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WW2当時のガトー級、テンチ級、バラオ級(この分類は自信がないですが)のセイルの形は大まかに分けてどれくらいの種類があったのでしょうか。 以前見た洋書には、通常の凸型以外に、前の部分の出っ張りがないタイプ、凸型の前後が長いタイプなどいろいろあったような気がするのですが。 あとこの頃の米国潜水艦は他国の潜水艦に比較してセイルが随分小さいように感じられます。戦前の米潜が大き目のセイルを有している事から、視認性を低くするため、あるいは対空用の機銃をつけるためなどの戦訓に応じた改良と理解してよろしいでしょうか。 エラガバルス |
- え〜と、当時の米艦隊型潜水艦(や他国の潜水艦も)には、上部構造物(superstructure)の内部に防水された司令塔がありましたが、それらは「セイル」とはよばれなかったはずです。詳しくは大塚先生、宜しくお願い致します。
豪腕少年タイフーン
- 1、ガトー級ことSS212-SS284、SS361-SS364の場合
艦橋の形状は大別して四つに別れます。
(1)新造時の大型艦橋。
(2)被視認性低下の為(1)から後部シガレットデッキの囲いを外したもの。
(3)機銃装着の要求もあり、バラオ級の艦橋に類した形状にするため、(2)の前部の
囲いを切り取り、艦橋・潜望鏡等の配置をバラオ級に準じた状態に変更。
(2)が実施されたのが1942年中期以降、(3)の実施は1943年初頭です。
最後にSS361-SS364については多少事情が異なります。
(4)バラオ級(EB建造艦)と同じ形状の艦橋を設置。
FY42建造艦(バラオ級)のうち、マニトワック割当ての最初の4隻は高張力鋼の調達が間に合わないため、
ガトー級として建造されましたが、これらの4隻はバラオ級で加えられた改正点を盛り込むような形で建造が
行われたため、艦橋もバラオ級と同様の形状とされた次第です。
2、バラオ級ことSS285-SS416、SS425/SS426の場合
これは大別すると2つですね。
(5)ポーツマス出図図面に基づく後部が比較的長い艦橋。
(6)エレクトリック・ボート(EB)出図図面に基づく後部の短い艦橋。
(6)の方が構造物が小型でより被低視認で宜しい、ということから、ポーツマス出図の図面を
用いて建造していた造船所の建造艦も後に(6)の形状に変更されています(ポーツマス及び
メア・アイランド海軍工廠、加えてクランプ造船所)。クランプ建造艦は就役時期が遅いことも
あって(5)の形状で完成した艦はありません。また初期に(5)の形状で完成した艦の中にも
(6)の形状に変更した艦があります。
3、テンチ級ことSS417-SS424、SS435、SS475-SS525の場合
これは大別すると3つです。
(7)バラオ級の(6)と同様の艦橋。
(8)SS-488サルダの(5)類似のバラオ級初期建造艦に近い形状である後部が伸びた艦橋。
(9)SS-435コルセアの司令塔延長に伴う全般的に全長が伸びた艦橋。
因みに戦後に砲兵装強化改装が行われた艦の何隻かは、SS-488類似の後部が伸びた艦橋に
変更されています。
大塚好古
- ↑上に追記。バラオ・テンチ級の艦橋は基本的に凸型です。上の文章はそれを念頭において
お読みお下さい(;^_^A 。
大塚好古