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88式徹甲弾って 水中弾対応弾(水面に落着すると 頭がもげて 平頭弾になる)なんですか? 巷の本とかを読むと 88式徹甲弾から水中弾対応弾になった というものと 91式徹甲弾からそうなった というものと 両方の説があり 混乱しています セミララ |
- 八八式徹甲弾は恐らく世界初の水中直進性能力を兼備した徹甲弾です。
世に有名な九一式徹甲弾は、この八八式に空力的洗練を加え射程距離の延伸 をはかった物です。具体的にいえば先端を先鋭化し、後端をボートテール形状にしたのが九一式です。
さらに先端を先鋭化・空力改善し(射程延長)、側面の銅環を一体化(生産性向上)させたのが一式徹甲弾だそうです。
戦艦乞食
- 御回答 ありがとうございます
真珠湾で使用された80番の徹甲爆弾(5号爆弾)は 長門・陸奥の主砲の弾 つまり88式徹甲弾を改造したもの となっている記事も読んだことがあるのですが この爆弾(の断面図)を見ると 水面に落着した時に 頭がもげて平らになるようには見えないのです
本に載っている記事を見ると 88式徹甲弾から水中弾対応弾になったとなっているものと 91式徹甲弾からそうなったとなっているものの2つがあって... どっちが正しいの?
セミララ
- 5号爆弾の断面図が手元におありなら話が早いです。まずそれと91式徹甲弾断面図を見比べて下さい。91式は戦艦用ですよ(14in、41cm、46cm)。巡洋艦用(8in以下)ではダメです、話がややこしくなりますから。
そして、まず91式から海面突入時にはずれる風帽と被帽頭をとった状態を想像して下さい。この形と5号爆弾の形状が違うとセミララさんは仰りたいのですよね?
そうしたら今度は今想像した海面突入後の91式徹甲弾から被帽をはずしてみて下さい。そうすると、あら不思議。5号爆弾と先端形状がまったく同じになりました。
おわかりですか、そういう事です。何も不思議はないのです。
戦艦乞食
- >2&3
つまりセミララさんは88式/91式の構造を誤解なさってる訳です。
確かに8インチ以下の場合は平頭弾頭ですが、36サンチ以上の場合、被帽が平たいんです(風帽・被帽頭がその上に来る)よって88式徹甲弾でも被帽まで外した弾体は一般的な砲弾型になります。
>1
一式徹甲弾って、各所でお聞きした範囲では、91式に染料を詰めたものみたいですが?
SUDO
- >91式に染料を詰めたものみたいですが
えっ、そうなんですか? が〜〜ん!!
セミララさんごめんなさい、亀ヶ首で的になってきます・・・
戦艦乞食
- >5
いや、私が知らないだけで、1式なる新型徹甲弾が採用されていないとは限らないので、出来ればそのソースを教えて欲しいなと・・・。
SUDO
- 学研歴史群像シリーズ大和2ですよ(うちゅうせんかんみたい・・・)
国本先生が書いてらっしゃったんですが。
SUDOさんなら目を通されてるでしょ?
例の信濃の前楯があるワシントン海軍工廠に現存するらしく写真がのってます。国本先生によると一型〜四型があるらしいけれど詳細は不明な謎の徹甲弾となってます。
とりあえず国本先生ごめんなさい、ダルグレンで的になってきます
戦艦乞食
- 一式徹甲弾については、九一式徹甲弾全数の不具合を手直しする名目として制定されたという全く別の経緯を唱えた説もありますね。
BUN
- げ、BUNさま!
九一式徹甲弾全数の不具合ってなんでしょう?
便乗質問で申し訳ありませんが、手直ししなければならないほどの不具合があったのですか?
戦艦乞食
- 関連質問で、戦艦技術解説で有名なネーサンオックンのHPにある91式徹甲弾は水中弾としての性能を重視したため
防御鋼板にたいする貫通力にとぼしく、威力レベルでいうと英国の1920年初頭の砲弾と同等だ、記述があるとか聞きます。
これは91式が傾斜鋼板にたいして硬化した砲弾頭部に軟鋼製被帽を装着して激突時の滑りを抑えるような措置を施していない、
ということを意味するのでしょうか?
ド・マールの式をかよく分かりませんので定性的に教えていただければ幸いです。
Navy
- >10
えっと、91式徹甲弾の被帽は軟鋼で、被帽頭は高い硬度を持ってますが、被帽そのものは普通といってもよいと思います。
またこの形式というかスタイルは既にそれ以前から日本海軍で工夫され実験されてきたスタイルで(被帽の頂部が硬く装甲表面層を破砕する)この形式の砲弾は既に大正10年代の比較実験で製造権を獲得したばかりの英ハッドフィールド社徹甲弾を上回る性能を発揮していましたので、少なくとも英国の1920年代のそれと比較した場合、同等以上の性能はあると考えられます。そして以降も徹甲弾の威力増進の研究と改良は行われていたので、91式の貫徹力が英1920年代のそれより劣るとは思えません。
ただ、面白いのは、英ハッドフィールド製と3年式帽徹甲弾の実射実験では、条件によっては貫徹力が逆転するという表があります。どうも斜撃には日本の徹甲弾は弱い傾向があり、その原因の一つが被帽にもあったとは言えそうです(そしてそれに対して一つの解答をしたのが91式の改善処置だとも)
SUDO
- 堀川先生の海軍製鋼技術物語の砲弾関係を手短にまとめてみました。
私自身十分に理解してませんので、お持ちの方は御自分でお確かめ下さい。
明治39(1906)6in被帽徹甲弾国産化
明治42(1909)二重帽考案
明治43(1910)ハドフィールド社製12in被帽徹甲弾射撃実験
明治45(1912)英ハドフィールド社実習完了
大正2 (1913)仏シュナイダー社坩堝鋼弾丸射撃実験
(ハドフィールド弾より優秀)
大正3 (1914)シュナイダー弾を参考に三年帽を開発
大正4 (1915)弾丸鋼熔製開始
大正5 (1916)三年帽式40cm徹甲弾試作成功
大正11(1922)ハドフィールド14in新型徹甲弾射撃実験
大正13(1924)ハドフィールド社と徹甲弾製造権など契約
大正14(1925)被帽新熱処理法採用
昭和3 (1928)六号弾(後に八八式と改名)採用
昭和6 (1931)九一式徹甲弾採用
昭和19(1944)8in弾成分変更
ハドフィールドからの技術導入は1912年と1925年の都合2回行われています。これに加えフランス・シュナイダー社製弾丸も研究しており、これらは
ハ社旧弾丸<シュ社弾丸<ハ社新弾丸
と後者になるほど性能、わけても斜撃力が優秀だったようです。
日本はこれらを時にはコピー、時には参考にして性能をあげていったようです。
ただ1925年のハドフィールド以降は、水中弾(八八式)、射程延伸(九一式)など貫徹力とは無関係な方向の開発に力を注ぎました。
従って場合によっては1922年のハドフィールド砲弾と大差無い貫徹力と言うのは根も葉もない話でもなさそうです。
戦艦乞食
- >12
いや、大正13年の比較試験で、国産新型がそのハドフィールドより好成績を上げてるんですよ(後の5号徹甲弾・違いは製法というよりも被帽によるものか)
本の孫引きはしたくないので黙ってますが、日本の徹甲弾の威力は1925時点では英のよりも優位に達してました。また1式と呼ばれる改正91式の原点は91式の威力改善研究にありました。ちゃんと改正も工夫も続いてるんですよ(それが同時期の英国のそれと比較して劣るというのなら理解できますがね)
そういえば、堀川先生は「砲弾の硬度が諸外国の中で最も高かったので、場合によっては脆い傾向を示した可能性がある」旨を述べられてましたね。
SUDO
- な、なるほど・・・・
ごめんなさいです・・・・
新世界で的になってきます・・・
戦艦乞食
- ああぁ 出張から帰ってきたら随分と回答が
>3の戦艦乞食さん >4のSUDOさん どうもありがとうございました
88式徹甲弾から 水面落着時 頭がもげる弾頭になったというのが正しい説であり 91式から...という説の方が間違いということですね
セミララ