2029 |
申し訳ありませんが、素人考えで高度が高い敵に高角砲、速度が速い敵に機関砲などと認識しているんですが? 初心者 |
- 大戦中の我が海軍では、高角砲および対空機銃の標準的な射距離として以下の様な数字を用いていました。
高角砲:12000〜3000m
25mm機銃:3500m以内
13mm機銃:2500m以内
速度に関しての規定は判りません。
tackow
- 「撃墜する」ことのほかに、高角砲・機関砲には「寄せ付けない」という役目があります。機関砲の濃い弾幕の中へ飛び込めばそりゃあ落ちるでしょうが、有利な投弾位置を占めさせない、というのが役目であったろうと、これは陸者の想像です。そのために、長射程少数、短射程多数の兵器を組み合わせて可能な限り敵がリスクを受ける範囲を広げたであろうと。
マイソフ
- 新参者です。
想定している的速は300Km/hぐらいで、高角砲も機銃も変わらないと思います。想定高度、射距離ことなるだけでしょう。速度ということなら、日本の場合25ミリの三聯装は俯仰、旋回を別々の人間がハンドルを回して行うので、追従性は絶望的でした。
そこで距離と高度をあらかじめ決めて置き、そこに敵機が来たときに発射するという用法に変更したところ撃墜率が上がったと海防艦戦記だかに書いてありました。
単装のほうは、一人で俯仰、旋回、発射を行いますが、照準機が情けないもので、しかも弾数が15発と少ないので、効果は殆ど無かったと聞いています。
ノレツヲハイ
- >2
日米両軍の攻撃機で、対空砲火を嫌って行動したと言う事例は殆ど無いので、近づけないという事を目的とした装備例は恐らく無かったのではないかと思います。
大戦中盤以降の急降下爆撃機では、高角砲弾幕を回避するために高度8000以上まで上がって接近するという事もしてます(両軍の主要高角砲の有効射高を考えれば、急降下前に阻止弾幕が形成できない)
余談ですが、この高高度侵入を活用するにはブレーキを使わない緩降下爆撃の方が有用だったと思われます(実際ブレーキ開かない事例が多い)
また、大戦末期に特攻が登場するに及んで、近距離防空火器の無力さが明らかになっています。
20mm機銃は40mmに、40mm機銃を76mmへと、射程延伸に進んでいく傾向があります。
これは、敵機が突っ込んでくる以上、射撃時間≒射程距離だからです。
大型火器の射撃速度の問題は、射撃時間で補えるのです。射高で言うと、40mm機銃は7000m、20mm機銃は3000m(対空射程は状況次第なのでここまでの差は無いですが)距離1000まで接近されたら爆弾・魚雷が投下されるのですから、双方の有効射撃時間は3:1になります。言うまでもなく射撃時間は射弾修正の機会にも影響するので、双方の対空効力は3倍以上の開きがあると言えるでしょう。
陸戦ですと数トンもある機関銃システムの配置や運搬にも大きな問題が生じますが、艦艇の場合は(復元性やスペースの問題はありますが)それほど切実ではないので、入手できる限り大口径・大射程の火器を増備する傾向にあります。
また艦艇の対空火器は自衛用と同時に、艦隊中央部に位置する自軍重要艦艇の防御という目的があります。
艦は1km前後の(場合によってはもっと広い)間隔で展開してますので、短射程火器は友軍に向かう敵機を阻止できない事になります。
よって艦艇・艦隊の防空火器は長い射程を持つものを多めに装備する事が重視されています。
大戦時に多くの艦艇の対空火器の増強が行われましたが、状況が許すならば、機銃ではなく高角砲を、機銃でも可能な限り大型のものを増強する傾向にあったといえます。
>3
俯仰と旋回を別の人間が行うのは、この時代の対空機銃システムでは極普通の事です。
追従性が悪いのは俯仰旋回速度の問題では無いでしょうか?
SUDO
- 大戦中、わが海軍では高角砲で敵機を撃墜する事は困難である。と認識しており、撃墜よりもむしろ撃攘(追い払う事)や攻撃の妨害を想定していたようです。反面、機銃は接近する降下爆撃機と雷撃機に対して高角砲より有効と判断されていました。そうしたことから、大戦後半の我が海軍においては機銃重視の方向に向かっていたといえます。
ちなみに、当時想定していた敵機の速度は300ノット程度でした。
海防艦?で実施された機銃の射撃方法は珍しいものではないですが、実際に効果があったかは疑問ですし、普遍的に実施されていたわけではないと思います。
tackow
- “素人考えで”との事なので、簡単な例え話で説明をさせて頂きます。(なお当方、火砲の詳細なスペックやデータなどの知識は持ち合わせておりません)
>高度が高い敵に高角砲、速度が速い敵に機関砲
この場合、「高度が高い=目標が遠い、なおかつ位置が高い」「速度が速い=目標が近い」と解釈してよろしいでしょうか?
・・・いくら速い物体でも遠くにいると遅く見えます。高空を飛ぶジャンボ機の姿より町中を飛び回るスズメの方が速く見えますよね?
貴方に2種類の武器があるとします。ひとつは大きくて重く、一発ずつしか撃てないが遠くまで飛ぶ「武器A(つまり砲)」、もうひとつはコンパクトで軽く、数十発の連射が利くが射程の短い「武器B(つまり機銃)」です。
高空のジャンボ機相手なら迷わず武器Aを使うでしょう。理由は簡単、“距離が遠い”からです。飛び回るスズメ相手なら武器Bを使うでしょう。上下左右に楽に振り回せ、しかも弾数も多いのが利点です。この場合、遠くまで飛ぶ武器Aでも使えないことはないですが、狙いを定めるのに苦労は必至です。【この例えの場合、ジャンボ機とスズメの耐久力の差、及び照準装置の云々については無視して下さい。】
・・・場所は変わってサバイバルゲームの真っ最中です。参加者の貴方には長物のライフル(但し1発ずつ装弾できない)と装弾数15発の拳銃が与えられました。はるか丘の上から敵の兵士が数名こちらに突っ込んできます。この場合も最初にライフルから使うのではないでしょうか?グッと狙いを定めてパン、パン、パンと。・・・最初はゆっくりと向かってきているようにしか見えなかった彼らが次第に近づくにつれ、動きが速く思えてきます。彼らはさっきから同じ速さで走っているのに…です。相手との距離数m、パッと彼らは四方に散らばって私を狙ってきます。こうなるとライフルでは振り回すのに難儀して狙いがつけにくく、腰の拳銃を抜いて応戦しませんか?【ライフル=高角砲。拳銃=機銃。丘から駆け下りる敵兵=急降下爆撃機。至近距離で乱舞=艦にまとわり付く敵機群】と仮定しています。
紀伊国屋