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過去ログでちらりと見たのですが(何番かは、忘れましたすみません) 戦艦武蔵は、シブヤン海にて撃沈されたのちに完全に沈まず、 太平洋上を移動しているというのを、見ましたが、 本当でしょうか、 武蔵 |
- 転覆して沈んだんだから砲塔が外れ落ちた筈です。という事は甲板に大きな穴が開いたわけで、まずその様な事にはならない筈です。
最も、爆発して沈んだ訳ではないので、比較的(大和と比べて)船体は原型をとどめている筈ですが・・・・・・。
きっど
- 爆発音を聞いたという証言もあるようなので完全な形かはわかりませんけどね
いまだに船体の場所が見つからないのでなんとも言えないと思いますが
完全な形なら信濃の方が可能性は高いでしょう
星芋
- 武蔵が沈没した場所及びその周辺を探しても、影も形もないんだそうです。
そのことから、武蔵は水中に没した後も、あたかも潜水艦のように水中をしばらく移動し、そして着底したと言われてます。
中には、いまだに武蔵は太平洋を彷徨ってるんだ、と仰る方もいます。
ただ、真実は分かりませんね。
ツカドン
- 多分、この話のもとは吉村昭氏の「消えた「武蔵」」だと思います。これは、氏の著した小説「戦艦武蔵」の取材記録「戦艦武蔵ノート」(文春文庫)に収録されている後日談です。
この中で著者は元乗組員から、多数の未浸水区画を残していた武蔵は完全には沈まず沈没位置から流されたようだという話を聞きます。その話から、もしかしたら武蔵はシブヤン海から太平洋に流され、海流に乗って太平洋を周回しているのかもしれないという想像を述べています。
れん太
- かなり以前の朝7時のNHKニュースで、この彷徨える武蔵を未だに探している人をスタジオに呼んでインタビューしてました。今も探しているのでしょうか・・
ワレアオバ
- 全くありえないことです。
水面下の物体が着底せずに水中を浮遊するには、その物体の比重が、深度に応じた水圧上昇により増加する水の比重と、ある深さで均衡することが必要です。潜水艦のバラスト注排水による深度調整機構はこの関係の応用であることはご案内のとおりです。
ご質問の説の論拠要旨は、上の関係をふまえて「(↑4のご指摘どおり)多数の未浸水区画を残していた」ので、艦は一定以上の深度では水と比重が均衡してそれ以上深く沈まずに潜行状態となっている、というものです。
しかし、本艦は水没後に「多数の未浸水区画」にも浸水したために、鋼鉄の躯体を周囲と同比重の水で満たした物体と化して着底したことは間違いありません。
水上艦が水没する際には、直前まで水面上にあった全開口部から浸水します。
上甲板以上からの大量浸水は、沈没・横転時のみのことゆえに水密設計の考慮外ですから、船体内にも大量の水が流入します。船体内に健在な防水隔壁があっても、水平面の防水扉が艦底方向からの浸水対応設計であるため、逆向きの水圧をともなう大量浸水は防ぎきれません。
さらに、艦の水没深度増大に応じて水圧が高まり、なお健在だった船体内の防水隔壁の扉が順次破れ、船体内は満水状態となります。
なお、被弾の衝撃や不均衡な浸水で船体や隔壁に歪みが生じていれば、以上の要因による浸水はより速やかに進行します。
特に本艦の場合、戦闘被害による上甲板以上の多数の破口、転覆による砲塔脱落部の開口、総員退艦時の一部の扉開放等の条件があるようですから、水没後の浸水は急激に進行し、一定深度を維持する浮力を保っていた可能性は皆無です。
なお、沈没過程での潮流等による移動はある程度考えられますが、鋼船それも特に比重の重い戦艦が「シブヤン海から太平洋に流され」るような潮流はありえません。
沈没個所が特定されていない理由は、既済の調査のレベルの低さです。今後きちんと探査すれば容易に発見できますが、戦時中の軍艦に対する一般的関心の低さがネックで資金の目算がないと思われます。
はつゆき