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1932 護衛艦に搭載されている20ミリ機関砲CIWSについてお尋ねします。

1 護衛艦の種類によって設置する位置が艦橋の左右に付けるもの(あさぎり  級とか)前後に設置するもの(こんごう・むらさめ級等)があります。昔  の船は左右に、こんごう級以降は前後に付けているみたいです。付ける位  置には、やはり深い意味があるのでしょうか。
2 CIWS搭載数は1基か2基です。艦橋の前後左右に4〜6基ほど搭載するわ  けにはいかないものでしょうか?CIWS本体の重量とか20ミリ砲弾の搭載  スペースとかの問題でたくさん設置できないのでしょうか?
 
もぐら号

  1. 2番についてですが、あまり意味がないのではないでしょうか?
    CIWSは一基で1分間に3000発程度うてるそうなので火力としては十分だと思います。また対空兵装として「こんごう級」の場合、スタンダードミサイルがあり、それでも対処できなかった場合は単装速射砲があります。射程も2km程度だったと思うのでスタンダードと速射砲で対処できなかった場合の最後の手段として使うのだと思います。どうせならRAMを搭載したほうが有効だと思います。素人なので間違っていたらすみません。
    蒼坂

  2. 1:
     前後に装備した艦は、建造当初から装備を予定していた艦で、左右は建造後・建造中に追加装備されたものです。
     言い換えると前後に具合の良い場所が無いから左右配置に鳴ったともいえます。
     CIWSは基本的に対艦ミサイルに対する防空用の代物ですので、撃たれた艦は、ミサイルへの暴露面積を最小にできる前後方向を向けるように努力しますので、前後配置が望ましく、また左右方向からのミサイルに対しても、場合によっては2基のCIWSが対処する事も期待できます。左右配置の場合は、艦の首尾線方向は左右僅かにずれても1基しか向けられません。

    2:
     重量やスペースの都合もありますが、CIWSは名前のとおり、クローズ・イン・ウェポン・システムで、基本的に難しい処理は出来ないのです。
     極端に言うと、スイッチが入ると勝手に捜索して勝手に照準して撃ってしまう武器で、多数搭載しても、たぶん一番近いミサイルだけを皆で狙ってしまうのです。同じ物を狙うなら、CIWSについているレーダーやコンピュータは1セットあれば十分です。射撃指揮装置と複数の機銃をセットにした対空システムは第二次大戦中から存在します。CIWSの利点はオールインワンで乗せて電源つなげるだけでつかえるというお手軽さにあり、多数配置とそれに見合ったシステムの設定は、CIWSの利点を放棄するのと同義です。
     ロシアの大型艦などでは射撃装置とセットにした多数の機銃といったシステムも使ってますので、多数の機銃が欲しいならそういった方向性に進むと思われます。
     また機関銃は射程が短いのです、対艦ミサイルに数キロメートルの距離に踏み込まれた場合にしか使えません。極論するなら最後の保険ですので、それ以前に始末する機能に重量やコストは回される事になる訳で、これもCIWSの多数配備を否定します。

    SUDO

  3.  CIWSの装備位置は最後に決まるんじゃないでしょうか。言葉は悪いですが「余った場所」です。その中で前後方向に装備されているのは射界が広く取れるのもあると思います。
     舷側に配置されている艦艇は構造物に射界が邪魔される可能性があります、自分を打つ事はプログラム等で規制されているのでしょうけど「きり型」などは後方は死角になりそうです。

    >2
     一つの射撃装置と複数の機銃を組み合わせた場合、パララックスの為に精度の低下を招くのでは?どうしても多数装備に走るのであれば、(射撃装置と一体の)CIWS自体の数を増やす方向に行くのではないでしょうか。
    tackow

  4. >2
     あれ、はつゆき型とあさぎり型のMk15 CIWSって後日装備でしたっけ?(;^_^A

     そーいえば、あぶくま型はMk15 CIWSを艦後部に1基のみ搭載し、前部はRAMを後日装備する予定になってますが未だに着手されてませんね。装備しないまま退役になってしまうのかなぁ・・・

     余談。以前、世界の艦船誌で『海自ゴールキーパーCIWSを導入か?』という記事を見た記憶がありますがガセだったのかな?
    ブラック・タロン

  5. 20mm ファランクス CIWS の利点は機銃、弾倉、駆動機構、照準機構がワンユニットで、極端に言えば甲板上に載せてボルト留めするだけで使えます。30mm 級の CIWS はレーダーユニットが別だったり、弾倉や駆動機構が甲板下になったりするので、既存の船に後づけするのは色々と難しいようです。
    ささき

  6.  CIWSを海上自衛隊で一番最初に装備したのはDDH「くらま」です、「しらね」は後日装備でした。
     はつゆき型は、計画時では装備される予定でしたがはつゆき/しらゆき(他初期建造艦がそうだった様に覚えてるんだけど)は確か就役当時には装備が間に合わなかった為後日装備されたはずです。>ここん所ちょっとうろ覚え。
     ただ、両方とも新造時からCIWSを装備する事を前提に計画・建造されたものです、以降の艦も同様です。
     CIWSを艦の左右に振り分け装備するのは前後に装備する位置が無かったからとしか言い様が無いですね、前後に装備する艦は、初期建造艦に対してずいぶん排水量(サイズも)が増えた事に注目して下さい。(十分余裕があったはずのDDHがそうなっていないのは、あれでもサイズに余裕が無いからなんです)
    ooi

  7. CIWSを多数搭載しない理由は費用対効果です。
    20mmCIWSの命中精度・弾頭破壊力・故障率は優れており、
    一隻に多数を搭載するよりも2基ずつ搭載し、搭載艦船を増やす方が
    リスク分散の観点からも有効です。

    尚、20mmCIWSは弾体重量が当初の1.5倍に増やされるなど性能向上が
    図られており、周辺諸国の海軍艦艇(誘導弾)の配備状況から判断して
    現段階では30mmCIWSやRAMに積極的に転換するメリットは少ないと
    判断されています。(これには様々な意見がありますが、
    人も物も金も不足気味ですので。)
    CSEDS

  8. 話は外れますが、質問の妙な「間」は何なのか非常に気になります。
    magach

  9. >3
     いや、複数のCIWS(射撃装置)を積んだら、それの連携を組み込まないと意味が無いんですよ。
     機銃の射程と対象の速度を考えた場合、その狭いレンジに複数の射撃装置が介在する意味は無いでしょう?
     同一の対象を狙うなら、射撃装置は一組で良い筈で、それで可能な限り短時間で確実に始末して次の対象に移行するほうが、恐らく複数のCIWSで平行して処理するよりは(レンジが狭いので)効果的でしょうし、高価な射撃装置や電探を複数積むよりも安価になるし、同一コストならより高性能な射撃装置を組み込めると思います。

    >はつゆき型
     「あぶくま」のRAMと同じで、載せられるなら載せるツモリで計画されて、政治環境(予算)が搭載を許したので載せたもので、搭載を前提で船体設計をしたというよりは、その程度の重量余裕を見込んでいたって程度だと個人的には認識しています。
    SUDO

  10. >9
    はつゆきはそれでいいとして、あさぎりにはその論は通用しないような気もしますが。
    前後配置には、艦艇へのステルス構造導入も無縁ではないように思います。

    もっとも、ざっとこの頃の水上戦闘艦見てみましたが、CIWS2基も搭載する艦って意外にないですね。
    欧州艦はほとんどが後部ヘリ格納庫上に1基だけ、です。
    勝井

  11.  複数のCIWSを搭載している場合には、CDSから脅威度による優先順位が各CIWSに伝達されるのでしょうか?ファランクスの場合には「割り込み」が出来るようですが、射程やリアクションタイムを考えると、CIWSのFCSに割り込むのは無駄な気もします。つまり、全てのCIWSが同じ目標を狙っても問題ないということです。

     短時間で確実に目標に対して直撃弾を与えるため「自弾を見ながら」自弾と目標の誤差を修正していく必要があるのですが(と認識されているようです)。そうした場合、艦上に設置したFCSよりはCIWS自体に組み込まれたFCSで行うのが定石のようです。
     一つのFCSで複数の銃(砲)を管制するCIWSとしては。例えば、30o多連装機関砲を用いたロシアのシステムがありますが。レーダーが別置きですから精度面では不利と考えられていますね。
    tackow

  12. >10
     きり級は元々ゆき級だった訳だから、武装も含めて根本的な考え方は同じだと思うのですが?

    >11
     そうです。割り込むのが無意味だから、複数のCIWSは要らないんですよ。
     複数の機銃(照準)の利点は、同時に多目標対処ができる事であって、それをしないならば、複数のCIWSは単に命中速度が若干改善されるかもしれないと言う程度のものにしかならない。
     よっぽど上手くやらないと無駄なロスタイムだけが増えますよ。

     それなら、その重量とコストをより大きな機銃(ゴールキーパーとか)にするか、連装とかで弾丸数を増すか(メロカなんかこれに近いかな)に費やすのが無難ではなかろうかと思うのです。
    SUDO

  13.  いや、「一つのFCSで多数の砲を管制する」CIWSよりも「各々独立して射撃する」CIWSの方が有効、ということです。確かに狭いレンジでの話で無駄にはなりますけど、現状だとどうしようもないでしょう。艦上にあるFCSで多数の砲を管制でき、かつ命中率が良ければそういう方向に進むとは思いますが。

     以上は3番で書いた通り(船形の問題などで)「どうしても多数装備に行く場合」の話で、護衛艦程度であったらマストの上にでも一基だけ装備するのが合理的なんでしょうけど。
    tackow

  14.  アイオワ級戦艦は CIWSを4基装備し ニミッツ級は3〜4基装備していますが これらの場合はどうなのでしょうか
    セミララ

  15. >14
     #13でtackowさんが仰られた「船型の関係で多数装備」の典型例だと思います。
     例えば、アイオワの場合、船体両舷中央部に装備した場合、恐らく前後方向の射界の確保が困難になると思われます(そしてたぶん前後に配置しても左右への射界が難しい)全周囲に対して安定して1基以上が指向できるように配置した結果だと考えます。
     空母の場合も同様でしょう。
     これらの大型艦は動きが鈍いので射界にミサイルを入れるように操舵するのも難しく、また戦力としての重要性が高いので、複数のCIWSを配備して、僅かでも生存確率を向上させようとしているのだと言えると考えます。
    SUDO

  16. 皆様、たくさんの回答ありがとうございます。
    ただ単にたくさん付ければよいというわけでは無いという事が分かりました。

    >8 ご指摘されて隙間に気付きました。質問を書き込む際にまずメモ帳で質問文を書いて、新規質問投稿欄にコピーして、行を整えてきれいになったと思ったが、まだ残っていた隙間に気付かず書き込んでしまいました(;^_^A

    もぐら号

  17.  イラン・イラク戦争でアメリカのO・H・ペリー級「スターク」が射界の悪さから被害を受けていますね。1987年5月17日、イラクのミラージュF1から誤射されたエグゾセが命中(幸い不発)したというもの。誤射だったのでスタンダードも、チャフも間に合わず、76ミリ砲も、CIWSも死角で撃てず・・・。O・H・ペリー級の図面を見ると 確かに全周の4分の1位、前方寄りが近接防御火器の死角になっていますね。この事件がCIWSの前後装備に 何らかの影響を与えていると思います。
    にわとり

  18. >17.
    ミサイルフリゲート「スターク(Stark)」の場合は、イラク機を味方機であると信じ込んでいたため、CIWSの管制用スイッチをOFFにしていたというのが米軍の正式な釈明だったかと…
    (世界の艦船'91年11月号「特集CIWSの話」より)
    一応、現在でも実戦においてファランクスと対艦ミサイルがガチンコで対峙した事は無い。てことになってます。
    でもファランクスの商品価値を落とさないためにレーマン長官が練った策だったのかも。

    きん

  19. >18
    そもそもファランクスの実績って、海自が誤射撃墜した A-6 しかないような気が……(^_^;)
    tac

  20. >ファランクスの実績
     それを言い出したら各国で採用されている主要なCIWSだって、実績は無い事になりますけど。
    (テストリグに据えつけての試験はやってるはずだけどね)
    ooi

  21. 極東某国にて実施された投下された爆弾への射撃試験なんかどう?(笑)
    sorya

  22. おお、そういえばSUDOちんの論では説明つかない艦が一隻だけございます。
    原子力巡洋艦ロングビーチ。
    彼女は後部に背負い式で2基のCIWSを搭載してますね。
    完全にレンジかぶってます。

    まあ単純に例外つうかまだCIWS装備方法について論が固まってなかっただけかもしれませんが。
    勝井


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