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日本艦艇は米艦艇より浸水に弱いようなことをよく効きますが排水ポンプが少ないとか構造的な大きな弱点があったのでしょうか? 素人 |
- 日本艦艇について、一般によく指摘されるのは・・・
・中央縦隔壁をもつため、片舷に被害が集中すると転覆しやすい。
(中央に隔壁があるので、浸水が片舷に偏る。軽微な場合は反対舷への注水で均衡を図れるが、反対舷の注排水区画の能力を超える浸水だと、艦の均衡が保てなくなり、転覆の危険が大きくなる。)
・缶−機関−缶−機関のシフト配置をとっていないため、機関のダメージを局限しにくい。
(缶と機関がそれぞれ一箇所に集中しているため、一部の被害で缶が全滅とか機関が全滅といったことになりやすい。缶が全滅すれば、機関が生きていても航行不能。シフト配置の場合は缶と機関を組で配置しているため、1組の機関と缶がやられても、もう1組の缶と機関で航行できる。)
・排水量が同等の艦で比較すると米艦の方が乗員数が多い。
(翔鶴級:約26000トン/約1660名、エセックス級:約27000トン/約2680名。ダメージコントロールは、やっぱ人手がモノを言います。)
・・・と、いうような感じでしょうか。
つね
- 米艦の方が一般的に
・予備浮力が少ない。
・船体強度で劣る。
・重心が高く復元性でも劣る。
つまり浸水等には「弱い」です。
また、空母以外の艦艇では、双方の乗員数に顕著な違いはありません(例えばアトランタと阿賀野では阿賀野の方が100人近く定員は多い)
また大型艦艇(戦艦、空母、重巡)の場合、沈没事例はそれぞれ特別な理由あってのことで、それが「日本艦」や「米艦」に普遍的に適用できるとは思いがたいです。
また駆逐艦級以下の場合には、一応、普遍的というか一般的に適用可能な要素が一つ挙げられます。
それは、質問のとおり排水ポンプです。
それもポンプの数や力量ではなく、ポンプの動力です。これは機関部のシフト配置とも関わりあってます。
つまり日本艦は動力が止まると、排水ポンプも死ぬのです。
人力排水しか手立てがなくなりますので、この点が日本艦では不利な要素になるようです。
米艦は別に動力付きのポンプが配置されている事が多く、またシフト配置の恩恵で主動力も死に難いのです。
SUDO
- >中央縦隔壁のため片舷に被害が集中すると転覆しやすい
特に潜水艦の攻撃を受けた巡洋艦や空母あたりが短時間で沈没したようないんしょうがありますね。
>駆逐艦級以下の場合には一般的に適用可能な要素
>動力が止まると排水ポンプもとまってしまう
そうですか。機械室をやられて航行不能になったとよく聞きますがその結果浸水が止まらず沈没って訳ですね。
>米艦の方が一般的に予備浮力が少なく、船体強度で劣り、重心が高い
けど米艦が台風には弱いとは聞きますが浸水に弱いとはほとんど聞きませんけど。
一般的に売られている戦記本では確かに日本艦に弱点があったにしてもそれを執拗につついて日本艦がいとも簡単に沈むような記述が氾濫しています。(例えば大和の弱点は副砲とか装甲板のつなぎ目とか聞きますが米戦艦のそれは聞きませし、エセックスの防御も飛行甲板に装甲がない以外はまるで完璧のように書いてましたし)
不条理ですがやはり勝てば官軍でしょうかね。
素人
- 大和級の弱点が副砲だとはよく言われることですが、戦艦の射撃がそこまでピンポイントを狙えるものではないことは、よくご存知のことと思います。
また、それを言うならアイオワ級など184mmしかない主砲天蓋を打ち抜かれたら(大和級の46cm砲なら、おおむね25000m以遠で貫通可能。)、副砲とは比較にならない被害が生じる可能性がありますし、甲板に占める面積も大和の副砲よりはるかに大きいので、直撃弾を受ける可能性も高いです。もちろん、仮想戦記のように一撃轟沈などというのは、余程の幸運(不運?)に頼らねばならないでしょうが。
勝てば官軍、というか米艦の場合、特に大戦後期において艦の弱点を露呈するような激しい戦闘に遭遇していないか、又は遭遇して大損傷しても自軍の優勢と日本より遥かに整備された補給・修理体勢により、沈没をまぬがれた、という例が多いように思います。
先の書き込みでは、日本艦についてよく言われる弱点を述べましたが、SUDO様もおっしゃっているように、特に大型艦艇の沈没にはそれぞれの理由・状況があり、それらに対して単純に○○という弱点があった、というのは結果論でしかなく、米艦ならもっと強靭だった、という普遍的な適用はできないと僕も思います。
なお、空母以外では日米艦の乗員数に顕著な違いがない、というのは僕も知りませんでした、不勉強をお詫びいたします。
つね
- 本筋からは離れますが、大和の副砲は確かに弱い部分ではありますが、その天蓋を突き破った砲弾が行ける所は通常考えられる命中角度であるならば他には無く、単にその副砲塔が沈黙するというだけのことではないでしょうか。
80度急降下で放たれた2000lb徹甲爆弾の直撃でもない限り、火薬庫どころか弾庫までも被害はおよばないと思うのですが。
まなかじ
- >5
まあ、砲弾とか、砲塔とか、弾薬庫とか、揚弾構造とかを調べた上で、砲塔被弾から誘爆というプロセスがどういう風に進むのかを考える脳みそがあれば、あんまし出てこない意見だと思うわな(笑)
SUDO
- >4
本筋から離れますが、つねさんのおっしゃるとおりだと思います。アイオワの弱点は主砲の天蓋装甲もありますが、あの長い艦首も脆いそうですね。
そもそもアイオワの主砲Mk7はスーパーヘビーシェル(大重量弾=SHS)を使用する事によって中・近距離よりも遠距離での対水平装甲貫徹力の向上を目指したものだそうです。わざわざ威力の落としてまで敵に接近する必要性のないような気が(大和の主砲が46センチと判明していないと仮定して、ですが)
遠距離から高速で走り廻りながら遠距離射撃の威力の高い主砲を浴びせる、というところにアイオワの真価があると思います。ま、主砲を打ちながら全速出しても33ノットも出ないそうですが、それ以前に船体が揺れすぎて命中しないような・・
シルバー
- >7
Mk7はあらゆる距離でトップクラスの火力を持ちますが、実用遠距離火力で考えた場合、Mk6には劣りますよ。
SUDO
- あ、そうですか。一つの資料から引用したのですが間違っていたみたいですね、すみません
シルバー