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日本の空母艦載機は130メートル飛行甲板があれば離陸可能だと読んだのですが、実質上、それぞれの機種がフル装備していた場合、どのくらいの距離が必要になったのでしょうか。また、甲板が長く取れないときに使われた、補助ブースター(?)について、どのようなもので、それを使用したときどれだけの距離を縮められたか教えてください。 JAKE |
- 零戦の場合は合成風速12m/秒で70m以内の離艦性能が要求されていますが、実際の過荷重での離艦には100m以上を必要としていたようです。離艦距離の長い機種の筆頭である艦偵では彩雲が合成風速13m/秒で170m以内の要求で実際に増槽を下げた過荷重状態では200m程度のようです。
飛行甲板長も大事なのですが、その母艦の速度や搭載機の状態等が重要な要因になります。
離艦補助の為に開発されたロケットは実際には使われていません。形は彗星四三型が胴体下面に取り付けるはずだったものと同様で、取付は主翼後方の胴体側面下部です(実験時)。離艦距離は概ね3割減の予定でした。
離艦距離が不足した場合に実際に行われていた方法のひとつは「離艦予定の搭載機を一部格納して飛行甲板上の配列を短縮する」といったものです。
BUN
- 一般にロケット機といわれることの多い特攻機桜花ですが、この固体燃料ロケットが「四式一号噴進器飛行機用」。離陸促進用のものは「四式一号噴進器離陸用」であり、桜花の動力と基本的に同型です。(といいますか、桜花の方が離陸促進用ロケットを流用して作られたものなのですが)
主として主翼下に取り付ける目的の小型のものが「四式一号噴進器一〇型」で静止推力400kg、燃焼時間9秒。
胴体に取り付けられる大型の「四式一号噴進器二〇型」は静止推力800kg、燃焼時間9秒。
一〇型と二〇型で燃焼時間が揃えられているのは、翼・胴で同時使用することも考えられていたためです。
片
- >離艦補助の為に開発されたロケットは実際には使われていません。
ということはマリアナ沖海戦とかで天山が使用していたという記述を
たまに見るんですが、間違いと言うことですか?
taka
- 使ってないでしょう。
艦上での試験が間に合っていませんし、その後も天山用の四式噴進器は充填された火薬にスが入っている事が見つかり全品回収されるなどのトラブルが続いています。これらのトラブル解決に秋一杯は掛かっているようです。
BUN
- 皆様ご教授ありがとうございます。
彩雲が200m…と言うことはホーネット搭載B−25のドーリットル機よりも長い、と言うことになりますね。勉強になりました。
JAKE