ様。
海自で、30度超の舵角を使用する場合は、「緊急操作扱い」になるようなので、具体的に舵角を指示しています。
たとえば、「取舵(面舵)35度」というように、です。
当て舵の支持も、廻りが速すぎるようであれば、具体的な舵角の指示が出ます。
「取舵(面舵)に当て、10度」みたいな感じですね。
元むらくも乗員
- 御回答ありがとうございました
>海自で、30度超の舵角を使用する場合は、「緊急操作扱い」になるようなので、具体的に舵角を指示しています。
この様子だと、今の護衛艦では、旧海軍で使っていた「急げー」も使わないのでしょうか
「面舵いっぱい 急げー」とか「後進最大戦速 急げ2分の1」とか......
セミララ
- 自衛艦の速力通信機には「急げ」スイッチが、機関管制室には「急げ」ランプがある(らしい。)
今は退役した輸送艦が接岸する直前に「両舷停止急げ。」と艦長がオーダーした記憶あり。
ただし護衛艦では「後進原速」の次は「後進一杯」となっており、「2分の1」というオーダーも聞いたことがない(何を「2分の1」にすれば宜しいのでしょうか。)で、急ぐ急がないに関わらず、「後進最大戦速 2分の1」というオーダーそのものが存在しないと思われる。
SAW
- >(何を「2分の1」にすれば宜しいのでしょうか。)
蒸気タービン艦では(ディーゼル艦は知りません)、速力を増減するには、全て時間が決められているのです
例えば、○ノットを×ノットにするには、◎分△秒の時間をかけるという風に......
この「急げ2分の1」という号令は、その速力増減にかけなければならない時間を半分にしろという意味です
セミララ