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2082 秋月型の砲塔はそれを動かす動力が少ないために旋回率が悪いと聞きました。本当なのでしょうか?

  1. 秋月級が搭載する98式65口径10cm連装A型砲塔は、20KWの電動機によって旋回俯仰を行っていたということですが、手元の資料ではハッキリした旋回速度まではわかりませんでした。
    ちなみに、日本海軍の駆逐艦が多数搭載した3年式12.7cm連装砲塔(A〜D型まであり、対空用にも用いられるよう改良されたりもしたが、本来は対水上砲)は、B型砲塔の例をとると旋回が6度/秒、俯仰が20度/秒で砲塔重量が31トン。
    秋月型の10cmA型砲塔はそれよりやや重く33トンほどですが、98式10cm砲と同時期に開発された98式8cm高角砲(阿賀野級軽巡の高角砲)は、旋回速度が16度/秒でしたので、10cm砲もこれと同等に近い旋回速度があったと考えるのが自然だと思います。
    また、98式10cm砲は大鳳級空母と大淀級軽巡にも採用されていますが、こちらは砲塔ではなく砲楯で、砲塔より軽量であることから電動機出力を15KWに落としています。従って、20KWの出力をもつ秋月級の主砲は、当時としては、特に不満の無い旋回速度であったと推察します。もし不満があるのなら、それより軽量な砲楯式の10cm砲にも20KWの電動機を搭載し、旋回能力を上げていたでしょうから。
    つね

  2. さらっと日英米の同級の砲塔を並べてみました。


    89式12.7cm/40口径高角砲(A1) 24.5〜29t 6〜7度/sec
    98式10cm/65口径高角砲(A) 34.5t   12〜16度/sec
    3年式12.7cm/50口径砲     32.5t 4〜6度/sec

    4.5"/45 QF RP10 MarkII 43.8t 20度/sec
    4.7"/45 QF CPXIX 25.5t 10度/sec

    5"/38 Mark 22 34t 14.7度/sec
    5"/38 Mark 28 77t 25度/sec

    一番下の5"/38口径Mark28は戦艦搭載砲なので流石に重いのですが、
    それ以外の砲塔は駆逐艦搭載の砲塔を挙げてみました。
    98式65口径10cm砲塔は決して速くはありませんが極端に遅いわけでもなく普通の能力ですね。
    旋回速度の速い砲塔は相応に重いものが多いように見受けられますので、
    駆逐艦に積む砲塔で比べるのならばそれ程極端に変わらないのでないかと思います。
    ルージュ

  3. ご回答ありがとうございます。レーダーで方位や高度を探知できる連合軍に対して日本は目視による対空戦闘。敵機を発見したときには既に近距離に回り込まれており、砲塔の旋回に対して偏差修正が間に合わないというか、まあ毎秒の敵機の動きが秒単位で違うわけですから、それで間に合わないということなのでしょうか。長10センチ砲の旋回率は十分にあったわけですね。ありがとうございました。



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