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はじめまして。 もしソヴィエトのクロンシュタット級巡洋戦艦が完成した場合、どの程度の能力を持ってたんでしょうか? ニコライエフ |
- 要目はご存知ですよね?
基本設計はかなりイタリア風味入ってますので
同時期のイタリア改装中型戦艦などご覧になれば
ある程度予想がつくでしょう。
勝井
- イタリア中型戦艦は大改装前に有る程度の艦船技術の蓄積がありましたが、」ロ
シアの場合は丸っきりノウハウが無いので、完成しても惨憺たる欠陥になった
でしょう。
はっきり言って、ドイツのシャルンホルストや英のレナウン級相手でもキツいと
思います
K−SYAN
- >2
クロンスタットは新造艦です。
また、ロシア(ソ連)は戦艦や巡洋艦を国産し得る能力があります。
設計面で諸外国の協力を仰ぐことがしばしばありますが、これは最新モードを手軽に手に入れるためで、必ずしも造船技術や造兵技術そのものについて劣るというわけではありません。(もっとも、実際の工作面では帝政時代にせよ共産党時代にせよ低能率低技量で設計どおりの性能が出せるかどうかが怪しいとはいえますが)
造機技術の点では、大型大出力タービンの国産は純技術的にはクリアしていたものの製造能力の点で不安があり、たびたび外注を図っていますが。
例えば、帝政時代の新ボロジノ級4隻では、2隻分を国産のフランコ・ロシア、あとの2隻は英国のパーソンズとドイツのフルカンに1組ずつ発注していますし、ソヴィエツキー・ソユーズ級では巡洋艦用機関で国内製造施設が手一杯だったため、建造を急ぐためにスイスのブラウン・ボベリーに発注しています。
とはいえ、とりあえずはロシアの大型軍艦はコンセプトや外見上の配置などを外国からパクっていても、中身はしっかり国産品で固めているといっていいと思います。
クロンスタットにしてもソヴィエツキー・ソユーズにしても、イタリア風モードを装っていますが設計図自体は全てロシア人が引いたものです。
ソヴィエツキー・ソユーズより前、キーロフ級巡洋艦の計画と同時期にイタリアのアンサルド社に戦艦の設計試案を出させていますが、これがベースになっていると思われます。
実際にアンサルド社が関わっているのはキーロフ級巡洋艦までで、少なくとも巡洋艦に関してはゴーリキー級、チャパエフ級、そしてスヴェルドロフ級と、完全にモノにしていると言えるでしょう。
大改装の計画があったのは、1919年に火災を起こして以来擱座状態だったフルンゼ(旧ポルタワ)で、1926年以来設計をとっかえひっかえしながら再生工事がのろのろと続けられています。
また、憶測ですが、これの最終案がクロンスタットのタイプシップとなったのではないかと思われます。
まなかじ
- で、詳しい要目とかについては、例の(笑
http://www.warships1.com/
を参照でしょう
ただ、世界の艦船増刊のロシア・ソビエト戦艦史では副砲が13センチになってますが、warships1.comでは6インチになってます。
まなかじ
- もちろんスペックは知ってます。
疑問なのは独ソ戦がなかったら本当に完成出来たのか?ということです。
(ソヴィエツキー・ソユーズも当時のソ連では主砲が製造不可能、説を聞きますし)
それと15隻建造予定だったようですが、なぜそんな大量に建造するつもりだったのか不思議です。
ニコライエフ
- >5
建造できたかなら、まず問題なく建造できたでしょう。
理由はまなかじさんが前述された通り。
で、大量建造の理由ですが、
ソ連の地勢条件はご存知ですよね?
北洋・バルチック・黒海・太平洋の4艦隊を整備しなければならず、
しかも相互支援は北洋とバルチックの間である程度可能なのを除いて
ほぼ不可能です。
15隻も4分すれば1艦隊あたりせいぜい数隻で、
決して多いとは言えません。
それだけの数を整備できるだけの国力があるかは別問題ですが。
勝井
- 回答というよりも一大妄想ですけど(をひ
ソ連海軍では、イタリアの次にアメリカに建造援助を頼んでいますが、そのときには太平洋艦隊配備の対日本海軍用戦備だと説明したといわれます。
これ、あんがい本気だったんじゃないかと思います。
というのは、はじめの1937年計画では16インチ主砲艦であったのが、翌年急に18インチ主砲、基準6万2千トンの計画に膨れ上がったからです。
これはドイツのZ計画に反応したものというより、ソ連の優秀を極める諜報網が、ちょうど建造が始まった大和型の計画内容を嗅ぎつけたからだと考えるのが自然ではないでしょうか。
どうも、建造所がレニングラード近辺であるというだけでバルト海でドイツ海軍ばかりを見ているような解釈をされがちで、ソユーズも対ビスマルク用だという見方をされているような気がします。
というより、日本海軍が太平洋の向こう側しか見ていなかったというせいかもしれませんが。
ですが、ソ連にとって、ロシア時代からの宿願である「外洋に開けた不凍港の獲得」に関していえば、その可能性は極東方面にしかあり得ません。
ムルマンスクには「鉄道」というチョークポイントがあり、バルト海ではバルト三国を押さえても結局スカゲラック海峡があり、黒海にはもちろんダーダネルス・ボスフォラスがあります。
もし独ソ戦なかりせば、小煩い関東軍を叩きのめし、中国東北部を赤色化し、そして日本海軍に対して雪辱を果たせば、再び大連・旅順を手中にできます。
その伝で行くなら、クロンスタットはバルト海艦隊にあってはもちろんポケ戦やシャルンホルストに対抗するでしょうが、強猛を以って鳴る帝国海軍の重巡に対するアンチ戦力として、その主力を太平洋に集中してくるとしても何の不思議もありません。
まなかじ
- ところでクロンシュタットの水線下防御ってS・ソユーズ級と同じあのプリエーゼですか?
モーグリ
- 米艦艇みたいな多層水雷防御です。でも液層はないみたい・・・
戦艦乞食